2017年 01月 07日 ( 1 )

グサッ!

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「ヨコハマ買い出し紀行」第12巻第114話「はこにわ」より。
なぜかナイの「テキサン」に乗って里帰りするタカヒロの図。これ、さりげないシーンなんですけど、タカヒロの「うちの家族です」というセリフがグサッと心に刺さります。
この場にいるのは、見ての通りのアルファさんとマッキ、それにタカヒロのおじさんとマッキの親戚?祖父母?のおじさん&おばさんです。タカヒロのおじさんとマッキの祖父母らしい2人は地元の言葉でタメ口で会話しているので、歳は近いようですね。
タカヒロのおじさんもタカヒロとどういう関係にあるのか不明ですけど、第1巻の第2話「入江のミサゴ」でアルファさんが「おじいさんは今日は?スタンド?」と言っているので、祖父にあたるのではないかと思いますけど、なんといっても連載開始まもない第1巻でのセリフなので、いわゆる「表記ゆれ」の可能性もあって断定はできません。ここはまあ祖父としておきましょうか。w
マッキの親戚らしきおじさん&おばさんはタカヒロに勉強を教えていたりするんですけど、マッキとの関係は詳しく描かれていないので不明です。前述の通り、タカヒロの祖父らしきおじさんと年齢的にそう離れていないように見えるので、マッキの両親というにはちょっと歳が離れすぎているような気がします。なので、こちらも祖父&祖母としておきましょう。

話をタカヒロの「うちの家族です」というセリフに戻すと、これの何が心に刺さるかというと「家族」という表現ですね。
タカヒロにとってはおじさんはもちろん無条件に家族で、マッキもマッキの祖父母もまあ家族みたいなものでしょう。はっきりと意識しているかどうかはわかりませんけど、タカヒロにマッキとはいずれ結ばれるという予感はあってもおかしくないですし。
ではアルファさんはどうなのか。関係として特に血縁があるとか、深い関係(おいおい)とかではない。ましてや人間でもない。でもタカヒロにとっては「家族」だと。
いや別にどうってことはないんですよ。わたくしがタカヒロの立場で飛行機の後席から地上にいるこの人々のことをナイに説明するとしたら、やっぱり「家族」と言ったでしょうし、まあ当然の表現ではあります。が、やっぱりタカヒロが言う「家族」の重みみたいなものは感じられて、そこへアルファさんが入っていることに感動しちゃいます。それは第1巻第4話「雨とその後」の最後の頃でのおじさんのセリフ「こういうときや あんた 家族みてえなもんだしよー」からも繋がっています。その時にはタカヒロはまだ「家族」なんてものを意識していなかったのかもしれませんけど、時を経てそれを意識するようになった。彼の成長が感じられますね。
このさりげない「家族」という一言が、恥も外聞もなくなり、たいていのことには感動もしなくなってしまったおっさんのわたくしの心にぐっさりと刺さるのであります。っていうか、「ヨコハマ買い出し紀行」を真面目に読むまでは、こういう微妙な表現に気がつくこともありませんでした。

もう一つはまったく違う観点から。タカヒロにしてもマッキにしても、両親がいないらしいということに改めてショックを受けます。どこかへ出稼ぎに行っている可能性は否定できませんけど、わたくしとしてはすでに生きていないのではないかと想像します。「夕凪の時代」ではタカヒロやマッキの親にあたる世代がごっそりと存在しないのではないかと。
原因がなんなのかはわかりません。天変地異ではある年代の人口だけが少なくなることは考えづらいので、わたくしとしては大きな戦争があって、タカヒロやマッキの両親、特に父親は従軍したのではないかなどと考えてしまいます。あるいは壮年の人々が総力を挙げて立ち向かい、命を落とすようなイベントがあったか。詳細はよくわかりませんけど「夕凪の時代」の残酷な現実を間接的ながら思い知らされて、これも心にグサッとくるのでした。

そしてこのお話は第14巻第137話「みんなのふね」にも繋がっています。第137話「みんなのふね」では今度はタカヒロが自分たちでレストアした「T-34メンター」にマッキを乗せて里帰りするんですけど、その時に地上にいるのはアルファさんだけなんですよ。つまりタカヒロのおじさんもマッキの祖父母?もすでに他界しているということです。これもぐっさりと心に刺さります。

「ヨコハマ買い出し紀行」を読み始めた頃は、やり切れなさにここら辺にさしかかると毎度、鬱になってました。w
「人の夜」はロボットの人の楽園であると考えるようになって、だいぶ救われました。今更言うのも変ですけど奥が深いんですよ。>ヨコハマ買い出し紀行

by namatee_namatee | 2017-01-07 21:32 | book | Comments(4)