2019年 02月 26日 ( 1 )

夢の原付

お、懐かしいな、ドリーム50。ドリーム50についてはあまり詳しく語らなかったですなぁ。原付ということでちょっと後ろ暗いところがあったからなんですけどね。まあ、もう手元を離れたしネタもないので適当に。
原動機付自転車ってのは最高速度が30km/hですから、近所の峠道にプチツーリングに行ってきました!なんて書くと、速度違反を白状しているようなもんです。誰がドリーム50で30km/hで走るかよ。まあ対策はしてありましたけど。

ドリーム50の元ネタは1960年代のホンダのレーサー、CR110です。50ccのシングルでツインカム4バルブのヘッドを持ち、8.5PS/13,500rpmという性能でした。たいした性能だと思いますけどレーサーですからね。確か500kmごとにクランク割ってO/Hとかじゃなかったかな。公道での使用は(初期型は公道で乗れたはず)全くお勧めできない。
そのCR110をモチーフにしたのがこのドリーム50で1996年発売だったかな。ウチのこの個体は何年式だったのか。もう忘れました。ぱっと見、CR110によく似ているんですけど、細部をみると全然違います。ドリーム50は公道で乗れる原付ですから保安部品があるし、ブレーキは近代的なディスクです。なんと前後共ディスク。原付のくせに生意気だ。w
図ではマフラーがオリジナルと違いヨシムラ・サイクロンになってまして、これまたオリジナルのCR110の雰囲気に寄せて作られてます。ノーマルはメッキのマフラーで性能も見た目もCR110レプリカというには微妙なシロモノ。やっぱりこのヨシムラ・サイクロンにしないと雰囲気が出ないよね、ということで大枚をはたいて(原付のマフラーのくせに9万円もした)買ったんですけどこの見た目の格好よさで十分に元は取れました。高回転を常用するので信じられないぐらいにうるさいのが欠点でしたけど。(汗

それはそれ。全然似ていない決定的な点があります。それはシリンダーヘッドの「ミッキーマウス」と言われたカムシャフト駆動用ギアのカバー。ドリーム50では図では見えない左側にあります。ところがオリジナルのCR110では右側なんですよ。もう決定的に違う。
他にはCR110はミッションが8速ですけどドリーム50は5速しかない。高回転型でパワーバンドが狭いので(特にウチのは狭い。後述)せめて6速、できればオリジナルと同じ8速欲しかった。30数万円の原付でそんなスペシャルなミッションはどう考えても無理ですけど。w
そういったわけでドリーム50はCB50のツインカム版、それをレトロなCR110風にしたモデルというのが本当のところ。ただし、さすがに90年代のテクノロジーで作られただけのことはあって、エンジンはバルブの挟み角が狭くてレイアウトとしてはCR110よりも高回転向きだそうです。

ある時、ふと欲しくなったんですよね。>ドリーム50
ネットで調べてみると当時の相場は25万円以上30万円以下といったところ。生産中止から10年以上経った原付としては高値ですけど、まあドリーム50ですからねぇ。いくつかの出物をチェックして、納豆県内のとあるバイク屋さんへ見に行きました。底値の25万円の物件でしたけど、程度は悪くない。ただし左側に転倒した形跡があってステップのホルダーとフレームの溶接してある部分の塗装に細いクラックがある。あとメーターがよくわからないデジタルになっている。走行距離は・・・もう覚えてないけど意外に少なかった(数千キロ、確か4千キロとかだったか)ものの、メーターが交換してあるんで果たしてどうなんだか。
メーターなどのパーツはまだ出るということは調査済みでしたので、自分で元に戻すつもりで購入。はなから30km/hで走るつもりなぞないので、納車整備している間にリミッターカットのCDIも購入してバイク屋へ送りつけておきました。w
初めて乗った感想としては、ああ原付ですね、というもの。排気量なりの動力性能。それでも、かつて乗っていた(2台乗りました)CB50に似たフィーリングですけど、さすがに4バルブツインカムで高回転までよく回って乗りやすい。加速はとにかくスピードは出ます。操縦性も洗練されていて、見た目は古臭いけど中身は近代的な印象でした。

ノーマルで乗る気はなかったので、とりあえずモデファイのコンセプトを考えました。しばし考えた結果、思いついたのは「出来るだけ乗りづらいエンジンにしよう」というもの。ボアアップは最初から検討せず。ドリーム50はボアアップしたら負けかなと思っている。w
まずはマフラーを交換。前述の通り、ヨシムラ・サイクロンです。次にキャブレターを交換。ノーマルはPC15だかでしたので、同じ系統のPC20に換装。PC系統にはPC18というのもあり、どう考えてもそっちの方がマッチするはずなんですけど(PC20は88ccあたりにマッチ)、「乗りづらくする」というコンセプトのもと、迷わずPC20をセレクト。前任のCL50改(こちらは88ccのボアアップ)で使い慣れていたというのもあります。>PC20
インテークマニホールドの内径が合わないのでリーマやリューターで削って広げ、エアクリーナーボックスの吸気口も30mm径ぐらいの穴を2個ほど追加。キャブのセッティングはさほど苦労しませんでした。CL50改で慣れていましたし、ドリーム50のエンジンは素直でしたし。


排気量に対して過大なサイズのキャブレターを装着するとどうなるか。まず始動が難しくなりました。基本的にはホンダの4サイクル原付エンジンの作法ですけど、チョークとスロットルワークにより繊細な加減が必要になりました。どういう感じかというと、まずはチョークレバーを引いてキック。その時、スロットルは開けないけど、いつでも開けられるようにスタンバッておく。初爆が感じられたらすかさずほんの3-5mmほどスロットルを開け回転が繋がるようにする。と同時にチョークレバーを戻す。戻しっぱなしにすると止まっちゃうので、止まりそうになったらまたチョークレバーを引く。同時にスロットルも微妙に開けたり閉じたりしてアイドリングするまで待つ。という感じ。この気難しい感じがたまりませんでした。

エンジンのパワーはどうなったか。もちろんパワーアップしました。平地・無風状態で実測95km/h(ノーマル比10%upぐらい?)ぐらいはでましたね。4スト50ccとしてはなかなかの性能だと思います。おっと、勿論このデータはなま家の特設テストコース(20kmの直線を設計速度320km/hのバックでつないだもの)で計測したものです。公道でそんなに出すわけないですよ。
4ストなので意外に低回転でも使えるんですけど、だからといって低回転でスロットルを開けて乗っているとだんだん調子悪くなってきてカブって機嫌がわるくなり、ついには止まる。この気難しい感じが本当にたまりません。w
最低でも7千回転をキープしていないと機嫌が悪くなりました。全開にできるのは9千回転から。しかも低回転でガバッとスロットルを開けちゃうとかぶり気味な状態を引きずってしまって、9千回転でも微妙にフケが悪い。綺麗に回したいなら、低回転ではスロットルを開けるのは回転に合わせて最低限にして、カラッと乾いた感じで回転を上げ、9千回転を超えてから初めて全開にする感じでしたね。この気難しい感じが(ry
ここら辺の加減は平らな道をただ走っているだけならまだしも、峠道の登りとかでは極めて繊細な操作を要求されてそれが楽しかったです。

全くツーリング向きではなく、エンジンの回り方とその音を楽しむ、いってみれば楽器みたいな乗り物でした。>ドリーム50
高回転型といってもそこはシングル、パワーが出るのは11,000-12,000回転あたり、引っ張っても14,000回転ぐらいが限界で、よく観察してみるとそこら辺の回転数だと回っているだけなんですけど、その回転数まで引っ張る回り方がドラマチック。なんていうか60年代に超高回転・多気筒の4サイクルレーサーでならしたホンダの看板を背負っているような気分になれたんですよ。周りから見れば五月蝿い原付にしか見えなかったはずですけどね。w
そういえば田舎のバイク屋の前をドリーム50で通りかかった時があるんですけど、店先で座り込んでだべっていたらしい店主とお客さんが、全開で加速するドリーム50の音に驚いたのか、いきなり立ち上がったのを横目に見たことがあります。w

by namatee_namatee | 2019-02-26 21:29 | motorcycle | Comments(7)