高けぇ。(汗



本日もネタが(ry

何をしているのかというと、Abu Ambassadeur 2500Cに油を注しているところ。今更ですけど、Ambassadeur 2500Cはベイトキャスティングリール(以下ベイトリール)といいまして、ウインチみたいにラインに対して平行に糸まき(スプール)がついています。巻く時はもう誰が見ても分かる通り、ハンドルを回すとその力がそのままスプールに伝わるという仕組み。構造に無理がありませんなぁ。より一般的なスピニングリールはスプールがラインに対して90度ひねった形になっており、当然ながらラインも90度曲がって巻き取られます。なのでラインにヨレが生じやすい。これはナイロンのラインが主流だった時代には深刻な問題で、ヨレてしまったラインは定期的に交換しなければならず、また現場でのトラブルも多かった。ヨレたラインはテンションをかけない状態にすると、クルクルっと絡まっちゃうんですよね。ベイトリールは原理的にそういうことはありません。そのかわり、でっかい魚がかかったとか、根掛かりでラインを切るのに強い力で引っ張ったとか、そういうことをするとスプールに巻いてあるラインに引っ張られた方のラインが食い込んじゃう。それに気づかずに次のキャストをすると(ry

そのキャスティング、投げる方ではベイトリールはスピニングリールに対して分が悪いです。両軸受けリールってぐらいですから構造的に軸受けの抵抗がある。スピニングリールはスプールからラインを放出するだけですけど、ベイトリールではルアーとラインはスプールを回さないと飛んでいけません。スピニングリールのキャスティングでの抵抗はラインの太さによるところが大きいですけど、ベイトリールではラインの太さには鈍感な反面、軽いルアーだとスプールの抵抗に負けてスプールを回転させることができなかったりする。つまり飛ばないわけです。
ルアーが重くなってくるとスピニングとベイトの飛距離の差は縮まり、重たいルアーの場合はベイトの方が余裕をもって快適に投げることができたりしますね。

キャスティングに関しては、もう一つ極めて重大な違いがあります。>スピニングとベイト
それはベイトリールにおけるバックラッシュとよばれる現象で、ルアーがラインを引き出して飛ぶときのスピードとスプールの回転が合わずに、スプールがオーバーランしてしまう現象。身近なところではトイレットペーパーのホルダーがわかりやすい。勢いよくトイレットペーパーを引っ張ると巻いてある方のトイレットペーパーが慣性でオーバーランして絡まりますよね。あれがベイトリールでいうところのバックラッシュです。w
トイレットペーパーなら力を入れて引きちぎれば問題ありませんけど、スプールに絡んだラインはそうはいきません。チマチマと絡まったところを解かなければならず、面倒臭いなんてもんじゃない。しかも魚がボイルしているとか、もうこのタイミングで釣らないでどうするみたいな時に限って起きるんですよ。>バックラッシュ
あれは焦って投げるからでしょうなぁ。w
あと向かい風の時はルアーが風に負けてすぐに失速するので、バックラッシュが起きやすくなります。それを恐れて後述するブレーキを強く効かせすぎてしまうと極端に飛距離が出ないということになります。同様に空気の抵抗が大きいルアー(スピナーベイトとか)も失速するのが早いので、バックラッシュしやすいですね。いろいろと不自由な構造なんですよ。>ベイトリール

バックラッシュは構造的にどうしても起きてしまうんですけど、ベイトリールにはそれを防止する機構が備わってます。メカニカルブレーキとかキャスティングコントロールとかいう、スプールの軸を軸方向から押して軽い抵抗を作り出し、スプールの回転を抑えるものがひとつ。あとは遠心ブレーキやマグネットブレーキといって、スプールの回転に応じてブレーキをかけて回転数が上がり過ぎないように制御するもの。前者はスクーターの遠心クラッチなんかと同じで、回転する錘が遠心力で外側に広がることによって抵抗を生み出します。後者は磁力でスプールに制動をかけるんですけど、原理はフレミングの右手とか左手とか、あの法則によるのだそうです。
これらは一長一短があるそうで、遠心ブレーキはある回転数以下では全く効きません。マグネットブレーキは低回転から効き始め高回転になるにつれて効きも強くなっていく・・・んじゃなかったかな。実はこのブレーキの性質の違いはよく把握してなかったりします。(汗
軽いルアーを最適のセッティング(ラインとかロッドとか遠心ブレーキの錘のセッティングとか、あるいは投げ方とか)で飛ばすなら、本当にバックラッシュが起きそうな回転数になったときにだけブレーキがかかる遠心ブレーキの方がよく飛ぶはず。あるいは限界ギリギリの遠投じゃなくて、狙ったところへルアーを放り込むような時も余計なブレーキがかからない遠心ブレーキの方が有利なんじゃないかと思います。
マグネットブレーキはいつもブレーキが効いているので、飛距離の面では不利だけどその分投げ易いと感じました。あと一般的にマグネットブレーキのベイトリールは簡単にブレーキの効きを調整できるものが多いので、風とかルアーに対する許容範囲が広いですかね。

と能書きはこれぐらいにして。w
Ambassadeur 2500Cは旧式なリールなので、ノーマルのままだと現代のリールに飛距離では敵いません。なのでそれをなんとかしようとウチの2500CはAvailのスプールに替えたりしているわけですけど、その一環でベアリングの油も抵抗の少ない奴にしてみようと思いましてね。
スミスのIOS-01というオイル。図の奥の方にあるのがそれです。これ、むちゃくちゃ高い。3g(なぜ重さ?)で1,400円とかする。見ての通り、すごく小さい容器ですよね。
この2500Cは前のオーナーかわたくしにリールを売ってくれた人がメンテナンスしたみたいで、ベアリングのオイルがオリジナルとは違いました。これに先立って買った1500Cの方は全くの手付かずで、スプールの回転がぜんぜん違う。2500Cの方がはるかにスムーズです。オイルの違いは明白。というわけで、さらに高性能なオイルを買ってきたというわけでございます。

ちなみに見て分かる通り、ウチの2500CはAvailのマグネットブレーキが装着されております。反対側には遠心ブレーキもあります。わたくしの腕前ではこれでなんとか普通に投げられる感じなんですよ。orz
7gぐらいのルアーでスピニングのPENN 712Zとこの
2500Cと比較してみると、スピニングのおおよそ70-80%ぐらいの飛距離でしょうか。ロッドはどちらも8ftぐらいのライトパワーで、ラインはスピニングがPEの1号、2500CがPEの2号。もう少し練習して、キャスティングの時に力の入れどころみたいなのを思い出すorつかめば9割ぐらいまでは詰められそうです。

パーツも含め、結構な投資をしているのですけれども、はたしてわたくしは苦手なベイトキャスティングリールをモノにすることができるのでしょうか。w

by namatee_namatee | 2017-06-22 22:35 | Fishing | Comments(4)
Commented by こたつ at 2017-06-23 22:29 x
丸型リールへのこだわりを捨てるとバックラッシュ問題は解決しますよ!
ABUの丸型リールはセッティングやキャスティングがうまいことハマるといい所に行くのですがなにぶん設計が古いのでそのあたり気まぐれです。
一度最近のロープロファイル系リールを触った上で戻ってくるとまたいろんなことがわかって面白いと思います。
Commented by namatee_namatee at 2017-06-24 17:49
>こたつさま
>一度最近のロープロファイル系リールを触った上で戻ってくると(ry
そんなことしたら二度と戻ってこれないような気がしますけど。w
まあ、その通りでしょうなぁ。特に旧式リールへのこだわりがあるわけではないのです。今時のロープロファイル系リールの趣味の悪さ(性能は良いけど)が我慢できないという、消極的な理由で丸型リールを使うだけなんですよ。
とはいえ、言われる通りなので、適当なリールを物色してみましょう。
Commented by こたつ at 2017-06-24 23:07 x
嫌々ながらロープロ系リールに触れるのも精神衛生上よろしくないでしょう!わかります!
じゃあ!ABUのモラムZX系かシマノのカルカッタの一番新しいやつ行きましょう!
なまさんなら容易いはず。
五十鈴はエンスーへの道をひた走るだけっぽいので避けましょう!
Commented by namatee_namatee at 2017-06-25 09:33
>こたつさま
む、あおられているような気はするけど、納得できる提案ではありますな。w
カルカッタなら我慢できそうなので検討してみましょう。カルカッタ100かなぁ。
そういえば昔使ってましたわ。>初代カルカッタ
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