千差万別

とあるブログでSVEA 123Rのスタッキングと点火の儀式に関するエントリーを読みまして、いやしかし人によって様々だなぁ、と思った次第なのでネタ切れということもあって、ネタにします。
点火方法について特にこうでなければならない、といった手順がないんですよね。>123R
公式には純正のバーニングペーストを使え、ということになっているとは思いますが、それがベストというワケでもない。

とりあえず、現状自分が一番使いやすいと思われる方法を書いて、123R使いこなしの途中経過記録としておこうかと。ほかにうまいやり方を見つけるかもしれませんし。

ともあれ、ちゃんとプレヒートしないと火はつかないんですが、プレヒートの手段はいろいろありまして、バーニングペーストやメタのようなプレヒート用のアイテムを使う方法、液体のアルコールを使う、燃料のホワイトガソリンを使うなど、要するに123Rのタンクとバーナー部が温まれば良いので、様々なやり方があるのですね。手であっためるというのもアリですが、それは厳密にはプレヒートではなくて、プレヒートの為の燃料をタンクから出すために手の熱で暖めて、タンクの圧力をほんのちょっと高めるということです。そうやって出てきた燃料に火をつけてプレヒートする。

余談ですが、同じ理由でボルドバーナーも手の熱でプレヒートするというのは間違いです。あれも手の熱でタンクに圧力をかけて燃料を出すだけです。そのやり方の場合も点火のためのプレヒートは燃料のガソリンで行います。

さて、本題。
まず、ウチの123Rのパッキング状況。このキルティングの袋は嫁さんに作ってもらいました。
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中にはこんなものが入ってます。右端が*のチタントレック700をケース替りに被せた123R。前にも書きましたが、*の「極」よりほんのちょっと大きいので123Rに被せても余裕があります。火力調節用のキーを本体につないでいるチェーンがありますが、デフォルトではバーナーの根元につながっているんです。でもって、そいつを風防兼ゴトクのスリットにつなぎ換えて、風防兼ゴトクの脱着&火力調節をやりやすくする、ってのは基本中の基本ですが、その場合に「極」だと123R本体との隙間が狭いため、チェーンのつながっている部分が邪魔になってうまく入らないことがあるんですね。なので、チタントレック700。「極」とちがってマイナーなのも気に入ってます。w
真ん中はチタントレック900。トレック700がすっぽりとスタッキング可能。そういう風に出来てますので当たり前といえば当たり前。わたしはほとんどご飯を炊く事がなくなったので、チタンのクッカーでも特に問題はありません。123Rは見かけによらず、弱火が効く(とろ火は無理だけど)ので、アルミのクッカーならご飯を炊くのも簡単でしょうね。
左端はいわゆる100スキ。100均で売っている小さなスキレット。それの把っ手を切り取ったもの。これ、トレック900がちゃんとスタッキングできます。わたしはほとんど焼き物はしないので、持って行かないことが多いですが。とろ火が苦手な123Rでは使い辛い上に鋳物なので重いしね。こいつはアルコールストーブと組み合わせてじわじわと油が出るベーコンとか鶏肉とかを焼くと絶品ですな。
手前の黄色い袋はミニポンプとか小物が入ってます。次の写真で解説。
左側の銀色のはハンドル(トランギア製)。これがないと100スキが持てません。100スキだけじゃなくて、他のクッカーにも使います。クッカーについているハンドルって熱くなりますからね。

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黄色いプリムスの袋にはこんなものが。一番右端の銀色のものは純正のミニポンプ。スポイトはミニポンプを使わずにプレヒートするときにタンクから燃料を採るために使います。あとライター。トランギアのバンドを外してケース代わりのトレック700を持ち上げてみると、123Rのバーナー部にはホースとマッチが入ってます。ホースは非常時にモーターサイクルのタンクからガソリンを吸い出すためのもの。

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いよいよ点火の儀式を始めます。
まずはキャップを取ってタンクの圧を抜く。写真ではよくわかりませんが、このキャップはミニポンプ用のものです。

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キーでバルブを左側いっぱいまで回して、クリーニングニードルを出し、ジェットの掃除をする。わたしはキャップを外してやってますが、キャップをしてこの作業をやる場合、ちゃんとタンクの圧を抜いておかないと、ガソリンが出てきちゃいます。掃除が終わったらバルブを右に回して締めます。あんまりきつく締めると点火の時にうまく開かなくて困るので、ほどほどにしておきましょう。

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ここでミニポンプ登場。
123Rを近代的なストーブと互角に使うためには、このミニポンプが必須。123Rは普通にプレヒートして点火した場合、最大火力になるまでにかなり時間がかかり、その間の時間と燃料がもったいないんですよね。ミニポンプを使うと、プレヒートも少しで良いし、点火したらすぐに最高出力で運転できます。ウチにはホワイトガソリンを使う液燃ストーブとしては、ずっと近代的なプリムスのマルチフューエルEXとプレヒートのいらないというコールマンのフェザーストーブ、あとボルドバーナーがありますが、ミニポンプを使う123RはマルチフューエルEXよりプレヒートの時間は短いし、フェザーストーブよりもポンピングの回数は少なくて済む上に火力の安定は早いです。おまけにどちらと比べてもコンパクト。
ミニポンプさえあれば、近代的なストーブよりもコンパクトで扱いやすいと思いますよ。>123R
ちなみに、普通の気温ならポンピングは5〜10回ぐらいで十分だと思います。コールマンのストーブみたいに20回とかポンピングする必要はありません。点火後のポンピングも必要なし。

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バルブを少し左へ回して、ミニポンプで圧をかけたタンクから燃料を出し、バーナー付け根のくぼみにためます。ミニポンプ無しだと、それなりの量の燃料が必要ですが、ポンプを使うとほんのちょっとで大丈夫。
で、ライターなりマッチなりで火をつけてプレヒート。
炎はこのくらいあがります。わたしゃテントの前室では普通にやります。>プレヒート
さすがにテント内はちょっと・・・こぼれたガソリンが横に回っていたりして、全体が火に包まれるとテントのグランドシートに穴があいてしまいます。なにより、点火した123Rはすごく熱くなるので置き場所は限定されます。

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プレヒートが終わりに近づいて、炎が小さくなったらそのままバルブを開いて燃焼開始。ミニポンプを使うと、こんな風にすぐに全開最大出力。
いつもここでゴトクを開いてないのに気づくんだよなぁ。もう手遅れ。w

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ケトルを乗せてお湯を沸かしてみました。運転中、キーはこのように外しておいた方がよろしいかと。本体につけておくとキーまで熱くなって触れなくなります。
沸かしたお湯はスタッフがおいしくいただきました(紅茶で)。

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ケトルをおろした図。真っ赤っかになっております。この状態だとカタログを上回った火力のような気がします。音がでかいせいかもしれないんですけど。でも、3倍も高火力なガスストーブとお湯を沸かして比べてみても、時間差はほんのわずかなんですよね。

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おまけ。
バーナーの根元にはこのZippoのウィックを巻いてあります。これに燃料がしみ込んでプレヒートの時間を長く出来ます。スチールウールとかでも良いんですが、耐久性に難がありました。

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現状、自分としてベストと思われる123Rの運用方法はこんな感じ。手慣れたせいか、軽量コンパクトを追求する山登り以外ではSVEA 123Rが最も使いやすいストーブとなりました。なんていうか、もう愛しているって感じ。キモイ。(汗
by namatee_namatee | 2008-11-14 19:50 | outdoor | Comments(8)
Commented by noblog at 2008-11-15 14:26 x
なまさん初めまして。
ブログの方にコメントありがとうございましたヽ(´ー`)ノ

123Rはやっぱりポンプあった方が便利そうですねw
でもナチュラムでは取り扱いが終了・・・
とりあえずZIPPOのウィックはどこかでゲットしたいと思ってます。
Commented by namatee_namatee at 2008-11-15 16:37
>noblogさま
こんにちわ。いらっしゃいませ。
ミニポンプって廃盤だったんですね・・・知らなかった。(汗
キャップが専用品で圧力バルブ?が動作してしまうと、交換する必要があるそうなので、ポンプ本体を持っているからといって安心は出来ません・・・Zippoのウィックはコンビニ・ホームセンターでどうぞ。

今後とも同じジェベル250XC乗り&123Rユーザーとしてよろしくお願いいたします。
Commented by at 2008-11-15 19:45 x
掘り起こし担当のワシにも、なんかボーナスくだちい(・∀・)ニヤニヤ
Commented by noblog at 2008-11-18 17:15 x
ちょっとおたずねしたいことが・・・(;´∀`)
チタントレック700に123Rを収納する場合に、123Rとトレック700の間には、
布などを一枚緩衝材&匂いつき防止のために挟む余裕ってありますか??
エバニューのチタンのやつはいいんですが、飯を焦がさずに炊くのがもはや不可能のように思われてきたので、
スタッキングを見直す必要がでてきたもので・・・汗
よろしくお願いします。
Commented by namatee_namatee at 2008-11-18 19:02
>noblogさま
ハイレベルな質問ですね。(汗
残念ながら緩衝材がわりの布などを挟む余裕はなさそうです。ビニールの袋とかなら、なんとかかりそうな気もしますが・・・チタントレック700のサイズが外径か内径かわかりませんが、*のサイトのデータでは直径105mm、スター商事のサイトでのSVEA 123Rのサイズが100mmですので、隙間は5mmということになります。片側2.5mmずつの隙間ですので、やっぱりビニール袋ぐらいが限度かと。
実際にモノを見てもらうのが一番わかりやすいんですが・・・
Commented by ラード at 2008-11-18 20:10 x
むは。
ソレって焚火野宿とか、お誘い申しあげてるワケですか?
ワシも逝く! 
混ぜてくれ(w
Commented by namatee_namatee at 2008-11-19 20:25
>ラードさま
ああ、久しぶりにたき火もよろしいですね。
混ぜてくれ、というか、もしやるなら道案内というか、ガイドをお願いしますよ?
Commented by ラード at 2008-11-19 20:41 x
おkっすヨ。

つっても毎度とそんなに変わらんけどサ(w
絶景の「海辺」焚火野宿とか。
T秘境探訪とか。
房総ダート絶妙ひと筆書きルート提示とか。
美味くて安い昼メシとか。
必殺持ちモノ自慢大会とか(w
サケとか酒とかビールとか。
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