![]() 「Baby blue eyes」でございますなぁ。w これは「HEKIRU SHIINA anthology from 1994 to 2000」版の方。 なぜ「Baby blue eyes」について書かないのか、と怒られたので。w まあなんていうか、これが「椎名へきる」の代表作なんでしょう。わたくしにとってはそうです。 明るく軽やかな印象の前作「with a will」に比べると音が重くて厚いと感じます。でも「Face to Face」に比べればロック度とでもいうのか、テンポとかギターの音の多さとかではまだまだPOP寄りですね。 時期的にあの伝説の武道館コンサートの後に出たアルバムで、今に連なる名曲中の名曲「風が吹く丘」「Graduater」も収められています。他にも「246」「届けたい想い」や「あなたの名前」・・・どれもこれも名曲ばかりで1曲たりともハズレはありません。これだから「Baby blue eyes」はネタにし辛い。(汗 なんていうか、今だから言えるというか、こじつけに近い暴論なんですが、例えば何千年か経って詳しい事情がもう分からなくなった時に、おぼろに残る情報(「HEKIRU FILE」とか「20yeares of legend」とか。あるいは罷り間違ってこのブログとか。w)をつなぎ合わせて「椎名へきる」という人のキャラクター(音楽性だけではなく生きた時代とかも含めた人格みたいなもの。)を表す代表的なアルバムは?となるとこの「Baby blue eyes」がぴったりなんじゃないかと。 これは前提条件からいって荒唐無稽な話なので、冗談だと思って聞いていただきたいんですが、今よりずっと後、それこそ「人の夜」みたいな時代にわたくしが生きて、詳しい事情がわからずにかつて「椎名へきる」という人がいたということに気がついたとしましょう。 古文書みたいになった「HEKIRU FILE」とかを断片的に読み解きながら、なにかレポートとか当時の芸能界についての概論のようなものを書いていたとして、「椎名へきる」という人の出自や業績をまとめた時に出てくる印象を数文字にするとどういうものになるか。 ・・・「邪道」とか「左道」ですね。w 本格的に最初から歌い手を目指して出発したのではない。性格や体格、体質とか声の質とか、本来向いていない要素があったのを、気力と根性でなんとかしたという無理矢理感。この足掻いた感じがたまらないんですよ。 何度も言うように、わたくしは恵まれた才能と境遇で余裕たっぷりに歌う歌い手さんとかに用はありません。そういう方々はもちろん努力してないなんてとても言えませんし、その人なりの苦労があったはずですが、そもそもの土台が違いますからね。 なんていうか、椎名さんは出発点とぜんぜん違う方向に向かって発展していってしまった感じ。近代化改修を受けて艦容がすっかり変わってしまった軍艦とか、水冷エンジンだったのに最終的に空冷エンジンになっちゃった戦闘機とか、フロントエンジンでは勝ち目がないのを不利を覆すためにひたすらパワーアップしたラリーカーとか、マルチシリンダー高回転高出力の時代にシングルで軽量軽快な操縦性で勝負したモーターサイクルとか、そういった正統派ではないモノに対する愛着と同じもの。わたくしはそれを椎名さんに抱きます。 もともとは正統派で本格的じゃないんですよ。なんとかしようと無理をしている感じがあって、それが魅力的なんです。わかんないんだろうなぁ。w 「Baby blue eyes」には本当に本格的なロックになっちゃう寸前で留まっているみたいな印象がある。椎名さん自身が言っているように本当に本物のHR/HMまでは歌えない(声の質やらビジネス的なことやらで。)、ただ目指す方向はそっちを向いていたとすると、このアルバムには元々の楽曲の意図は別にして、今だから言える結果論的な見方ですが、複雑なせめぎ合いみたいなものがあるように感じます。 それが「椎名へきる」という人の2014年現在でもまだ有る独特の存在感とつながっているような気がして、だからわたくしは「Baby blue eyes」が椎名さんを表す代表的なアルバムと思います。 以上、半分ぐらい本気の与太話でした。w 話をまともな方へ戻すと。最初の武道館コンサートの時は時期的に「with a will」の楽曲が中心ですね。言い換えると、あの武道館コンサートはギリギリ声優「椎名へきる」のコンサートだったと。そう考えるとますますあの武道館コンサートの凄さが際立ちますな。文字通り「声優で初」ですからね。椎名さんが居なかったら、今のアニソンの隆盛もなかったかもしれん。 おっと椎名さんの中の声優さんと歌い手さん、この2つの要素の対立をいまさらことさらに煽るつもりはありませんが、それがわたくしのテーマの一つだったりするので仕方ない。w この「Baby blue eyes」はロック然とした音作りに変わって、当時は激しすぎるとかうるさいとか言われたらしいんですが、その割にはセールスは好調でオリコンのデータだと72,510枚売り上げて13位までいきました。最もプロモーションに力を入れたアルバムだそうです。 楽曲の傾向が変わったということは、ライブの雰囲気も変わったことでしょう。それまでのアイドル的とか声優さんのイベント的なノリから、ロックバンドのようなノリに変わっていったのではないかと想像します。今と違って変化が大きく早かった時代、賛同する人や反発する人もそれぞれ多かったでしょう。おっとバンドも変わったんでした。これまたイロイロと物議をかもしたはずです。さあ、みんな大好き「アーティスト宣言」がアップを始めましたよ。w ついでに「HEKIRU SHIINA anthology from 1994 to 2000」についてですが、これは以前にも書きました通り「最新リマスタリング+Blu-spec CD」ということで、オリジナルと音質が違うということになっております。実際、聴いてみると音は違います。やや近代的というか、音の圧力が高いというか、最近のトレンドに近い音圧が高い感じ。もっともオリジナルが古いせいか、めったやたらに音がでかいという感じではありません。 ただなー、オリジナルとどっちが良いかというと微妙なんですよね。もはやクラシックの域にある、ここら辺のアルバムはそのままオリジナルを聴いた方が良い気もする。かといって、やっぱり少しでも高音質な方も聴いてみたい気もする。 特にイヤフォンだのアンプだのと、椎名さんの楽曲の音質の追求も重要なテーマとしているわたくしの場合は実に悩ましいシロモノです。ハイレゾが出てくると解決する問題ですが、そうなるとわたくしの場合は、DAPやDACあたりの買い替えをしなければならず、そのお財布へのダメージは計り知れないという。orz
by namatee_namatee
| 2014-10-19 15:33
| music
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Comments(10)
![]()
えー、そんなことで怒る人がいるんですかー?namateeさんが可哀想だなー。(棒)
「人の夜」には、全てのへきる作品は、ターポンに載せられてるに決まってるじゃないですか。w 何て言うか「へきるをへきるたらしめている」要素が凝縮したアルバムですよね。>「Baby Blue Eyes」
>フラフープさま
言われるんじゃないかなぁ、と予測していたことですけど。w ターポンに積んであったとして、地上のわたくしはそれをどうやって参照すれば良いのかという問題が。 >Baby Blue Eyes なんていうか、椎名さんの複雑な来歴と個性がアルバムの性格と一致するというか、それはこじつけなんですけど、やっぱり「Baby Blue Eyes」のなんとも言えない存在感は独特ですね。どっちつかずとも言えるんですが、実はそのこと自体が個性みたいな。 ![]()
そりゃ言いますよ。w>ターポン
「Infinity」にエレキギター持ってくるセンスは、あの時だからこそだと思います。「星の涙を」のトランペットにも通ずるところがありますが、それぞれひと味違う。
>フラフープさま
あ、ちょっとずれた。言われるんじゃないかと予想していたのは「なんでBaby Blue Eyesを飛ばすのか?」ということでした。 いやまあターポンについてでも通じちゃうので問題なしです。w 最初に聴いたときは「このアルバムはお金がかかっている」と思いました。予備知識は全然かなったのに不思議です。 ![]()
よく考えたら、僕がターポンの話を出すことまでは予想できないですよね、さすがに。w
音楽的なことは言うに及ばず、映像的な部分にも相当力入ってますよね。>「Baby Blue Eyes」
>フラフープさま
どのアルバムもダメな奴なんてないのは言わずもがなですが、ちょっと言いづらいんですけど椎名さんが「世間にもっとも影響力があった時代」にリリースされたものなので、そういった点からも特別な位置づけのアルバムですね。 歴史的意義(おおげさ)については最も重要なアルバム、間違いなくターポンのライブラリに収蔵されるでしょう。A7M1のアルファ室長も聴くはず。妹の声を聴いてなんて思うのか。w ![]()
「妹なの」と言ってはにかむアルファ室長w>妄想
「YAT」「ヨコハマ」「レイアース」、あと「へきるファイル」も収蔵されますよ。
>フラフープさま
うむ。それは良いイメージです。 でも「ヨコハマ買出し紀行」は変ではないでしょうか?w ![]()
ヨコハマの中に登場するターポンの中に、そのヨコハマという作品が収蔵されることが、ですか?>変
勢いで入れちゃいました。昨日の放送で、素に近くて演技しやすかったって言ってたものだから。w
>フラフープさま
そうそう。二重になってしまいますね。w アルファさんは本当に素ですよね。イメージが合わないとかいろいろ言われますが、アルファさんの演技を素でできる人がどれだけいたか、そこら辺をちょっと考えてみてほしいんですよね。 熱烈な「ヨコハマ買い出し紀行」ファンとしてのわたくしの個人的な意見ですが、あれを変に演技して「らしく」見せるよりは、当時勢いのあった椎名さんに任せてその素材のままの素の演技ってのもひとつの見識なんじゃないかなぁ、と思う次第です。
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