YouTubeで「しくじり企業」という動画を観ておりまして。古今東西、破綻した企業をネタにした動画。とても面白い。 そういえばわたくしが勤めた会社も2社ほど倒産(事実上の破綻かな)したなぁなどと遠い目になっておりました。 以前にも書きましたけどわたくしが最初に就職した会社は製造業で、某H製作所他の下請けでございました。これがどうにも性に合いませんでやる気が出ず、10年ほど勤めて辞めた(っていうかクビ同然で放り出された。w)わけです。この世に製造業が必須なのは理解しておりますけれども、コンシューマーとして、特にお金をダダ漏れにするのに快感を覚えるタチの自分からみると、その体質はみみっちいことこの上なく、こんな仕事に自分の人生を浪費して良いのかという疑念に常にさいなまれ(ry ようするにやる気がまったく出なかったんですよね。1個1円にも満たないパーツに貴重な自分の時間を使うのが嫌で嫌で仕方なかった。(汗 今だったらお給金のためと割り切って働くと思いますけど。まあ、中途半端に幹部候補生扱いで給料のために働いているとは言いづらい立場だったというのもあります。また今ほどコンプライアンスなんてのも尊重されてなくて、毎週土曜日には自己啓発活動とか言って研修があったりしました。建前は自己啓発なので無給です。それで経営とは何か・従業員も経営者の感覚で働こう、みたいな研修を受けさせられるんですよ。 ・・・今だったら言える。我々下っ端の社員が経営感覚とかノウハウを身につけたらお前ら(社長とか専務とか常務とか)必要ないじゃん!、って。w あと残業は常にありましたね。もちろん時間外はその一部しかもらえません。これは後に悪化していきまして、ついには数十時間残業しても1円ももらえなくなりました。理由は「残業になるのはお前の能力がないから」です。w 今思えば、定時になったら仕事なんて放り出して帰っちゃえばよかったんですよね。それが正しい働き方ですよ。 当然ながら有給休暇も取りづらい雰囲気でした。全体的にルールや規約は会社の都合良いように解釈・実施され、従業員は会社のおこぼれにあずかって働かさせていただいているという感じ。 まあ、親会社のH製作所は巨大企業らしく、表向き法令は遵守という体でしたけど、その無理や矛盾が下請けにしわ寄せになって押し付けられているという感じで、わたくしの勤めていた会社も辛いところだったんでしょうなぁ。 というわけで、10年ほどで転職しましてね。元上司の紹介でとある商社(の子会社)へお世話になりました。これが前の会社とは正反対にgdgdなところでして、経理会議に出たら議題が直前に使い込みでクビになった社員の損害額の算定だったりしまして、もう笑えない。笑うけど。w わたくしの入った子会社の方は全く問題ありませんでしたけど、親会社の商社の方は慢性的に資金繰りが苦しくて、金融機関から運転資金を融資しつづけてもらわないと倒産という状態でした。その運転資金の返済分の資金を稼ぎ出していたのがわたくしのいた子会社で、社長は親会社の社長の親族。親会社に収益を吸い上げられている状態にもかかわらず、親会社の人間はわたくしたちに対しては威張っているわけで(あの根拠のない横柄さはいまでも謎。)、わたくしたちの反発は相当なものでしたけど、社長はなんといっても親父が相手ですから結局はいいなりになっちゃう。できる限りのことはしてくれている様子は伝わってきたので、我々も協力してましたけどね。 資金は親会社への売掛金を貸付金に振り替えることで流しておりましたけど、当然ながら貸付金が帰ってくることはない。w 数億円の貸付金が焦げ付いた状態になって、さすがのわたくしの子会社の方も仕入先への支払いなどが厳しくなってきまして、なんとかしてくれと掛け合うことが日常茶飯事になってきたころ、親会社の社長(つまりわたくしのいた子会社の社長の父親)が事業継続を断念とかいって記者会見を開くという。orz 当然、多額の貸付金があった我が社も瞬時に資金繰りに行き詰まり、銀行との取引はできなくなりました。JCOの臨界さわぎの時にすら銀行へいって手形の書き換えとかして必死に支えていたんですけど、それも無駄なあがきということに。 ちなみに親会社の方はJCOの臨界事故で補償があって、そのおかげで事業継続断念が半年伸びたと後に聞きました。w 子会社の方の取引があった金融機関は都市銀行1行、地方銀行2行、信用金庫と信用組合が1つずつ。都市銀行さんは「期日までに返済がない場合はしゅくしゅくと手続きを進めることになります。」と冷たい。わたくしもやけくそですから「それは願っても無いところです。打つ手はありませんので、思う存分やってください。」と言い放ったのは良い思い出。しょせんは社員ですから、何言われても平気ちゃ平気なんですよ。仕事で自殺する人は気の毒ではありますけど、その気持ちはわたくしには理解できません。 一番あわてたのが地方銀行の1行と信用金庫。両者とも借入額が同じぐらいで、全体の半分以上というか8割ぐらいでしたからね。しかも親会社の監視と相談のために信用金庫(親会社のメインバンクでもあった)から役員が来ていたにもかかわらず、親会社の社長(子会社の社長の父親)は相談もなしにいきなり事業継続不可と言い出しましたからね。メインバンクの面子丸つぶれ。w そういったわけで連鎖倒産したわけですけど、実は本当の意味での倒産はしなかった。親会社の方は手形の不渡りを出してしまって、救いようがありませんでしたけど、わたくしのいた子会社の方は仕入れ代金などの決済には手形も小切手も使わず、当然ながら当座預金口座もなかったので不渡りは出しようがない。銀行を通した取引はできなくなりましたけど、完全に現金での支払いで事業は継続できたのでした。とはいえ、担当のわたくしは燃料代とかガス代も毎日現金で払うんですぜ。面倒臭いのなんのって(ry わたくしは諸般の事情で子会社の取引先の会社(C社としておきましょうか。)へ移ることになっておりまして、可能な限り子会社に残って親会社の内情を子会社のC社に報告する任務を担っておりました。いってみればスパイですな。これは面白かったです。親会社とC社はC社がわたくしのいた子会社へ下ろしていた商品代金の支払いに関して親会社のせいで回収が困難になったわけですから、当然ながら厳しく対立しておりました。親会社の社長の取り巻きには怪しい人物(会社が潰れそうになるとそういう人物が寄ってくるんですなぁ。)がおりまして、C社との対立の中でC社に街宣車さしむけたれ、とか言い出して、それをわたくしがC社に報告したもんだからC社では大騒ぎになったそうで。w 結局、資金がないということでC社に街宣車はきませんでした。その時に街宣車ってお金次第なんだ、ってのを学びました。w 子会社の方は現金取引のみを続けている分には倒産はない。C社が下ろしていた商品代の売掛金を請求し、その回収が不可能ということで破産を申し立てれば別ですけど、当時のC社は儲かってたし、そこまで追い詰めると街宣車が(ry ・・・実はわたくしのいた子会社、秘密の当座預金口座があったんですよ。社長とわたくしが万が一の時のためとして、親会社が事業継続不可になる寸前のタイミングで開設しておいたのでした。親会社が事業継続を断念したのちも、この口座は発見されることはなく生きておりました。わたくしと社長以外には知っていた人はいないんじゃないですかね。 手形用紙も密かに手に入れておりまして、その手形用紙を使ってC社に対して2千万円の約束手形を2枚ほど切っておきました。期日は未記入。この手形に適当な期日を記入して取り立てに回せば当然ながら不渡りになるわけで、それでわたくしのいた子会社トドメをさせると考えたわけですけど、これまたそこまでやると街宣車が(ry 約束手形が2枚なのは期日をずらして不渡りを2回出させるためです。金額もたいしことないし、C社に売掛金の支払いをして商品を下ろして貰うためだったと言えば誰も不審に思うことはないと踏んだんですけど、秘密兵器は使うことがなかったのでした。 そういったわけで、わたくしはうまいことC社へ移籍しました。w 後に聞いたんですけど親会社の内情は大変なもので、これは前にも書きましたけど、資金繰りが行き詰まってどこの金融機関からも借り入れができなくなってきたため、従業員に無理やりとある金融機関に口座を作らせ、カードローンで限度額いっぱいまで借り入れさせてそれを会社の運転資金や返済に回すという荒技に出たという。従業員へは給料と一緒にリボ払いの返済分を手当てとして返すわけです。回っているうちは良いですけど、会社が倒産とかすると給料は出なくなりますから、従業員は会社の借金を返済し続けることになるわけで。あと社会保険料とか源泉税などの従業員からの預かり金も資金繰りに回しちゃう。当然、社会保険料も税金も延滞ですよ。酷い。w 最後の最後、明日には不渡りが出るという場面で、社長の秘書が社長に「社長のクレジットカードで借り入れすれば(ry」とか言ってましたからね。1945年4月下旬の総統大本営とか1945年8月9日の御前会議みたいだな、と思いましたよ。(汗 うまいこと移ったC社もその頃がピークで後に倒産同様になります。わたくしはまたしてもひどい目に遭うわけですけど、それはまた別の折に。w 思えば2社とも連続して倒産同様になったわけですけど、一番最初のH製作所の下請けの会社は現在でも元気に存続しております。わたくしには合いませんでしたけど、結果を見る限り会社としては堅実なんでしょう。もっとも潰れたたら潰れたで喝采を叫ばないとは言いませんけどね。w 図はそういうのとは全く関係ない。電動ガンのリニューアルを計画しておりまして、主に電装関連なので必要なケーブルとか端子とかを確認したら、すでに大半が散逸していたので、とりあえずの分として買ったもの。割高ですけどこの状況では致し方ない。しかしメカボ開けるの面倒くさいなぁ。orz
by namatee_namatee
| 2019-03-29 23:02
| diary?
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Comments(6)
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ボニー
at 2019-03-29 23:30
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タラタラと長い文章を…
面倒臭いからよく読んでないけど、要するに名門私立の中学・高校で不相応な自尊心だけは形成されたものの真面目に勉強しなかったからまともな職に就けなかったと嘆いている訳ですね
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フラフープ
at 2019-03-30 00:15
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素朴な疑問なんですが、従業員の社会保険料を企業が流用してそのまま倒産した場合、最終的なしわ寄せはどこにいくのでしょうか。特に、保険料の納付から給付までのタイムラグが大きい年金などは、従業員からしたら薄気味悪いですよね。
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namatee_namatee at 2019-03-30 07:44
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namatee_namatee at 2019-03-30 07:51
>フラフープさま
社会保険料は被保険者は特に関係ないですね。会社負担分の保険料や税金は破産しても債務がなくなりませんけど、どうしても回収できなければなんらかの形で不足分を補填することになると思います。年金の場合は運用益とかもあるしどうやって帳尻を合わせているのかはわかりません。そういうのを考慮しないのならば、結局は被保険者全員で少しづつ負担して穴埋めしていると考えればよいのではないかと。 税金も同様で、最終的には納税者全員が少しづつ負担していると考えればよいんじゃないですかね。
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フラフープ
at 2019-03-31 09:25
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会社ぐるみで民間の保険会社に加入していて、さらに、給料天引きしながら保険料の代理納付を怠っていた場合、その期間の怪我や病気に保険金はおりないのかと思っていました(その前提も憶測ですが)。社会保険の場合、少し違うのですね。
年金事務所のニュースを見るにつけ、数十年後に間違いなく給付されるのか、一抹の不安がありますね。なまさんは別会社で良かったですね。
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namatee_namatee at 2019-03-31 22:34
>フラフープさま
民間の保険会社の保険のことは知りませんぞ。 滞納した社会保険料と税金(源泉税・住民税)はどこまでも追いかけてきます。w 住民税の場合、業界によっては会社が特別徴収をしてないところがあって、そのせいか本人もうっかり滞納しちゃうときがあるようです。で、本人が別な会社に入ったのを嗅ぎつけた役所から、その会社に「おたくの会社に○○さんが入社しましたでしょ?」って連絡がくるときがあります。w
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