九死に一生を得る

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「黄色魔術オリエンタルガール」第12話(Vol.12)より。
当然ながら第11話の続きから始まります。フローリアンは第11話ではあっさりクインを退けてレイプ、レイ博士も同様にレイプし、例のリーディング能力でオリエンタルガールの正体とシステムを把握。レズビオナと優とオリエンタルガールのいる寝室へレイ博士を抱えて乱入。レズビオナにアレコレされて弱っているオリエンタルガールの変身を無理やり解いてレズビオナにその正体がミニスという女性であるということを告げる。
そして第11話の終盤から第12話の冒頭で、レズビオナに代わって帝国の大首領になると宣言するフローリアン。そのフローリアンを見て優は最初に自分のところにやってきた奴だと思い出し、なぜか新しい大首領?と半分納得するようなしないような。w
そこへクインと彼女に率いられたスキニー&ザミアが乱入してまいります。

話が逸れますけど、スキニーとザミアって脇役も脇役なんですけど、多くの重要な場面に登場し、2人とも意外なほど可愛いいんですよね。しかも健気。w
それなりの能力(後述)もあるようなので、ワイトやナースよりは上位で(つまり強化されていないフローリアンよりは上位)クエスよりは下のアクトレスのようです。ちなみにこの二人はいつも一緒に行動しているので見分けがつきづらいんですけど、お腹が見えて首元まであるコスチュームなのがスキニーで、ワンダーウーマンみたいなワンピースのコスチュームなのがザミアです。どちらもお気に入りだったりしますけど、どうしてもというのならザミアの方が(ry
そういえばアクトレスの皆さんはコスチュームは自分で選んだりデザインしたりするのかなぁ。
20年以上前のスーパーマイナーな作品の脇役の脇役のこんなネタ、どうにもなりませんわな。w

さて、戦いの経過にもどります。
クインは怒り心頭で、ブレードを構え、スキニーとザミアがレズビオナの前面に出てガードする。そしてクインのブレードから「ニードル」という技を繰り出します。細く集中した「気」のようなものに見えますけど詳細は不明。また、技の一覧に付け加えておかなきゃ。w
標的のフローリアンを通り越して、背後にいるレズビオナやレイ博士、優、ついでにミニスに被害が及ばないようにザミアとスキニーがガードに苦労するぐらいの威力があるんですけれども、フローリアンはあっさりと跳ね返してしてしまいます。すかさず、クインがブレードで攻撃、呼応してスキニーとザミアも「気」で攻撃をかけますけど・・・全て効きません。フローリアンの反撃(自分の全周に「気」を放出するような)で、クインとスキニー、ザミアの3人は一気にダウン。

またしても話が逸れますけど、「黄色魔術オリエンタルガール」で最もひどい目に遭ったのは誰かというと、巻き込まれてとばっちりを受けた優をのぞくと、実はクインが一番ひどい目に遭ってるんですよね。オリエンタルガールには勝利したものの、優のオリエンタルガール2号にやられ、フローリアンにやられてレイプ、さらにこの戦いでもやられてます。おまけに妹のクエスのことを考えると、この騒動で一番貧乏クジ引いたのはクインです。(汗
優は完全に巻き込まれてしまった感じですけど、おそらく一生慕っていく対象としてオリエンタルガールに出会えましたし、オリエンタルガールも自分の使命を見つけました。フローリアンとて、一瞬だけにせよ、自分の面目を潰したオリエンタルガールを殺す寸前まで追い込み、意趣返しはできましたし、勝ち誇った気分にはなれたはず。それに対してクインは全くのやられ損ですからね。レイ博士は事態の収束後にはクインに篤く謝罪しないといけません。レズビオナもクインをケアしてあげないといけません。

ここでレイ博士の意識が戻ります。開口一番「私は裏切ったつもりでは」とか言ってますけど、今はそんな場合じゃない。レズビオナはレイ博士にフローリアンの異常な能力について尋ねる。レイ博士はフローリアンが二週間で(この期間についてはまた別途に考察したいところ)無理やりに能力を引き出したこと、今のフローリアンに勝るパワーを持つ者はいないこと、その反面、無理な調整で身体に負担がかかっているはずで、強いパワーを長時間出すと「崩壊(コラプス)」を起こすと告げる。つまりこれがフローリアンに対する勝利条件なんですね。フローリアンを倒すには「長時間フルパワーを出させて崩壊(コラプス)を起こさせる」です。
フローリアン曰く、そんなことはまず起こらない。彼女にフルパワーを出させる奴はもう居ない・・・いや、一人だけ居る。それは優だと。例の「オリエンタルガール2号」の件で、クインを倒した優ならその可能性があると。
以前に予測した通り、優のオリエンタルガール2号がクインを倒したことについてはレズビオナは初耳でした。それどころか優自身も覚えていない。2人して「なんだと!?」とか「え?」とか言ってます。
そしてフローリアンは例のカードを取り出します。レイ博士から取り上げたんでしょう。フローリアンは言います。優がオリエンタルガール2号に変身できたのはミニスにあるカード起動因子が優にもあり、2人の個体データは数億分の一の確率でほぼ一致しているのだと。これはもちろん、レイ博士から読み取った情報。レズビオナがレイ博士に尋ねると「全て事実です 優の治療の時に調べました。」
ああ、やっぱり優の治療をして、能力の解析もしていたんですね。>レイ博士
しかも予想通り内緒にしているし。後で怒られるぞ。w

この時点で、「オリエンタルガール」という戦闘システムの概要は明らかになりました。ミニスと優の2人だけがカードを使って「オリエンタルガール」に変身でき、フローリアンに対抗できる可能性があるのはクインを倒せた優のオリエンタルガール2号だけだということですね。

私見になりますけど、この認識は間違いだと思います。優とミニスがほとんど同じ個体データならば、ミニスにも優のオリエンタルガール2号と同じだけのポテンシャルがあるはず。レイ博士すら、この時点ではその可能性については考えが及んでいないようなんですけど(だからフローリアンもそう考えることが出来なかった。しょせんは無理やり読み取った知識、いわゆる付け焼き刃って奴ですね)、もともとはクインよりミニスのオリエンタルガールの方がスペックでは勝っていたんです。オリエンタルガールに欠けていたのは戦う使命とか意義などのメンタルの強さだった。優のオリエンタルガール2号にはオリエンタルガールを守るという切実な使命と意義がありました。それであれだけのパワーを発揮したわけです。なので条件が揃えば、オリエンタルガール(ミニス)も優のオリエンタルガール2号に負けず劣らずの強大なパワーを発揮する可能性がある。フローリアンのこの認識の甘さがこの後の展開の見えない伏線になっていると思います。

オリエンタルガールを守るために強大なパワーを発揮した優のオリエンタルガール2号、その優を守るために二段変身で逆転の大技を決めるオリエンタルガール、ここでもお話しが対になっているんですよね。深いなー。w

ちなみにオリエンタルガールに変身するための例のカードは「オリエンタルカード」というのだそうです。ひねりないなー。
まあ変に凝ったネーミングにすると説明が面倒ですからね。w

さて、ちょっと遡ってフローリアンがカードを取り出した時、ミニスの目が光ってます。後の展開の伏線です。
フローリアンは優にカードを渡してオリエンタルガールに変身するように促します。変身して自分と戦えと。最強にこだわる彼女らしいですなぁ。困ったのは優。なにしろ記憶がないわけで、カードを貰ってもどうやって変身したらよいかわかりません。
戸惑う優を遮って、レズビオナが勝負を受けると言いだす。が、もちろんフローリアンは拒否します。レズビオナは「能力」は同等でも「格闘」で差がありすぎるから。そして彼女の目的はレズビオナを手に入れることなので、傷つけてしまっては元も子もない。レズビオナが手を出せば優の頭を潰すと宣言。(恐

さて、いよいよ最終決戦の条件が積み上がってまいりました。
変身しなければ直接にはなんの害もない優ですけど、フローリアンのこの宣言で、変身して戦うか、誰かがフローリアンを止めないとこのまま頭を潰される危険にさらされるか、どちらにしても極めて危険な状態に置かれる羽目になってしまいました。いずれにせよ、フローリアンが第13話で言うように彼女にとって優は邪魔でしかないので、このままだと殺されてしまう可能性が極めて高い。

ここでまたしても話がそれます。w
アクトレスの戦闘能力についてですけど、フローリアンの言によると「能力」と「格闘」という2つの要素があるようです。これまたひねりがないネーミングですけど、凝ったネーミングにすると説明が(ry
「能力」というのは「念動力」とか「気」のような、物理的な打撃とは違うものでしょうか。クエスの「ソリッドエア」や先ほどのクインの「ニードル」、ワイトの「サイコキネシス」などですかね。
「格闘」というのは文字どおり殴る蹴るの威力とスピードでしょう。ただ「能力」は「格闘」にも影響しているようにみえます。物理的な打撃だけでなく、「能力」で威力がかさ上げされているはず。そして防御力も「能力」が影響しているようです。
オリエンタルガールの「黄色魔術」がアクトレスの「能力」と同じものなのかどうかはよくわかりません。オリエンタルガールもアクトレスではあるので、同じものと考えるのが筋が通りますけど、普通のアクトレスの「能力」とは性格が異なるように見えます。アクトレスの「能力」の多くは武器を介するものが多いのに対して、「黄色魔術」は介在するアイテムはせいぜい扇子ぐらい。「黄色魔術」はバリエーションも豊富です。
アクトレスの「能力」もオリエンタルガールの「黄色魔術」もレイ博士が絡んでいるのは間違いない。アクトレスについては調整しているのがレイ博士なんですから当然把握しているし開発もレイ博士の手によるものでしょう。オリエンタルガールの「黄色魔術」についても「M16」を「未完成(テストタイプ)の超高度黄色魔術」と見抜いていますから、詳しく知っているのは間違いありません。では「能力」と「黄色魔術」、どこがどう違うのか・・・
優のオリエンタルガール2号は「黄色魔術」は使わなかったし、第13話の冒頭でのオリエンタルガールの攻勢で「黄色魔術シムーン」などの技をフローリアンが知らなかったようなので、もしかすると基本的にミニスのオリジナルなのかもしれません。>黄色魔術

さらに話をそらすと。w
まずミニスってレズビオナンのメンバーだと思うんですけど東洋系なんですかね?
オリエンタルガールはあくまで戦闘システムとしての存在でああいう東洋っぽいスタイルとして発現し、中の人は関係ないのかなぁ。その割にはオリエンタルガールにはミニスの面影が残っているように見えるし、オリエンタルガール2号も優に似ている。どうなんでしょう。
あとオリエンタルガールの呼び方もちょっとややこしい。フローリアンは優のオリエンタルガール2号もミニスのオリエンタルガールも「オリエンタルガール」と呼んでます。レズビオナはオリエンタルガールの中の人がミニスだと知ってもオリエンタルガールと呼びます。もっともミニスの姿で名前を呼ぶ機会はほとんどありませんでしたけど。レイ博士はミニスと呼ぶ。その割にはクイン戦の時にはオリエンタルガールと呼んでました。

話を戻します。w
カードを貰ったものの戸惑う優。そこへするっと手が伸びて・・・ミニスがカードを取ってオリエンタルガールに変身しちゃいました。w
そして「私が相手だ フローリアン」、うわ!格好良い。いつもは丁寧な口調のオリエンタルガールですけど、優の危機にさすがに熱くなっているようです。そのファイトとガッツが今までオリエンタルガールに足りなかったものなんですよ。
そして、図の頭につながります。「笑わせるわ クインすら倒せなかった奴が・・・」、フローリアンのこの煽りも良いですなぁ。続けて「今度は私が貴女を地面に叩き付けてあげるわ」ですよ。痺れます。第13話の終盤で、オリエンタルガールの扇子を奪って殴りつけ、さらに強力な「気」で地面に叩き付ける、これが第2話の裏返しになっているのはすでに述べました。その伏線です。

彼我の能力の差は明白。それでも優のために戦おうとするオリエンタルガールが格好良いですね。「優ちゃんが力を貸してくれれば・・・私は無敵よ!」・・・泣かせる。これが「彼女の言うとおりです すぐに済みます」とか他人行儀な口調だった同じ人物とは思えません。真の意味での最強のアクトレスになる条件は揃いつつある。>オリエンタルガール

がっちりと大柄で力強く描かれるフローリアンに対して、明らかに線が細く繊細なオリエンタルガールの対比も良いところ。髪型とか優との手の合わせ方とか、わたくしは作者の強い思い入れを感じます。もちろん、わたくしもたまりません。最後のコマとか、「いつかみたいに助けてね」とか泣きそう。っていうか、泣きました。w

もっともオリエンタルガールは勝ち目がないとは思っていないようです。「特攻」ではなく「九死に一生」ぐらいの勝算でしょうか。優と交わすこの「約束」が次回で大きな意味を持つのはすでに明らかになってます。

結局のところ、オリエンタルガールのクイン戦の敗因について、つまり戦いに使命を見出せないというメンタル面での弱さについて、この時点では誰も気がついていないということなんでしょう。レイ博士は原因を解析したはずですけど、わからなかったようです。なのでフローリアンも知らない。フローリアンの情報源はレイ博士ですから。
オリエンタルガール本人はそれどころじゃない。優は何が何だかわからない。レズビオナは第11話でのミニスとの会話からもしかするとミニスの空虚な心には薄々感づいていたかもしれませんけど、それを現在の状況に結びつけることはできなかったようです。
レイ博士がそれに気がつくのは第13話の途中、オリエンタルガールがピンチになった時。オリエンタルガール自身がはっきり理解するのはさらにちょっと後、殺される寸前。フローリアンはオリエンタルガールの心を読みましたけど、理解はできず心を折ることもできなかった。
ただ優の能力の影響はわかっていたはずです。>レイ博士
だからこそ「ミニスを助けてあげて」と優に懇願するわけです。
優の能力をフローリアンが知っていたのかどうかは謎。知っていればこの2人を一緒にしておくようなことはしないはずですけど・・・

まあ、そういった事情で第13話の最終局面に向かって、段階的にオリエンタルガール自身の意識の変化と優の能力の発動条件という2つの逆転の要素が整ってまいります。そして優の「いやあああああああ」でついに臨界に達すると。
あの時、オリエンタルガールが優を守るという使命を意識していなければ、フローリアンはそれを読み取って優を殺すと口に出すことはなかった。なのでオリエンタルガールは自分の使命に対して決定的に認識することはなかったし、フローリアンがオリエンタルガールを殺すと言って左手に「気」をためるのを見なければ優の「能力」は発動しなかったはず。
フローリアン、下手踏んだなぁ。(汗

といった具合に、単純に一発逆転、さすが最強のアクトレスのオリエンタルガール、強ぇーという話ではないんですよ。なんでこんなに凝った展開なのか、こうやって書いていて腑に落ません。(汗
by namatee_namatee | 2016-08-08 22:40 | book | Comments(2)
Commented by フラフープ at 2016-08-09 07:40 x
あぐだ先生の才能を否定するつもりはありませんが、このページ数で2ヶ月に一度の連載で、期間にして2年以上だったわけで、練る時間はあったのでは?>ストーリー
「こんな雑誌に何故」という疑問に対しては、ある種の気分転換、もしくは溜まったネタの放出説を推します。ギャグ漫画家がたまにシリアスな展開を描きたがったり、バトル漫画のストーリーが一段落した時にギャグを挟んだりするように、先生は「健全な」漫画も描いてみたかったのかな、と。
Commented by namatee_namatee at 2016-08-09 10:35
>フラフープさま
あったのでは?と言われましても・・・描き初めの時点で結論は決まっていたし、途中で大きな方針変更はなくそのまま描いたとおっしゃってましたね。>あぐだ先生

あまり成功しなかったエロ漫画で良いんですよ。w
完全オリジナルのストーリーかどうかはわからないし、他の作品の影響もあるでしょうし。芳しくない評価に対して思いのほかお話は練られているなぁということです。その価値は連載期間が2年でも12年でも別に関係ないですし。

それに気づいた俺偉いでしょ?って自慢したいだけですよ。w

まあ、環境とか掲載誌とかそこら辺については詳しくは触れないつもりです。(汗
例えば「COMICパピポ」がどんな雑誌だったのかとか、その中で「黄色魔術オリエンタルガール」という作品の立ち位置は?とか意義は?とかの問題は、必要以上に追求しても推測の部分が多くなってしまって、結論がでないからです。考えに入れておくのはあぐだ先生にうかがった当時の事情程度で十分かなと。

そして作者がどんな人で何を考えていたかに思いを巡らしだすと収拾がつかなくなるのは「ヨコハマ買い出し紀行」で学びました。w
描かれている事柄を「在る」ものとするという制約を尊重するということです。せいぜい後に描かれた「黄色魔術オリエンタルガール(小)」を眺めながら、あぐだ先生はオリエンタルガールが好きなんだな、ぐらいに思っておこうと。
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