能力(ちから)とは

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「黄色魔術オリエンタルガール」Vol.1(第1話)より。不本意ながら怪しいサイトの画像です。orz
ああ、わたくしはこのオリエンタルガールが一番好きだ。前髪に隠れて見えない瞳と微笑んでいる口元のせいでことさらに表情が謎めいているのが素敵。大好き。w
余裕たっぷりのオリエンタルガールと対照的に優はフローリアンに尾行けられて必死ですけど。

その優の能力(ちから)とは何か?これを考察してみたいと思います。
優の不思議な能力の具体的な初出は第4話のワイト&ナースとの闘いの時。この闘いはスピード勝負の格闘戦。動きが止まった方が負けなんですけど、ワイトの念動力(サイコキネシス)による瞬間移動+自身の高速移動で背後を取ったナースがオリエンタルガールの背中に一撃を加え、それでオリエンタルガールの動きを封じます。次にお腹に一撃。これで意識を失ったオリエンタルガールの髪をつかんで空中に吊るす。図でいうと纏められた長い髪の根元にあるリボンの背後の曲がっているあたりを掴む。よくわかりませんけど、アクトレスの方々はかなりの腕力があるようですね。片手で楽々と吊るしてますからね。
この時に、心配した優がお経を唱えると、オリエンタルガールは意識を取り戻す。
ストーリーのかなり早い段階で優の持つ謎の能力(ちから)は重要な要素として描かれているんですねぇ。

ちなみに優の立場は、レズビオナンに襲われた日本で4人目の犠牲者です。襲ったのは全てフローリアン。他の3人については、なぜ襲われたのかが明確にされておりませんけど(おそらくランダムに選ばれた)、優については後にレズビオナが「一目惚れ」と言っております。迷惑千万な話です。(汗

っていうか、レイ博士にしろレズビオナにしろ、大概にしろと。レイ博士はレズビオナを独り占めしたいがために、オリエンタルガールを巻き込んでこんな騒ぎを起こすし、レズビオナはレズビオナでさっさと最強のアクトレスのクインを出して決着つければ良いのに(でもその場合はオリエンタルガールが勝ってしまう)、余裕こいてずるずると戦力の逐次投入をして、いたずらに傷口を広げてるし。ワイトもナースもクエスもクインも(そしてオリエンタルガールや優も)レイ博士とレズビオナの意味不明な行動の犠牲になったようなもんですよ。
フローリアンは悪役ですけど、行動を起こす動機や理由については十分に同情の余地があります。そして最終的におそらく再起不能ですからね。ほとんど気の毒と言って良いです。(汗
レイ博士とレズビオナ、この二人はつるんでゲームみたいな感覚で駆け引きしていたんじゃないかと思うぐらいです。二人はなあなあで終わりにするつもりだったのかもしれませんけど、フローリアンが本気出しちゃってそれどころじゃなくなっちゃったという。ざまぁ。w

さて、その優ですけどフローリアンによると先の3人とは違うという。前の3人では襲う気にならなかったのに優の場合は思わず手を出したくなってしまうほどの魅力があるらしいのです。で、優本人はそれを全く意識していない。この優が自分の魅力や能力(ちから)を理解していないのは、第13話の最終局面まで続きます。
というわけで優には何かあるというのは実は第1話からふれられていたわけです。

ワイト&ナース戦の時の優の不思議な能力(ちから)についてはミニスがレイ博士に報告してます。ミニスは距離があるので聞こえるはずがない「声」が聞こえたと言ってます。それで意識が戻り、その後に力がみなぎるような感覚があったと。
この報告を受けてレイ博士は調査をすると言ってますけど、その暇はなかったようです。クエス戦の後に「心配なのは唐色 優の妙な能力(ちから)か」と言ってます。
実際に調べることができたのはクインとの闘いで3人共倒れになって担ぎ込まれた時以降です。

話が前後しますけど次に優の能力(ちから)が出てくるのはクエスとの闘い。こちらはさらに詳しく描かれております。離れたところから音声ではなく、テレパスみたいな感じでオリエンタルガールと会話でき、そればかりか、オリエンタルガールの動きを止めてしまう。会話は双方向で優もオリエンタルガールも自然に(緊迫してますけど)意思の疎通ができ、しかも極めて短時間にそれができます。もう完全にアクトレス並みの能力の持ち主ですな。とはいえ、この時点では能動的に使うことができません。オリエンタルガールとの関係が緊迫する事態にならないと発動しない。それは最後まで変わりません。>優の能力(ちから)

ちょっと話がそれますけど、優が無理にオリエンタルガールの動きを止めたせいで、オリエンタルガールの「黄色魔術 雷電」のコントロールが狂って、クエスに必要以上のダメージを与える結果になったような気がしないでもない・・・ここでクエスがワイト&ナースのように軽いダメージだけで帰還するような展開だと、クインの怒りもだいぶ薄まって、次のクイン戦の結果が変わってくると思うんですけど・・・その意味では優は自身がオリエンタルガールになったことでケジメをつけたとも言えるかも。

そして山場のクインとの闘い。優は能力(ちから)の発現どころか、前述の通り自身がオリエンタルガールになってしまいます。たまたまカードを持っていたからなんですけど、これも怒りにまかせて周りが見えなくなっていたようで意識してそうしたわけでもなさそうです。おまけに崩壊(コラプス)を起こしてしまって、記憶も残っていないという。ここで優が自身の能力(ちから)の使い方を知っておくと後々の展開がややこしいことになって面白いんですけど。w
残念ながらそうはならず、3人とも共倒れになってレイ博士のところに担ぎ込まれます。クインとオリエンタルガールがどういう処置を受けたかは今回のネタとは関係ないので追求せずに、優に絞って考察しますと、崩壊(コラプス)によるダメージの治療と能力(ちから)についての調査をしたはずです。>レイ博士
その結果はどうだったのか。レイ博士から情報を読み取ったフローリアンの言によると「ミニスにあるカード起動因子が優にもあり、2人の個体データは数億分の一の確率でほぼ一致している」とのこと。なので優はオリエンタルカードを使ってオリエンタルガールになることができるのだと。ただ、ここではオリエンタルガール(ミニス)との間のテレパスみたいな通信能力とか、パワーアップ&スポイル能力については触れていないんですよね。それらについてフローリアンはレイ博士から読み取れなかったのでしょう。

レイ博士はそれを突き止めていたのかどうか。ここが最大の問題です。
大詰めの第13話で強化フローリアンに歯が立たなくて、劣勢に陥ったオリエンタルガールを救うためにレイ博士は優に対して「しっかりして!約束したんでしょう!?ミニスを助けるって!!あなたの能力(ちから)で!!」とほとんど絶叫しているんですけど(いつも冷静なレイ博士らしくない)、これは取り乱してしまってそう言ったような気がします。優の能力の全貌について、薄々は感づいていたのかもしれませんけど、完全には掴んでいなかったとするのが一番自然ではないでしょうか。科学者とかエンジニアとか、論理的に証明できないものは在るとは認めないみたいな考えで、レイ博士は冷静な時には具体的に調査結果の出ていない優の変身以外の能力(ちから)については考慮しない・あるとは認めないのではないかと思います。それがミニスが追い詰められているのを見て冷静さを失った結果、具体的な裏付けは分からないけど、優にはなにかあるはずだから、とにかくなんとかしろと感情的になって言ったんじゃないかと思います。ここで少しはミニスのことを気にしているのがわかるんですよね。>レイ博士

ではオリエンタルガールはどうなのか。最終決戦の直前にミニスからオリエンタルガールに変身して優と短い会話を交わします。
「いつかみたいに助けてね・・・優ちゃんが力を貸してくれれば・・・私は無敵よ!」
オリエンタルガールは自分が体験したことだからか、優の能力(ちから)をレイ博士よりは具体的に理解しているようです。ただ、それに期待していたかどうかは・・・ワイト&ナース戦、クエス戦と実際に経験してますからね。もしかしたら、ぐらいの期待はしていたはず。でも二段変身までとは思わなかったかもしれません。
それでもそれに対応してすかさず「黄色魔術 M16」を使える!と判断できるところが、さすがオリエンタルガール様ってところですよ。w
それまでのオリエンタルガールは練度不足と思ってましたけど、優と親密になっていくのにともなってパワー以外の面でも飛躍的な成長をしています。

優がオリエンタルガールに対して妙な影響を持つことは、レイ博士とオリエンタルガールしか知りません。レイ博士は半信半疑で、具体的に把握していなかった。なのでレイ博士の心を読んだフローリアンはそれを読み取ることができなかった。そして優を殺すと言ってオリエンタルガールの心を折ろうとしましたけど、それはすでに優と強い結びつきを構築していたオリエンタルガールに対しては的外れで失敗だった。そればかりか、優の能力(ちから)を発動させてしまう。その結果、敗北する。
オリエンタルガールは優の能力(ちから)を信じていた。なので一見、勝ち目のないように見える闘いに臨む気力を得ることができた。結果は予想どおりで、大成功ということになります。ヒロインが最後には勝つ。そうこなくちゃね。w

優の能力(ちから)の不思議なところは、オリエンタルガールのパワーアップをしても優自身は消耗しないことです。最終話の第14話でオリエンタルガールは「M16」を二連発してかなり消耗していますけど、殺される寸前から「未完成(テストタイプ)の超高度黄色魔術」の「M16」を出せるほどの二段変身をオリエンタルガールにさせた優には特に変わった様子がありません。優のキャパシティはものすごい容量があって、そのぐらいでは影響が出ない可能性はありますけど、やっぱりそれは不自然でしょう。
なので優の能力(ちから)のうち、オリエンタルガールに影響を与える部分については、優の力やエネルギーをオリエンタルガールに分け与えるというよりは、オリエンタルガールそのものの潜在的なパワーをさらに引き出す働きをするものということになるんじゃないかと思います。
クインとの闘いでダメージを受けて倒れたとき、優はオリエンタルガールに駆け寄って声をかけていますが、この時はなにも起きませんでした。
最終話でフローリアンの最後のあがきに対して、オリエンタルガールは防御も反撃もできない(しない?もしかして様子をみている?)ぐらい消耗した状態になっていて、優はすぐそばにいるんですけど、やはりパワーアップ現象は起きませんでした。
このことから、優の能力(ちから)は優のパワーやエネルギーをオリエンタルガールに分け与えるというものではなく、オリエンタルガールそのものにある潜在的なパワーを引き出すものではないかと思われます。なので、オリエンタルガール自身にわずかでも余力がないと効果が出ないのではないでしょうか。

というわけで、優の能力(ちから)についての考察でございました。
最終話の最後で優は「あたしの机の上に一枚の見覚えのあるカードが・・・たぶんただのカードになっているそのカードはあたしの宝物です」と言っていますけど、本当にそうなのかどうか。わたくしはそのオリエンタルカードは「使える」と思います。だってもったいないじゃないですか。w>優の能力(ちから)

by namatee_namatee | 2016-08-16 22:50 | book | Comments(8)
Commented by フラフープ at 2016-08-17 12:21 x
季節は秋か冬か・・寒くないの?w
「気」で守られているから、寒さにも強いのか。
Commented by namatee_namatee at 2016-08-17 16:19
>フラフープさま
クインがオリエンタルガールを待つ間に優に「寒くはないか?」と聞いているので、おそらく晩秋~冬なんでしょう。

>「気」で守られている
おそらくそうなんでしょう。疑問な点はその「気」を維持するエネルギーの元はなんなのか、どこから来るのか?ですね。

フローリアンの例を見ると、大量の力や気を使う事によって身体に無理がかかるという事ですから、身体そのものにそのエネルギーがあるということなんでしょう。そしてフローリアンのように無理にチューニングしたアクトレスの場合は、身体のキャパシティぎりぎりまで能力や気に変換できるけど、余裕がないので限界を超えると即「崩壊」に至る。
オリエンタルガールの場合はそのフローリアンを崩壊に追い込むほどのパワーを放出しても自身は「崩壊」しないので、もともと身体のキャパシティが大きくて余裕があるか、パワーマネジメントが優秀なのかですね。

いずれにせよ、身体にそのエネルギーをチャージする仕組みがあるはずなんですよ。
すごくいっぱい食べるとか、レイ博士のラボで補充しているとかですかねぇ。
Commented by フラフープ at 2016-08-17 21:00 x
もしくは、体内で作っているとか。鉄腕アトムと同じ原理なら、10万馬力まで。>エネルギーチャージ
そんなエネルギーがあれば、寒さには強そうです。
Commented by namatee_namatee at 2016-08-17 22:06
>フラフープさま
いやいやいや。w
体内で作るっていってもエネルギー源はどこからか持ってこないといけません。アトムだって原子力エンジンの燃料(たぶんウラン)はいずれ補給する必要があります。超高効率だから補給なしに見えるだけです。

おそらく身体の構造は普通の人間と変わらないと思うんですよね。>アクトレスの方々
もともとはどこかから攫ってきた少女も混ざっているはずですし。

ナノマシンとか、何か超高効率で食べたものなどを「気」に変換する仕組みがあるんじゃないかなぁ、と。それが体内にあるのか、レイ博士のラボにあるのか・・・いずれにせよ「気」をまとっているので寒い暑いは平気なんでしょう。
オリエンタルガールがフローリアンに無理やり変身を解かれちゃった時にレズビオナは「気が解放されたような・・・」と言ってますので、強力なアクトレスは「気」をまとっているんですよ。

いやまあオリエンタルガールの場合は同じアクトレスといっても、東洋の神秘とか魔術で説明が済んじゃうような気がします。w
Commented by フラフープ at 2016-08-19 00:48 x
あのカードも不思議ですよね。(一号が変身している状態なのに)同じカードで二号が変身出来るということは、カードから何かパワーを受け取るのではなく、本人の潜在的な能力を解放しているのでしょうか。
優の方が変身が早く解けたのは、カードの性能というよりは、優が不慣れだったから(もしくは所詮誤作動だったから)なのでしょうかね。
Commented by namatee_namatee at 2016-08-19 07:41
>フラフープさま
んー?オリエンタルカードの仕組みは明白ですよ。

「ミニスにあるカード起動因子が優にもあり、2人の個体データは数億分の一の確率でほぼ一致している」ですから、鍵と錠の関係だと思えばよろしいのではないでしょうか。>オリエンタルカードと中の人

鍵はカード。錠はミニスと優のことです。
ミニスの場合をみるとミニスの姿でレイ博士の調整を受けているので、彼女自身がオリエンタルガールのシステムを内蔵しているはずです。
そして優も同じ個体データということは優自身も同様にオリエンタルガールのシステムを内蔵しているという事です。

そのオリエンタルガールのシステムを起動させるのがオリエンタルカード。だから条件が合えば、他の個体でも何度でも起動できると。カード自体には力や能力は備わってないでしょう。

優は「調整」を受けていないし、なにせ初めてのことですから、手加減が分からなかった。カンカンに怒ってましたし。
オリエンタルガール(ミニス)が「優ちゃん それ以上 力を過密させちゃ・・・」って言ってますよね。ミニスはこれ以上はやばいという限度を知っている&調整でそこまで力を出さないようにしている、のはず。

前に書きましたけどフローリアンの「優が最強のオリエンタルガール」という認識は間違っています。
個体データが同じならミニスも同じだけのポテンシャルがあるはずで、ミニスは限界を超えないようにコントロールしているだけ。
なので本気出すと(キッカケに優の力添えが必要ですけど)ミニス自身のポテンシャルのみでクインを一撃で倒すほどの力を持つフローリアンを崩壊させることのできる「M16」を使え、その上、自身は「崩壊」しないようにコントロールできると。
やっぱり最強はオリジナルのオリエンタルガールなのです。>これが言いたかった
Commented by miroku567000000 at 2016-09-08 21:49 x
私は口元より後ろ髪のまとめ方の方が気になってしまいますねぇ。あと艶の入れ方とか。髪の流れがわかるので。
何気に腕輪のヒラヒラが3段ありますね。その後、2段に落ち着いたようですが。私は2段で描いてました。
Commented by namatee_namatee at 2016-09-09 08:09
>miroku567000000さま
こうやってみるとオリエンタルガールの髪の量はすごいですね。やっぱり「気」の充実度合いで髪の量、少なくとも張りみたいなものが変化するという説を唱えたくなります。w
前髪のあたりも額のあたりにある髪留めと関連があるし、かなり立体的で複雑な髪型ですね。>オリエンタルガール

腕輪は気がつかなかったですね。カード使って変身すると一瞬でこういうスタイルになるわけで、その割りに脱がされても変身は解けないという不思議。
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