伝説



CarGraphic 1975年7月号でございます。
これはすごいよ。マツダ・ロードペーサーのインプレが載ってます。巷で言われる通り、1.5tオーバーの車体+3ATに13B型ローターリー(135馬力)ではやはり力不足であったようで、上り坂ではローから3速へと頻繁に変速を繰り返して、高級車らしくないと言われちゃってます。ロードペーサーのライバルはプレジデントやセンチュリー、いすゞのステーツマン・デ・ビル(実はロードペーサーの親戚。あったなぁ、そういうの。)で、ロードペーサーの価格はそれらと並ぶ、あるいはより高価だったそうで、それで135PSではそりゃ売れませんわな。w
他にはビッター・ディプロマートCDとかランチア・ストラトス(!)のインプレ(ポール・フレール先生の)、そして表紙のアルファロメオ・アルファスッドtiの記事が掲載されております。アルファスッドtiは今見ても魅力的。

ビッター・ディプロマートCDとか、珍車のレベル。実は東北道で一度だけ見かけたことが・・・あるような気がする。見慣れない車がいたので近寄ってみたんですけど、後ろ姿〜横の格好が頭の中の車種のデータベースに該当しなくて混乱しまして、のちにあれはビッター・ディプロマートCDだったかも?となった次第。まあ、マセラティ・ギブリ、あるいはカムシンランボルギーニ・ウラッコとか、似た感じの車は多いので、もしかしたらそれらと混同したのかもしれませんけど。いやでも、このCarGraphic 1975年7月号の記事を読んでいたから、ビッター・ディプロマートCDじゃないかと思ったわけで、あながち外れとも言い切れないところ。だって、この記事を読まなければビッター・ディプロマートCDなんてスーパーマイナーな車の存在を知ることはないですからね。w
マイナー車といえば記事ではなく広告でマセラティのクアトロポルテIIの姿も。ポシャったモデルですな。Wikipediaで調べると、生産台数13台とか。しかもFFだったのか。今の今まで知りませんでした。シトロエンと提携していた時期なのでシトロエンSMにベルトーネデザインのボディを乗せたものだそうです。そりゃFFになりますな。
いやそれにしても、改めて見て見るとマセラティ・カムシンの格好よさは異常。生産台数430台か。おまけにシトロエンのハイドロか。こりゃ手に入れるのは無理です。>当たり前

なんでこんな古いCarGraphicを引っ張り出してきたのかというと、スカイラインGT-R、いわゆるハコスカGT-R、PGC10の性能を調べていたからです。ネット上にメーカーのデータ(最高速度200km/h、0-400m加速16.1秒)はありますけど、CarGraphicのテストでの成績が知りたかった。わたくしの記憶が正しければ、CarGraphicではあまり良い成績・評価じゃなかったんですよ。小林彰太郎氏の書いた記事(インプレそのものではない)では、何度かメーカーから借りたGT-Rを公道でテストする機会があったものの、毎度エンジンが完調ではなく、イマイチな結果に終始したという。
なにがそんなに難しかったのかが知りたいと思いましてね。そりゃソレックス3連装でツインカム4バルブなんてハイスペックなエンジンは気難しかったでしょうけど、だからといってメディアに貸し出す試乗車が不調ばっかりってのも信じがたい。調整が難しいと言っても、メーカーの所有車ならそこそこの性能は出せたはずだと思うんですよね。
にもかかわらず、CarGraphicの執筆陣には良い印象を残せなかったというのはどういうことなのか。それはつまりS20エンジンのGT-Rって実力は大したことないということなんじゃないかと思いましてね。(汗

わたくしが物心ついた時分にはハコスカGT-Rはすでに伝説の彼方でしたし、高価な車だったので周りにオーナーもいない。実際に触れたことのある人の話ってほとんど聞けなかったんですよね。整備工場を営んでいた義父が知り合いにGT-Rについての話をしているのをちょろっと横から聞いたことがあるんですけど、やたら気難しいじゃじゃ馬で乗りこなすのは大変だったという話。いやしかし、1,120kgに160馬力ですよ。レース用はとにかく、普通に乗れる公道仕様のGT-Rがそんなに乗りづらかったものだろうか?と思うんですよ。タイヤとかプアだったのは確かですけど、FRの平凡なセダン・クーペですからね。前にネタにしたポルシェ911Rみたいに車重800kgで200PS、しかも8,000rpmでとかだとヤバさが伝わるんですけどね。
タイヤ屋さんでバイトしていた頃、周りはすごい人たちでいっぱいだったんですよ。トヨタ・1600GTで日本グランプリに出たとか、そういう人たちだったんですけど、GT-Rに関してはあまり良い話をきかなかったと記憶しております。まあ、レース関係者にとっては新しい車こそ速い=正義であるので、当時すでに過去(話を聞いた当時は1980年代中盤)の車になっていたハコスカGT-Rとか興味がなかったのかもしれませんけどね。

というわけで、S20エンジンのGT-R(もちろんロードverの方)って本当にすごかったのかを調べようとして、まずはCarGraphicの歴代テストデータを参照しようとしていたわけですけど、肝心のデータが見つからず、ロードペーサーの記事に引っかかってしまったというネタでございました。w
GT-Rについては引き続き情報を検索・検討して、その実情に迫りたいと思います。

by namatee_namatee | 2019-02-16 22:47 | car | Comments(6)
Commented by ダメンフィス at 2019-02-17 23:02 x
今回めちゃめちゃ面白く読ませてもらいました。
GT-Rの真偽ワタシも気になるので続報お待ちしてます。
ガキの頃になんかのふるーい雑誌でガンさんの特集読んでからGT-Rは半ば神格化されてたとこあるので…。

Commented by namatee_namatee at 2019-02-18 10:01
>ダメンフィスさま
しかし、このネタはほぼわたくしの記憶と経験からしか展開できないのが苦しいところです。
タイヤ屋でバイトしていたころに経験者にもっと詳しく聞いておけばよかったとも思うんですが、あいつら狂暴でバイト風情が細かいことをごちゃごちゃ聞いたりすると殴られ(もちろん手加減してましたけど)ましたからね。w
Commented by フラフープ at 2019-02-19 08:00 x
スゴい。生まれる前の刊行物とか、久しぶりに見ました。40年以上前の廉価な雑誌でも、物理的に「本」でいられるものなんですね。
最近、生まれる前に製造されたコインもあまり見かけなくなって寂しいです。
以上、本の内容は完全にスルーでした。w
Commented by namatee_namatee at 2019-02-19 14:31
>フラフープさま
そりゃフラフープさんにとっては自分が生まれた瞬間にこの世界が始まったわけでしょうけど、それ以外の人間にとっては世界の始まりはもっと前だったり後だったりするわけですから、当然生まれる前の刊行物だって普通に存在しますよ。w

CarGraphicの創刊は1962年4月だそうですので、わたくしが生まれるよりも前だったりします。自動車雑誌の中では格別に厚みがあって重たく、内容も充実していましたが、価格もそれなりにしましたし、記事のクオリティは高く、資料としても現在でも(むしろ現在ならではの)価値があると思いますので、これを廉価な雑誌といわれるとそれは微妙といいたくなりますね。w
Commented by フラフープ at 2019-02-20 06:40 x
失礼しました。廉価でない雑誌なんですね。>CarGraphic
図書館に収蔵されていたわけでもないのに、長持ちするものなんですね。
Commented by namatee_namatee at 2019-02-20 22:53
>フラフープさま
いやいや謝るようなことではないですよ。なんていうか、その感動の仕方が面白かったので、むしろ感動したぐらいですよ。w

まあ、立派な書籍も重要ですけど、消費されていく一方の雑誌なんてものも発刊当時の世相などが反映されていると思います。だから古いアフタヌーンやパピポにこだわったりするんですよ。
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