先月末に行われた「アキュラシーコンペティション」(略称:アキュコン)のリザルトとターゲットペーパーからのネタ。 今更ですけど、主催の若花だ様に感謝。 忘れないようにこの時の状況をネタにしておきましょう。 鉄砲は東京マルイ製のエアーコッキングボルトアクションライフルの「VSR-10プロスナイパー」でございます。通称「あきつ丸」。「あきつ丸」は各部が改造・改修されておりましてその仕様は以下の通り。 まず外装 ・ストック:ノーマル(タミヤカラーの「佐世保海軍工廠グレイ」で塗装、バットプレートに滑り止め加工) ・アウターバレル:G SPEC用+サイレンサーアダプターを介してKM企画のフェザーウェイトサイレンサー200mm ・スコープ:ノーベルアームズSUREHIT 1624 IR HIDE7 CQB(1-6xのショートスコープ。競技中は6倍固定) ・その他:レシーバーは純正、あとマルイ純正バイポッド 次は内部 ・シリンダー:PDI製パルソナイトシリンダー ・ピストン:PDI製VC(バキューム)ピストン ・スプリング:PDI製VSR-90スプリング(2.5巻カット+パワーアジャスター3枚) ・チャンバー:PDI製(現行型)、HOPアームは左右を接着して一体化、他ノーマル ・バレル:MADBULL Python II 455mm(アルミ製電動用バレル)、PDI製バレルスペーサー ・HOPパッキン:ファイアフライ 電気クラゲ(甘口) ・トリガー:PDI製νトリガー(旧型) 使用した弾はGALLOP 0.3gBB弾で選別もなにも無し。袋から出してそのまま使いました。しかも去年のアキュコンで残った奴。w このVSR-10「あきつ丸」の性能は、初速は0.3gBB弾で77m/s程度(適正HOP)、30mでのグルーピングは135-150mmぐらい。確実に150mmは切ります。この仕様ではアキュコン対策でHOPは弱めにしてあり、飛距離は40mがやっとといったところ。 では競技の時はどんな感じだったのか。 アキュコンの競技内容はおおきく2つに分かれております。1つはプレート射撃で、委託無しで撃つとかムーバーとか。もう一つは20mと10mの精密射撃で、こちらはターゲットペーパーをそれぞれ5発ずつ撃って、当たった場所に応じたスコアが加算されます。そして後者の方が配点は高い。 リザルトを見ればわかるんですけど、わたくしの成績はプレートは平均的に大したことない。w しいて言うなら「4ドット」と言われる、プレートが次第に小さくなる競技で1つ当てているのがめぼしいところか。参加した23人中、この「4ドット」を1発以上当てたのは11人、2発当てたのはK.T.W.の和知社長のみ。 去年のわたくしは2位という望外な成績でしたけど、その原因の一つはこの「4ドット」が3つ当たったのと「ムーバー」で2つ当てたのでスコアを稼いでいます。一般的なエアガン(ただしアキュコンに出てくるような)の20m先のグルーピングは50mmぐらいのはずですので、「4ドット」のそのグルーピングを下回る小さいプレートに当たるかどうかは技術や鉄砲の性能よりも「運」による、と思います。 つまり去年のわたくしの好成績は「運」によるところが大きかったのでした。 そして今年。前述の通り、今回はプレートは満遍なく当たっているような当たってないような。w どのプレートも1発は当ててますけど、2発目は外しております。そのかわり、アキュ20と言われる20mでターゲットペーパーを撃つ競技では全体で2位。つまり今回は前回と違って精密射撃で得点を稼いでいるということです。真面目に当てているんですよ? 今回は5位でしたけど、実は2位だった前回より競技終了後の満足感が高いです。それはこの通り、真面目に精密射撃で結果を出したから。 そうは言っても、このアキュ20の成績をよーく見てみると問題点があるのがわかってまいります。 まず5発目。これ実質的に外してますよね。w 最初から最後まで狙っていたのは中央のターゲットですけど、5発目は左下のターゲットの得点になってます。アキュ20と10では5つあるターゲットのうちどれを撃っても良いことになっております。5つあるターゲットをそれぞれ1発ずつ撃っても良いし、わたくしのように真ん中のターゲットだけを5発撃っても良いわけです。それでたまたま外した弾が隣のターゲットに当たると、このようにハズレではなく得点になってしまうと。これは「運」が良かったとしか言いようがないですなぁ。 次は初速の変動幅が大きいこと。右のほうにあるチャートに着弾時のエネルギーがJで表示されておりますけど、1発目が0.30J、2発目が0.28J、3発目が0.30J、4発目0.28J、5発目0.26Jと変動しており、これは他の成績上位の方のデータに比べて変動幅が大きいです。つまり「あきつ丸」は初速の変化幅が大きく、着弾点の上下が起きやすい鉄砲というわけなんですね。 それでもアキュ20については全体で2位の成績ということは、鉄砲の性能で劣るものの、それを補う何かがあったということで、つまり「腕」が良いということですな。w 精密射撃で性能の劣る鉄砲を使っているにもかかわらず、その競技だけなら2位という成績は腕が良いからとしか言いようがありませんよね?w いやまあ、それは冗談として(本当のところはこれまた運が良いだけでしょう。w)、もっと初速が安定していれば集弾性能も安定するということで、これが次に向けての改善点でしょう。 ただ、この着弾時の初速変化が出力の不均等だけからくるものかというとそれもどうかな、と。HOPのかかり具合にむらがあるとしても初速は変化しますし、BB弾の重さの差(無選別ですし)も関係しそう。ここは問題点の切り分けをして詰めていきたいと思います。 アキュコンの難しいところは、開催されるのが4月から5月にかけての時期で気温の変化が大きいということ。わたくしの場合ですと、HOPパッキンが電動ガン用の「電気くらげ」なわけですけど、これを「甘口」でいくか「辛口」でいくかの、ちょうど境目みたいな気温なんですよ。>アキュコンの時期 HOPパッキンの特性を冬用にするか夏用にするか、アキュコンはその季節の変わり目にあるのが手強いところなのです。 ただ、自分が射撃する時の気温はあまり関係ないかな、と。当たらないのを気温の変化が原因とする方もいらしゃいますけど、それは他の人も条件はほぼ同じですし、気温変化は着弾点の上下に現れるものなので、試射してゼロインをしなおせば良いわけですし。競技開始直前の試射の時間は一人5分あるので、上に行くか下に行くかの確認とエレベーションの調整は可能なはず。なので、自分の競技時の気温が前日の試射と違っても、アキュコンに出るような覚悟の方にはそれを吸収できるだけの技術(射撃のテクニックも鉄砲のチューンについても)があるはず、というのがわたくしの持論であります。 思うところ。 ついでなので思うところを書いておくと・・・上に書いた通り、自分の射撃の順番の時の気温とか湿度とかは、当たらない言い訳にはならないと考えております。影響は確かにある。ありますが、それをなんとかするのも技術のうち、と。 そしてアキュコンに出場するためのエアガンは出力が法定内なら特に制限がありません。パワーソースは電動でもエアコキでもガスでも、形式もアサルトライフルも対物ライフルもボルトアクションライフルもショットガンも、とにかくなんでもO.K. そこで勝ちにいくというなら、エアガンのパワーソースや形式の選びようもあるだろ、と思うんですよね。まずは満足いく精度を出すために必要なトータルの時間とコストを考えるべきかな、と。 まあ一番有利な形式はボルトアクションライフルでしょう。給弾機構が単純で、集弾性能にもっとも影響があると言われるノズル長の調整も簡単。これが電動だとどうしても各部のクリアランスが余分に必要で、その分が精度の制約になってきますし、仮にそこら辺を調整できたとしても、その手間と時間はボルトアクションライフルと比較にならないぐらい大きい。 パワーソースはエアコキがもっとも安定しているのは言わずもがな。上で書いた通り、0.30Jと0.28Jの0.02Jの差が問題になる競技ですから、アキュコンが気温がどうなるかわからない時期に行われることを踏まえて、撃つたびに気化するガスのせいでパワーが落ちていくガスガンとか、ハナから話になりませんよ。w というわけで、身も蓋もなく勝ちに行くならエアコキのボルトアクションライフルが一番有利です。>アキュコン そして、この世にエアコキのボルトアクションライフルは星の数ほどあります。K.T.W.さんのウインチェスターM70、マルイのVSR-10、マルゼンのAPS、タナカのM700・・・様々なブランドから様々なモデルが出ております。 その中から何を選ぶか、というのも勝ちに行くのには重要なんじゃないかなと思うんですよね。ひとつはK.T.W.さんのウインチェスターM70で、ノーマルでベストな状態にしたもので参戦。たぶんこれが一番効率が良い勝ち方じゃないかと思います。w わたくしはVSRシステムを選びました。VSRは各社からパーツがたくさん出ておりまして、その入手性が高く、鉄砲自体の構造もある程度までならシロウトでも精度を確保できるようになっているから。これがマイナーな鉄砲だとどうしても機構的にダメなところがあったりするわりに、それをなんとかするパーツが出ていなかったりします。そうなるとワンオフでそのパーツを作ることになるわけですけど、わたくしにはそんな技術もお金もありません。 仮にあったとして、そういうパーツをワンオフで作ったとして、それがはたして正しい解決方法だったのかどうかはわからないんですよ。もっと他に効果の高い解決方法があったかもしれない。それどころか企画倒れで失敗する可能性も高い。 そんなドツボにはまっているぐらいなら、極限の精度は期待できなくても、しっかりと土台になる量産品のチューニングパーツがあって、あとはその性能を引き出すための調整に自分の時間とエネルギーをさけるVSRシステムの方が、こと結果を出すということにおいては優れていると思います。 身も蓋もないんですけど、アキュコンで成績を望むならアプローチの段階の鉄砲選びから真面目にやらないとね。おっと、ロマンを否定するわけではありません。思い入れのある鉄砲でチャレンジするというのも有りだと思いますけど、それなら言い訳は無しね、というわけでして。 わたくしだって、上に書いた通り、本当に勝ちにいくならK.T.W.さんのM70買いますよ。そこであえてVSR-10なのは多少は意地とかロマンがあるわけですし。 といった感じで来年にむけてまた頑張りましょう。
by namatee_namatee
| 2016-05-25 20:58
| survival game
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Comments(8)
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colonel-mogy0079 at 2016-05-25 22:01
ざーっと読みました。
マニアックで、エアガンのパワーソースとHOPのこと程度しかわかりませんが、 最後の意地とロマンというのはわかる話ですね。 僕はそうでもないですが、 裕人に、非StiのただのターボインプレッサでStiに勝とうという野望を持った男がいますので。
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namatee_namatee at 2016-05-26 06:42
>colonel-mogy0079さま
車の競技の場合はタイムとか順位がはっきり出て勝ち負けが決まりますけど、エアガンのメジャーな競技であるサバゲーって勝ち負けがはっきりしないこと甚だしいんですよね。 アキュラシーコンペティションはサバゲーとは全く違う性格の競技ですけど、参加者はどちらにも関係している人が多く、サバゲーのルーズな感覚、いわば「ロマン優先主義」みたいなもので臨み、成績が出ない時にサバゲー特有のファジーな言い訳が顔を出す・・・ように感じることがあり、それは違うよ!(cv緒方恵美)、と言いたいわけです。w
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シロ
at 2016-05-26 19:24
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LEO
at 2016-05-26 20:57
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ダンナさん厳しいなー。
でも来年も電動でいくのー。
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namatee_namatee at 2016-05-26 21:56
>シロさま
参加者は23名でした。わたくしが2位なのはこのアキュ20という競技のみで、全体では5位でした。 そうなんです。成績には逃げ場はありません。(汗 成績がふるわない場合、逃げをうつとしたら ・鉄砲のコンセプト ・チューニング技術 ・射撃の腕前 の3つでしょう。これらのどれか、あるいはすべてに過ちがあると認めなければなりません。w あとは「勝ち負けは気にしていない。参加することに意義が(ry」という姿勢でしょうか。 怖い競技ですよね。>アキュコン
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namatee_namatee at 2016-05-26 21:58
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シロ
at 2016-05-27 20:23
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namatee_namatee at 2016-05-27 20:28
>シロさま
実力から言ったら上々の部類だと思います。>わたくしの成績 最初に参加した時はかろうじて20位以内に入れたぐらいだったと記憶しております。(汗 いやだって、考えてもみてください。ギャラリーはこのジャンルの日本のハイエンド(つまり世界のハイエンド)の方々ですよ。なにがダメなのかなんて、みんなすっかりお見通しです。格好つけて下手な言い訳なんてしないで、ダメな原因についてみなさんに意見をもらったほうがずっとタメになると思います。w
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