この時期は

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「ヨコハマ買い出し紀行」第1巻第6話「プレ寝正月」より。
年も押し詰まってくるこの時期になると思い出すのがこのお話。大晦日〜元日にかけてアルファさんとタカヒロが初日を見に行く、この時点では他愛のないエピソードです。
なんでだか知りませんけど、大晦日って無駄に夜更かししたくなるんですよね。別に0時まで起きていたからって何か特別なことが起きるわけじゃ無い。ましてや徹夜して初日の出とかみたって、別に普通の日の朝日と特に変わることも無い。でも徹夜しちゃう。年に一度っていいますけど、今、この瞬間だって年に一度、どころか一生に一度、っていうか二度とこの瞬間は無いんですけどね。w
まあお祭り的な感覚なんでしょう。ちょっと前に書きました通り、わたくしも大晦日〜元旦にかけてはどこかへ出かけていることが多かったですね。もっとも特に初日を拝むということもなくて(そこまで起きていられないという。w)、友人とキャンプしながら夜中まで酒飲んでたり、最近だと椎名さんのカウントダウンライブの余韻に浸りながら、椎名さん関連の友人の方と新宿のマクドナルドでアイドルとか声優の話をしていたりします。w
もっと昔、中学生とかのころはこの2人のように(自転車ですけど。)近くの海岸へ行って、ただひたすら初日が昇るのを待っていたりしました。「プレ寝正月」ではみそ汁や甘酒を売っている人が出てきますけど、わたくしがよく行った海岸ではそういうものもなく、誰かが熾した焚き火を囲んで無言で立ちつくすという、文章にしてみるとちょっとハードボイルドっぽいけど、実際はみすぼらしい少年とおっさん数人が焚き火にあたっているだけという実に佗しい光景であります。

そういったわけで、この「プレ寝正月」に描かれる情景はすごく心に沁みます。このコーヒーのくだり、特に次のページでのアルファさんの「寒い夜にバイクで走った時の缶コーヒーって異常においしいのよ」というセリフは、ライダーなら誰でも共感するはず。缶コーヒーなんて普段は飲みませんけど、こういう時は話は別。いつもは「おーいお茶」とか「伊右衛門」を買うところを、この状況では積極的に缶コーヒでしょう。そして納豆国および落花生国の場合、それは高い確率で「マックスコーヒー」です。
で、うっかり冷たい方の「マックスコーヒー」を買っちゃって「orz」になるのもお約束。w

で、このお話と対になるというか、もっと後の同じシチュエーションを描いたお話がありまして、それは第12巻「初日の出」。すでにタカヒロはハママツに行っちゃってますので、アルファさんは一人で同じ場所へ行くのです。
その景色は「夕凪の時代」の厳しい現実を容赦なく描く。第6話「プレ寝正月」の時に比べて、明らかに人が少なくなり、みそ汁や甘酒を売る人もいない。どんな理由か知りませんけど、どんどん人が減っていく「夕凪の時代」を実感させる描写です。辛い。
タカヒロのかわりにマッキが現れるのも時間の経過を感じさせます。第12巻〜13巻あたりは本当に心に刺さるお話が多く、前半のこの能天気さを考えるとその対照的な展開そのものを思うだけで切なくなってしまいます。

わたくしとしては「侘び」とか「寂び」みたいなものを具現化した稀有な作品と思います。>ヨコハマ買い出し紀行
まあいまさらいうことでも無いですけどね。w

by namatee_namatee | 2016-12-15 22:02 | book | Comments(6)
Commented by colonel-mogy0079 at 2016-12-16 00:12
久しぶりのヨコハマネタですね。
私は侘び寂びよりももっとこう、深い深淵のような感覚に陥ってしまうのですが。
急速に世界が退廃していく様がいたたまれないというか。
限界集落のニュースを見ると、そんなことを思い出して、妙な怖さすら感じなくもないですね
Commented by namatee_namatee at 2016-12-16 12:50
>colonel-mogy0079さま
そこのところは気の持ちようかと。w>深い深淵のような感覚
わたくしはそんな時代に明るく生きるアルファさんやココネ、タカヒロを想像して救われるというか、バランスをとるというか、そんな感じですね。悪いほうに良くとマジで欝状態になりかねませんからね。>ヨコハマ買出し紀行

廃屋とか廃墟とか、こちらの近辺でも増えてまいりまして「ああ、夕凪の時代が近いんだなぁ。」などと思ってしまいますね。
Commented by シロ at 2016-12-16 22:24 x
〉なまさん
寒くて疲れているときに甘いものを流し込むと生き返ります。MAXコーヒーは特に甘いですから、これをチョイスするアルファさんもとい芦奈野先生は賢明だと言えましょうw
Commented by namatee_namatee at 2016-12-19 21:18
>シロさま
子供の頃から飲んでいたので、かなり後になるまであれが常識はずれに甘いとは思っていなかったんですよ。>MAXコーヒー
少なくとも缶コーヒーは甘いものと思っておりました。最近は見かけなくなりましたけどUCCの缶コーヒーも負けず劣らずに甘かったと記憶しておりますし。

この自販機に売り物を補充している人ってどこから来ているのか・・・
Commented by シロ at 2016-12-21 17:08 x
>なまさん
甘さが絶妙というか、気持ち悪くなる甘さではない、コーヒーとしておいしい甘さだと思います。>MAXコーヒー

それはいつも思います。>補充要員
生産施設も残っているはずですよね。
Commented by namatee_namatee at 2016-12-21 21:15
>シロさま
激甘とかいう人がいますけど、こんなもんだと思っていると別に激甘というほどでもないですよね。>MAXコーヒー
後になって出てきたちょっと本格風の缶コーヒーが甘さ控えめだったので比較対象になってますけど、MAXコーヒーしかなかった時には「缶コーヒー」なんてこんなもんだと思ってました。

缶コーヒーの生産設備・・・これは難題ですねぇ。「ヨコハマ買い出し紀行」には他にも自販機が出てくるので、それなりの範囲と規模の市場に缶コーヒー(他の飲み物も?)を生産し供給するシステムがあるということになります。この時代、それが可能かとなると・・・
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