「大体こうなることは早くからわかっていましたよ」

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「北欧空戦史:中山雅洋」朝日ソノラマ、昭和61年2月15日 5版発行とあります。いつも読んでいたのでボロボロ。カバーなんてどこかにいっちゃいました。文庫本はこれが困りものなんだよなー。

内容は第二次世界大戦(以下WW2)時の北欧3国の戦いのエピソードです。

WW2というと、日本人の我々には真珠湾攻撃から始まり東京大空襲、原爆で終わる太平洋戦争もしくは大東亜戦争が身近というか、いろいろと情報も多く、どのような経過をたどったか、どんな様子だったかも比較的詳しく知られていると思います。ヨーロッパの戦いについても、ドイツ・イタリア・イギリス・ソ連・米国を中心としたものについては比較的知られています。
大国が巨大な軍事力を動員して戦い、一流の航空機・戦車・軍艦などが戦いに投入され、お互いに大きな痛手を受けた・・・そういう印象がありますし、実際そうだったんでしょう。しかし同じくWW2に巻き込まれてしまった北欧ではちょっと様子が違っていました。なんていったってかの国々では自前で飛行機が作れませんから。必要だけど作れないならばどこかから買ってこなければならない。あちこち奔走して飛行機を売ってくれるところを探したりします。契約してもキャンセルされちゃったり、届かなかったり。なんとか届いてもろくでもない飛行機ばっかりで使いものにならなかったり。苦労したスウェーデンは自前で飛行機を作ることにして、それがサーブの始まりです。

いよいよ戦雲急を告げる1939年。関連する各国の第一線の戦闘機・爆撃機はどんな様子だったかというと・・・
フィンランド:戦闘機36機/爆撃機18機
スウェーデン:戦闘機なし/爆撃機5-6機
ノルウェー:戦闘機なし/爆撃機なし
ドイツ:戦闘機1611機/爆撃機1546機
ソ連:戦闘機多数/爆撃機多数w
うは、スウェーデンとかノルウェーとかやばいよ。w
両国とも中立なんですが、イギリスと死闘を続けるドイツはそんなものにお構いなしにノルウェーに侵入します。当然あっという間にこてんぱんにやられて占領されちゃいます。
タイトルの「大体こうなることは早くからわかっていましたよ」ってのはそのときにドイツ空軍将校を出迎えたノルウェー空軍士官の言葉。わたしのお気に入り。w

ソ連はフィンランドにちょっかい出しますが、これが手ごわい。たった36機の戦闘機(フォッカーD21)ですが、めちゃくちゃ強い。あっという間に粉砕されるということもなく、反対にソ連軍に膨大な損害を与えてなんとか講和することに成功します。そうこうしているうちに、独ソ戦がはじまり、フィンランドは枢軸国側についてソ連と再戦することになります。今度の主力戦闘機はブリュースター・バッファロー。44機しかないけどな。日本人にとっては太平洋戦線で零戦にあっというまにやられちゃった情けない印象しかない戦闘機なんですが、これがフィンランド人が乗ると強い。一機平均10機のソ連機を落とすという活躍ぶり。後にメッサーシュミットMe109に交代するまでフィンランドを守り抜きます。
なんていうか、ぼろっちぃ飛行機ばっかりなんですよね。しかし戦争は深みにはまることなくぎりぎりのところで講和に持ち込むしたたかさ。外交の延長としての戦争って感じがします。

他にもいろいろエピソードがあるんですが、とても書ききれない。(汗
スウェーデンの大変な様子は以下のリンクをどうぞ。
http://www.warbirds.jp/truth/sweden.html

まあ戦争やるならこのくらいうまく立ち回れってことですかね。
by namatee_namatee | 2006-06-04 22:19 | book | Comments(2)
Commented by まねきねこ at 2006-06-05 12:18 x
ソ連・ロシアや中国・アメリカなど、大国で戦争に強い国ってか、まともに勝った国って第二次大戦のアメリカくらいのもんじゃないですか?
一応戦勝国になっているけど、内容は火事場泥棒みたいなもんでしたからね。
結構弱いのかも?
Commented by namatee_namatee at 2006-06-05 14:38
>ねこさま
この本のあとがきに、結局一番得したのは東ヨーロッパに衛星国家をたくさん作ることの出来たソ連だけだ、という記述があります。レンドリースの代金も踏み倒したらしいし。w
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