恐れ入りました。

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さて、またしても「黄色魔術オリエンタルガール」のネタ。w
画質悪いけど図はCOMICパピポ1994年3月号に掲載の「黄色魔術オリエンタルガール」第13話より。
このストーリーのクライマックスでございます。

オリエンタルガールはフローリアンに強力な「気」の塊のようなものをぶつけられてダウン、意識が遠のきつつあり、フローリアンは右手で無防備な彼女の首を締めつけながら吊し上げております。

前に書きました通り、今までの通常のアクトレスとの戦いでは命のやり取りまでは発展しないできた(不測の事態を除く)のですけれども、フローリアンは自分に刃向ったオリエンタルガールを生かしておくつもりはなく、明白な殺意をもって攻め込んでくる。(恐

一番上のコマで優に気合を入れているのはレイ博士。オリエンタルガールはその「優!!」というレイ博士の声に「優ちゃんを守らなければ・・・」と反応しておりますね。これで少し意識が戻ってきた感じ?

7/29追記:
厳密には左側の「ユウ・・・」「優ちゃん・・・」がレイ博士の「優!!」に対するオリエンタルガールの反応ですね。
「優ちゃんを守らなければ・・・」はフローリアンの長いセリフ、おそらくその中の「殺すわ」あたりに反応しているとするのが妥当かと。つまりレイ博士の「優!!」からオリエンタルガールの戦う意義とか使命についての思考の最終的なパートが始まり、フローリアンの「殺すわ」以下で何をすべきかの結論に到達する。このコマで「黄色魔術オリエンタルガール」というストーリーの結論がでるといっても過言ではありますまい。

ここで叫んでいるのがレイ博士ってのも良いですね。前にネタにした通り、以前のレイ博士のオリエンタルガール対する態度はそっけなく、極端に言うと道具のように扱っているんですけど、この局面では全く違う。
クイン戦での同様のピンチの時には「クインを倒すのよ!私のために!!」とか言っていたのに・・・そしてオリエンタルガール本人に叫ぶのではなく、救える可能性のある優に叫ぶところが、確かにそれが正しい対処法ですけど、切実な感がより強く感じられて感動的です。

そしてフローリアンは「このあと、優と戦って(ry」と残忍なセリフを吐く。
ここは一見なにげなく読み飛ばしてしまう部分なんですけど、フローリアンはオリエンタルガールの思っている事に反応して、この残忍なセリフを言っているんですよ。つまり、オリエンタルガールの考えていることを明確に把握している。

これ、ちゃんと理由というか仕組みの説明があります。第11話で、フローリアンはレイ博士からオリエンタルガールの正体を知るんですけど、それは「リーディング能力」といって、触れるだけで相手の思考を読み取る能力を使いました。そのシーンはこちらをどうぞ。(一応エロ漫画なのでその点はご注意を)
そして、この最終決戦のクライマックスで、この「リーディング能力」が再度使われているんです。「リーディング能力」という、まあ、ありきたりと言っても良い概念(ネーミングもありきたり)、第11話だけだとページの都合とか、安直に設定されたモノみたいに感じられるじゃないですか。使い捨てというか、これっきりの技みたいな。最初に11話だけ読んだときは、こんなにご都合主義な技でオリエンタルガールの正体が知られちゃうのは嫌だ、と思ったもんです。w

そんな仔細な技がこのクライマックスの本当のピーク時にまた出てくるんです。しかもオリエンタルガールを最後の最後まで追い込む強烈な武器として。
素晴らしい伏線の回収だと思います。わたくしはこれを読んでお見事!と心の底から感心いたしました。と、同時に「凝りすぎだよ。orz」とも。w
フローリアンに特に説明的なセリフを言わせないのも良いですよね。余計なことを言わないからセリフの残酷さと不気味さが増す。

フローリアンはオリエンタルガールが優を想う気持ちを読み取り、もっとも残酷な結末(オリエンタルガールを殺した後に優も殺す)を告げて、肉体だけでなく精神的にも完膚なきまでに打ちのめすつもりなんでしょう。あらゆる面から徹底的に痛めつけ、その上で殺す。情け容赦ありません。(汗
他のアクトレスとは一線を画す本物の悪役としてどこまでも邪悪に振る舞う姿は魅力的です。>フローリアン
もともとはレズビオナを慕っていただけなのに、レイ博士の陰謀とオリエンタルガールの振る舞いを見て、何かが狂ってしまった感があり、ちょっと気の毒ではあるのですけれども。

ただし、この作戦は成功したとは言い難い。オリエンタルガールは戦う使命の欠如という致命的な欠点があるものの、精神的には強靭で、このセリフでむしろ奮い立ち、最後の気力を振り絞ろうとし、そこへシンクロしたように優の能力が発動という流れにつながっております。
このセリフは、オリエンタルガールの最大の弱点、自分の使命についての迷いが吹っ切れるキッカケになっています。
最終話の第14話の冒頭で「優ちゃんに手を出すことは許さないわ!!」と言っていることからも、オリエンタルガールはこのフローリアンの残忍なセリフに心が折れるどころか奮い立ったように見えます。

フローリアンのここら辺の詰めの甘さというか、強大な力に驕って対応を誤ってしまうところは、徳を積みながら?より上位の段階へ到達したクインやクエスとの差ということでしょうか。修行の差ってやつ?
無理やりパワーアップしているので、歪な部分が残っているとも言えるか。

んー、単に成功しなかったエロ漫画だと思っていたはずなのに・・・なんだってこんなに奥が深いんでしょう。w>黄色魔術オリエンタルガール
by namatee_namatee | 2016-07-28 14:38 | book | Comments(13)
Commented by フラフープ at 2016-07-28 15:24 x
レイ博士だけは無いと思ってたのに・・しかもへきるさんの声で再生される、だと?>そういうシーン
Commented by namatee_namatee at 2016-07-28 16:27
>フラフープさま
レイ博士はフローリアンにレイプされちゃいます。すごく短いシーンですのでご安心ください。w
登場人物はみんなナイスバディwですけど、レイ博士も地味な服装と裏腹に(ry

同じころ、オリエンタルガールはレズビオナに凌辱されており、オリエンタルガールを庇う優が襲われ始めるタイミング。エロ漫画らしいところもなくはないですね。>黄色魔術オリエンタルガール
Commented by フラフープ at 2016-07-29 00:00 x
今日もアップ早いですね。お休みで?

ところで、フローリアンは「もともとはレズビオナを慕っていただけ」と本文で言われていますが・・レズビオナをより先に優に手を出そうとするあたり、力に溺れたというより、もとから困ったコだったのでは?w
Commented by namatee_namatee at 2016-07-29 08:54
>フラフープさま
会社で仕事中に書きました。w>このエントリー
いやいや、Windows 10のPCでWindows 10に対応しているのかどうかわからないテキストエディターが動くかテストしていたんですけど、ついでに書いちゃえと。

>フローリアン困ったちゃん説
気性が荒く精神的にも未熟な部分があるように描かれてますね。>フローリアン
第1話の冒頭でここ一ヶ月で行方不明になった女性は3人となっており、優に対するフローリアンの独白で前の3人ではこんな気持ちにならなかった、東洋系の娘を抱くのは初めてと言ってますので、誘拐は全てフローリアンの仕業、そして手を出すのは優が最初ということになりますね。
優が特別な女性である(中身はオリエンタルガール2号だし)という含みもあるのかも。でも後でレズビオナに怒られますよね。w
優を誘拐するのに成功しても怒られる運命にある。w>フローリアン

アクトレスという存在は心身ともに高いレベルにあることで強いという設定があると感じます。それはオリエンタルガールがスペックは充実していても虚ろな心しかないように描かれていて、その彼女が戦いの意義・使命を追求していくのを観るこのストーリーと対になったテーマだなぁ、と思います。
その流れから行くと、レイ博士の手を経ずにいきなり勝手にチューンupしてしまったフローリアンはもともとのやんちゃぶりのまま力だけ手に入れてしまい、心身のバランスが悪い、つまり力に溺れるということだ、と思いました。
そして、同じく心身のバランスの悪いオリエンタルガールと対決するわけで、その点からはこの2人は似た者同士なんですよね。フローリアン自身も同じだと認めていますし。

このストーリーは力を手に入れたけどその力に溺れてしまったのが原因でさらに邪悪な心になってしまったフローリアンと同じく力はあるけど心に迷いがあってその力を発揮できないオリエンタルガールの対比と考えると興味深いです。

残念ながらフローリアンにはそのバランスを改善する機会・手段はありませんでした。フローリアンにあるとすればレズビオナという存在なんですけれども、それを力づくで手に入れようと思ったのが、そもそもの彼女の未熟なところかと。
そして相思相愛の優という存在があったオリエンタルガールに敗北するんですなぁ。良い話だなー。w
Commented by フラフープ at 2016-07-29 23:58 x
諸悪の根源はレズビオナなわけですけど、あれだけの人数を巻き込む彼女の魅力は、あの「技術」だけなんでしょうか?考察しようにも材料が無いか。
Commented by namatee_namatee at 2016-07-30 08:15
> フラフープさま
いやいやいや、レズビオナの魅力はテクニックだけじゃないでしょうよ。w
立派な人格者で指導者にふさわしいカリスマを持ってるのは単行本掲載分にも描かれていると思いますよ。任務を失敗したフローリアンにすら優しく接しているし、レイ博士には一定の尊敬をもっているみたいですし、単なる暴君というわけではない。ただ、そういった振る舞いを誤解してしまう場合(例:フローリアン)もあるというのが罪といえば罪かも。
まあ、そもそも「レズビオナン」という組織の存在自体が悪ということではありますが、これも敵対する立場のオリエンタルガールが言っていることですから(彼女は日本の少女を守るとも言ってるけど(ry)、どこまで本当なのか。w

あとレズビオナのテクニックは「魅力」だけじゃないと思いますよ。あれでアクトレスに「気」を与えるとか、あるいは「使命」を認識させるとか、慰撫するとか、もっと具体的な目的があると考えております。
Commented by フラフープ at 2016-07-30 20:16 x
その寵愛を受けたいがためにレイ博士まで狂わせてしまうのは、一般的に言う人格やカリスマ性では説明のつかない部分なのかな、とも思うんですね。
第5話で登場するカードも不思議です。あれだけ小型化できるなら、紛失のリスクを考えて(実際落としたし)、ブレスレット型にでもすれば良いのに。
Commented by namatee_namatee at 2016-07-30 21:55
>フラフープさま
それはどちらかというとレイ博士に問題があると考えた方が良いのではないかと思います。わたくしはレイ博士が何を考えていたのか理解できてません。
レズビオナとレイ博士はお互いに尊敬し合っているような関係に見えるんですけど、それでいてあんなことをしでかすってのは解せません。
もしかしてお互いにゲームみたいな感覚で、レズビオナはアクトレス、レイ博士はオリエンタルガールを出して戦わせてみたんじゃなかろうな?とも思いましたけど、まあそれはないと思います。w
最終決戦が終わった時に、レイ博士は「終わったわ すべてね」、レズビオナは「優はこんな所にいさせたくないわ それにもう すべて終わったからね」と言います。2人には何かが終わったという共通認識があるわけですけど、それがなんなのかはわかりません。普通に考えれば「フローリアンの反乱」ですけど・・・
そしてレズビオナはレイ博士に対して怒ってもいないんですよね。で、このヒントは未入手の12話にあるような気がするんです。

カードについてはわたくしもよくわかりません。アクトレスの調整はPC(98っぽい)を使うようなので、PCMCIAカード(PCカード)みたいな感覚で設定情報を書き込んでおくものなのかなぁ、と思います。そしてミニスなり優なりの身体的な情報に合致すると起動シークエンスが始まってオリエンタルガールになると。そういう機能を収めるのにブレスレットや指輪ほど小型化できないのかも。

ということはアクトレスは電脳化されている?
電脳化といえばその手の代表的な作品である士郎正宗先生の「攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL」は1989年の作品ですから、1992年の「黄色魔術オリエンタルガール」に影響がないとは言い切れません。

もし続編が描かれることがあるとしたら(ないけど)、電脳空間で戦うオリエンタルガールが見られるかもしれませんね。敵のアクトレスとお互いにクラックしあうとか。少佐がオリエンタルガールと知り合いだったり。w
現実の戦いでも電脳化されたサイボーグやロボット相手だと「黄色魔術 雷電」とかは強力な武器になりそうだし、オリエンタルガールのスピードと技のキレの良さは良い線いくんじゃないでしょうか。w
Commented by namatee_namatee at 2016-07-30 22:02
ちょっとわかりづらい書き方になってしまったかな。
レズビオナとレイ博士の関係は、レズビオナとアクトレスの関係とは違う。アクトレスはレズビオナに洗脳されて従属している可能性があるけど(あくまで可能性でそうだとは言い切れない。フローリアンは洗脳されているとは言い難い。)、レイ博士はそういうことはなさそうなので、ことを起こすとしたらレイ博士の意思によるもので、そこに問題があるのだという意味です。
Commented by フラフープ at 2016-07-31 16:19 x
なるほど。アクトレスは半洗脳状態にあると考えれば、僕の疑問については色々と合点がいきます。
作中で一度もレズビオナの「指導」を受けた描写のないフローリアンとレイ博士は、実際に「指導」を受ける機会が(理由は不明ですが)少なくて、良くも悪くも自由意思に近いものを持ち得た。それにより、フローリアンは力と権力を、レイ博士はレズビオナからの本当の愛を欲した、とも読める。深い。w
いやあ、本当にヒマですね、僕たち。w
Commented by namatee_namatee at 2016-07-31 17:42
>フラフープさま
いやもう、やるんならどこまでも真剣にやらないとむしろ格好悪いと思うんですよ。w

フローリアンは登場時点ではどうでも良いと思われていた下級アクトレスなんだと思います。ワイトやナースにも蔑まれている描写がありますし。
それでまだレズビオナやクインに素質とか素性みたいなものが知られていないとか認識されてないとかで、取るに足らない存在として甘く見られていた。レイ博士もそのガッツというか、強烈な野心みたいものとアクトレスとしての潜在的な適性を読み取れず、それが後々の禍根になる。
最初にオリエンタルガールに一蹴された時点でその素性を見抜いて、完全に無力化しておけばあんな騒動にならなかったのに。
レズビオナとレイ博士が「終わった」と言っているのは、フローリアンのそういった素質や素性を見抜けずに起きてしまったことに対する後悔とか反省なのかもしれません。

このネタを始めてから一貫して主張しているんですけど、フローリアンは悪役ではありますけど、気の毒でもあるんですよ。
ある意味で主役の優、もちろんヒロインのオリエンタルガール(=ミニス)の2人は苦闘の代償を得ることができましたけど、フローリアンは全てを失ってしまう。そもそもが優とオリエンタルガールの2人がいる限り、絶対に勝ち目がないんですよ。この2人が揃っている状況ではなにをどうしても勝てません。
動機に関して、レイ博士の陰謀と意図したものではないにせよオリエンタルガールの心の虚無が大きな影響があるので、なおさら気の毒と思えます。
せめてレズビオナがフローリアンの事情と心意気を汲んで、寛大な処置をしてくれることを祈りたい。たぶんそうしてくれると思いますけど。

いや、マジで深いですから。>黄色魔術オリエンタルガール
Commented by フラフープ at 2016-07-31 21:55 x
この全体に漂う仏教臭は、何か意味があるように思えてならないのですが、僕には分からない。w気になるけど、今は仕方ないですね。
またの機会に、コミック未収録分も読ませてくださいね?まあ頼まなくても持って来そうですけど。w
Commented by namatee_namatee at 2016-08-01 07:50
>フラフープさま
仏教臭かどうかはわかりませんけど、パッと見た作品の印象に不釣り合いなほど力が入ったストーリー・シチュエーションだと感じます。>黄色魔術オリエンタルガール
おそらくほとんどの読者はここまで深く練られた作品だとは思わなかったんじゃないかと・・・それを20数年経ってほじくり返す歓びといったら(ry

この作品がうまくいかなかったことが、完顔阿骨打先生の後の作品にどういう影響を与えたのかも研究wのテーマになりますね。

未収録分は第12話が手に入ったら・・・
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