驚異


椎名さんの1stアルバム「Shiena」。1994年8月21日にリリース。アーティストデビュー20周年とか言っていたのはつい最近のことだと思っておりましたらば、来年には25周年ですよ。月日の経つのは速いもんですなぁ。(汗

「Shiena」はなんといっても最初のアルバムなので、椎名さんもいろいろ拙いところがある。それをもって一般的には「歌唱力がない」なんて言われたのかもしれませんけど、本当のところは「Shiena」の楽曲は実に味わい深いんですよ。わたくしはファンですから「あばたもえくぼ」みたいなところがあるのは勿論ですけど、それを差し引いてもやっぱり味わい深い。「Shiena」には下手と切り捨ててしまえない「何か」がある。ここ最近はそれがなにかを追求しているわけでございます。
なんとなく気がついたのはピッチとか声の力などには拙い感じがあるものの、歌声には多彩な表情があること。表情を見事に歌えているといえば良いのかな。まるで声優さんが演技しているみたいな、細部まで気を使って歌っているのがわかります。これは歌うことが精一杯なはずの新人としては驚異的ですよ。

「HEKIRU FILE」その他の情報ではこのころの椎名さんは歌を歌うということにあまり乗り気ではなく、「Shiena」のレコーディングも嫌々やっていたと聞いております。オリジナルソングはそれまで経験したキャラソンと違い、キャラとして歌うのではなく「椎名へきる」そのものとして楽曲を表現しなければならず、それがどうしたら良いのかわからずに難しかったとも。おかげで信濃町のスタジオに通うのが嫌だったと言ってます。にもかかわらず、この完成度は驚異と言わざるを得ません。「椎名へきる」は天才であるというわたくしの説の一つの証拠と言えるのかもしれません。

思うに「Shiena」の各曲が新人離れして表情豊かで味わい深いのは、どうやって歌ったら良いかわからなかったから、キャラソンでキャラが演技するように歌っているからじゃないかと。これは後の各曲でも共通して感じられ(演技するキャラが椎名さん自身に変わりますけど。)、それに加えて見事にあの美しい声を制御する術を身につけるんですけど、「Shiena」ではまだその域に達していないために、声の表情豊かな部分がより純粋に聴き取れるからじゃないかなぁ、と。

そして1994年当時は今と違って優秀なカナル型イヤホンは存在しませんでした。2018年の今、わたくしがXPA-700+SATOLEX Tubomi DH302-A1BsやDH310-A1SS-eで聴いているような音も存在しなかった。高解像度な音で「Shiena」を聴く機会はなくはなかったものの限られてました。
「Shiena」の椎名さんの表情豊かな歌声を今のように聴くことは難しかったのです。もしかすると多くの人はそれに気がつかなかったかもしれない。今だからこそ、その魅力は細部まで気を配った「歌唱力」のおかげとわたくしのようなものにもわかるわけで、実はテクノロジーの進化は「音楽性」についても影響があるのかもしれないなどと思う次第。

by namatee_namatee | 2018-05-18 23:17 | music | Comments(8)
Commented by colonel-mogy0079 at 2018-05-19 00:36
Baby blue eyesやFace to Faceが発売された登場は、正直あまりShienaを聴いてなかったんですよ。でも最近聴くとこれが実にいいんですよね。ただ、ラストの1曲は当時の若いへきるさんにはちょっと難し過ぎるし、曲もアレンジも古いなぁと思ってしまいますが。
歌唱そのものも下手というより、まだ引き出しが、少ないというだけで、歌声の魅力は十分です。しみじみいいアルバムだったんだなと最近思います。
Commented by namatee_namatee at 2018-05-19 11:19
>colonel-mogy0079さま
他のアルバムとは毛色が違いますよね。>Shiena
強いていうなら「with a will」で「Respiration」「No Make Girl」から少し元に戻った感があるのかもと思います。
「夜の中」については同感であります。来生たかお氏の作曲ということで、その色合いが強烈すぎですよねぇ。w

例えば悲恋とか不倫っぽいテーマの歌があると、ついそういう経験があるのかな、などとゲスなことを思ってしまうわけですけど、椎名さんはあるおりに、実際にはそんなことはない、という意味のことを言ってまして、それを聞いた時に「あ、そうか。そういうことか。」と目から鱗が落ちるように納得したことがあります。と同時にその当時、椎名さんの置かれていた環境と心情がにじみ出ているみたいな歌もあって(「誰のせいでもない」とか)一筋縄ではいかないな、とも。いずれにしても「気持ち」が歌や声に反映されているのは同じで、そこら辺が椎名さんの天才な部分なのかなとなんとなく思ってます。

だがしかし、このエントリーで本当に言いたかったのは、1994年当時は今みたいに優れたDACがポピュラーじゃなかったから、みんさんは今わたくしが聴いているような音で「Shiena」を聴けなかったんだよね、という上から目線なことなのでした。w
Commented by ファム&アンドリューwk at 2018-05-22 22:13 x
ナマさん!ご無沙汰してます!お元気でしたか?!
Shienaの話ですか!いいアルバムですよね!
発売日にCD屋に行ってShiinaやないの??Shienaってそう書くのって思ったのを覚えておりますw
私的にジャケット写真と歌の感じピッタリマッチして透明感があって好きです!
歌詞カードの写真が可愛いいんですよね!特に顔のアップでニコっとしてるヤツ!色白いですしね!
川辺で写真が綺麗でした。
当時、中坊の私には大人の綺麗なお姉さんでしたね。大人ってこんな感じかって歌を聴いて思いました。あぁ、懐かしい!
別アルバムですけど空想メトロPV可愛いかったなぁ!
もひとつ全然関係ないですがplume*plumeのバスタブに入ってる写真が好きです!w

Commented by namatee_namatee at 2018-05-22 23:18
>ファム&アンドリューwkさま
おお、お久しぶりです!
わたくしは逆に「Shiena」を「シイナ」と読めずに「シエナっていうんかな?」って思ってました。w

わたくしは時期的に「for you」から入って遡っていったので、正直なところ初期のアルバム、特に「Shiena」には違和感がありました。が、一通り聴き込んで一周するとそれぞれの良さがわかってまいりました。今の椎名さんも昔の椎名さんもどちらも味わい深い。ここでネタにし始めた時はブームみたいな感じで燃え上がってましたけど、時間が経ってからずっと好きになってきました。>椎名さん

>Shienaの写真
そう、そうなんです。写真も良いんですよ。「Shiena」の椎名さんは少女っぽいところもあるけど、やっぱり大人な感もあって、よくぞこの絶妙なタイミングでアルバムを作ってくれたなぁ、と制作した方々に感謝しちゃいます。w
Commented by ファム&アンドリューwk at 2018-05-25 08:34 x
>colonel-mogy0079さん>ナマさん
おはようございます!
Shienaラストの曲は夜の中でしたっけ??
当時のヘキちゃんの感じとは合わないですよね。あの曲だけ、お、重ひぃですw
私は、何を歌っておられてもよかったので基本なんでもOKでしたが、あの曲を聴きながら寝落ちするのが習慣でした・・w
あの曲だけ声小さくないですか??
逆に今歌ったら説得力があり過ぎますよね!!
いずれにしてもShienaは超清純派少女路線から元気爆発少女爆弾への移行につながる試金石、私的に初期のヘキたん三部作の一番隊としてはレベル高いと思います!!
私はロックへきたんも好きですが初期ヘキたん全盛期なのでこっちのが大好物ですw
呪文へきへきらるらるへきらるら〜が使える希少な時代です!w

Commented by namatee_namatee at 2018-05-25 22:39
>ファム&アンドリューwkさま
全体にイメージより大人びた感の「Shiena」の中でも飛び抜けて大人っぽいですよね。>夜の中
個人的に椎名さんの全ての楽曲の中でも上位にくるお気に入りで明るい「すごく楽しい空になるのに」の次で、その落差みたいなのが、アルバムの構成上に必要だと思われる落差を上回って大きい感じますね。
アコースティックライブでやってもよさそうなんですけど、実績はないようなんですよね。いくらなんでもちょっと景気悪すぎるからかも。w

新参のわたくしとしてはどのアルバムもシングルも同じように喜んで聴いているわけですけど、その中で「Shiena」は椎名さんとしては本意じゃないのに出来たアルバムということで、それが逆に椎名さんの才能みたいなのを強く感じさせるなぁと思っているところです。

>へきへきらるらるへきらるら〜
アコースティックライブの小芝居で言ってました。おお、これが!と感動しました。w
Commented by ファム&アンドリューwk at 2018-05-26 08:41 x
>ナマさん
なんか毎日すいませんw
すごく楽しい空になるのに!いいですよね!頭に歌詞が残りますよね!
なるのにぃ〜ってとことか、昔、誰かがラジオで言われておりました。語尾の揺らぎ?ブレス?音楽は技術的な事はわかりませんが、そういったものが多い曲なのでは?って思います。イイ曲です!
なぜかプロモある曲ですしね!
私的にはShienaは
・天使は東からやってくる
・ガールフレンド
・花火
・あなたとふたりで風になる
・じんときた
・すごく楽しい空になるのに
かなぁ!あんまり絞れてませが・・・
あ、月とライ麦のラストのあたり好きです!
このアルバム1番はあなたとふたりで風になるデス!へきラジエンディング!
Commented by namatee_namatee at 2018-05-26 23:09
>ファム&アンドリューwkさま
お気に入りが絞れてませんね。w
「すごく楽しい空になるのに」はおっしゃる通り歌詞が凝っていると思います。ずっと後の作品ではもっとノリ重視で歌詞はプレーンなものが多いと感じられるので(それはそれで良いんですけど)「すごく楽しい空になるのに」の「多分意地悪なくちびるしてた」とか「やっぱりわたしじゃなくちゃ」と「やっぱりあなたでなくちゃ」とか、とても凝っていてたまりません。「なくちゃ」を並べてくるところも感心します。

語尾の揺らぎは椎名さんの特徴ですよね。「Shiena」のころからすでにありますよね。本人も自覚されているそうで。ビブラートなどをなるべく使わない歌い方を目指していたそうですけど、のちにボイストレーニングでその語尾のゆらぎを直すか直さないか選択する機会があって、残すことにしたと言ってました。歌を歌うのって大変だな、と思ったのを覚えております。
名前
URL
画像認証
削除用パスワード


<< ノリノリ OPはこれで決まり。w >>