生々しい

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というわけで、マルチBAに再挑戦。

モノは見ての通り、Ultimate EarsのUE900sでございます。定番ですなぁ。これはちゃんと試聴して買いました。ただし、eイヤホンさんの店頭試聴機のイヤーピースはイマイチわたくしの耳の大きさにあっておりませんで、手で無理やり耳の奥まで押し込んでチェックしたため、果たしてその時の音が本来のものかどうかは(ry
これはBAドライバ×4基という、なかなか豪華な仕様であります。同じような構成のイヤホンといえば、かつてSONYのXBA-40というのを持っておりましたけど、あれはどうもハッキリしない音で会社の同僚に売っちゃいました。高音がキラキラしていて、いかにもマルチBAという感はあるんですけど、せっかくドライバを追加して強化した低域が弱い感じで、なんか物足りない。別な言い方をすると良い音なんですけど楽しくないんですよね。同時期に超個性的なER-4Sを導入したこともあって、早々に飽きてしまいました。
同様にマルチBAとしてはSHUREのSE535Ltdもありましたけど、あれもイマイチな感じ。音場が狭苦しい上に、なんか妙にベールがかかったような・・・前にも書きましたけど、SE535Ltdの場合はバランス接続を試してみればよかったのかもしれません。SE215の実績を考えるとちょっと惜しいことをしたかなと思います。

Ultimate Earsはジェリー・ハービー氏(現JH Audio)が設立した会社で、カスタムIEMの大手ですね。ただし、UE900sについてはジェリー・ハービー氏が会社を離れてからの製品なので、特にその血脈みたいなもののつながりがあるとは言えない、といったところ。まあ、それでも直接ではないにせよ現在のカスタムIEMやユニバーサルイヤホンに多大な影響を与えた偉大な人の流れを汲んでいるという感じでしょうか。
ちなみに前にネタにしましたけどジェリー・ハービー氏には会ったことがあります。ヘッドホン祭りのJH Audioのブースで、試聴しようかどうかビビって躊躇していたら声をかけてくれたのが、よりによってジェリー・ハービー氏だったという。その時は誰だかわからなかったんですけど、のちに調べてみたらジェリー・ハービー氏本人だとわかって仰け反るという。w

そのUltimate Earsの現在のユニバーサルイヤホンの代表がこのUE900sでそれなりに高価。それがeイヤホンさんの週末特価シークレットセールで妙に安かったので思い切って購入しました。前述の通り、事前に試聴はしてあってあとはタイミングだけだったんですよ。

椎名さんのライブに行っている間にうちに届いておりまして、帰ってきてダルダルだったんですけど、とりあえず聴いてみました。まずはノーマルのケーブル(リモコンなしの方)+HP-A4経由で。
これが実に微妙な感じ。なんていうか、ボーカルが引っ込んで聴こえるんですよ。高い方はシャキシャキで、低い方もそれなりに出ていますけど、真ん中辺が妙に引っ込んで聴こえる。椎名さんの声が遠いです。音場もあまり広くは聴こえない。あんまり芳しくないドンシャリ。これはいけません。やっちまったか、と焦りましたよ。(汗
それでは、ということでケーブルをSE215で使っているNOBUNAGA Labs「愛染」に変えて、XPA-700経由でバランス接続で試してみます。その効果はSE215の時と同じ、もしくはさらに顕著。低域から高域までくっきりとして、音場も広がります。まだボーカルのあたりはやや引っ込みがちですけど、十分に許容範囲です。
何より低音がとても力強く、BA型でもこんなに出るのかと驚くぐらい。もちろん高い方はシャキシャキで、全体にすごく生々しい音がする。BAドライバってどちらかというとドライな音という印象があったんですけど、これは違いますね。XBA-40やSE535とは比べものにならない楽しさですよ。

ケーブルでこんなに激変するとは思いませんでした。今までどちらかというとリケーブルについては懐疑的で、効果がないとは言わないものの、コストに見合ったというところまではいかないなぁ、と思っていたんですけど、これで認識が変わりましたね。とりあえず今はSE215のNOBUNAGA Labs「愛染」を借りている状態ですけど、これは改めて見合ったケーブルを買いましょう。物入りだけどそれだけの価値はある。

あと急速に馴染んでいっている感があります。いわゆるエイジング。これも懐疑的なんですけど、このUE900sでは明白に感じられます。前述のボーカルの控えめなのも、ずいぶん思うところまで出るようになってきました。
なんか久しぶりにハマっちゃうイヤホンに出会えたような気がします。幸せ。w
by namatee_namatee | 2015-11-02 20:32 | audio | Comments(0)
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