パーフェクト・オリエンタルガール

c0019089_2124249.jpg

やあ (´・ω・`)
このテキーラはサービスだから、まず飲んで落ち着いて欲しい。

うん、「また」なんだ。済まない。
仏の顔もって言うしね、謝って許してもらおうとも思っていない。

でも、このタイトルを見たとき、君は、きっと言葉では言い表せない
「ときめき」みたいなものを感じてくれたと思う。
殺伐とした世の中で、そういう気持ちを忘れないで欲しい
そう思って、このエントリーを書いたんだ。

じゃあ、注文を聞こうか。

バーボン懐かしいよ、バーボン。昔はよく引っかかったなぁ。w
というわけで、またしても「黄色魔術オリエンタルガール」ネタ。今回は単行本に収録されていて、かろうじて我々も読める範囲でのクライマックス、クインvsオリエンタルガールの戦いとその影響についてであります。

この戦いで最強のアクトレスだったはずのオリエンタルガールは敗北してしまいます。その敗因について大まかなところはすでに書きました
追加するとすれば、戦いの性格の違いのようなものが認められるということ。
緒戦のフローリアンとの対決、次のワイト&ナース戦、このレベルの戦いの場合、オリエンタルガールは基本的に先手を取り、有利な立場から戦いに臨んでおります。
この2戦では優を付け狙うレズビオナンのアクトレスの動きを絶妙なタイミングで阻止しており、これはつまり事前に誰が誰をどういうタイミングで狙うかを知っていたにほかなりません。つまりオリエンタルガールは優あるいはアクトレスを見張り、尾行していたということでしょう。
情報源と作戦の立案はもちろんレイ博士。オリエンタルガールはレイ博士の指示に従って優を見張り、レズビオナンのアクトレスが出現するとこれを撃破する。もちろん対戦相手の情報もしっかり把握している。その上でオリエンタルガール自身のポテンシャルも十分に高い。実に巧みな戦略です。事件が起きてからあたふたと対応する、そんじょそこらのヒーロー・ヒロインとは一味違うんですよ。w>オリエンタルガール

ちょっと話がそれますけど、そういったわけで実はオリエンタルガールはいわゆる正義の味方ではありません。レイ博士の手先です。一応、日本の少女を守ると宣言しておりますので、正義の味方っぽく見えますけど、実際はレイ博士の個人的な目的のために働いているにすぎません。レイ博士の目的はレズビオナの寵愛を独り占めするために他のアクトレスを無力化することなので、その行動は間接的にレズビオナンの悪行(少女をさらって手下にする)を妨害することになり、日本の少女を守るという宣言は完全に嘘というわけではない・・・かなり苦しいですけど、結果はそうなりますね。

余談はとにかく、3戦目のクエスとの戦いではどうだったか。レイ博士からの情報で次の相手がクエスだというのはわかっていました。オリエンタルガールはクエスのデーターに目を通しており、対戦相手のスペックは把握しております。
にもかかわらず、今回は出遅れます。クエスは優の家の屋根の上でオリエンタルガールを待っている。

その時クエスのセリフは「遅かったわね オリエンタルガール」です。クエスはなんていうか、素直な娘のようで、待っている間に優を捕えたり襲ったりはしていません。クインもそうですけど、レベルの高いアクトレスはかなり気高く正々堂々と戦うことを信条にしているようです。陰謀を巡らしたり尾行したりしているレイ博士やオリエンタルガールとは正反対に正々堂々としているんですよ。w

それはそれ。オリエンタルガールはなぜ出遅れたのか。かなり細かい話になりますけど、オリエンタルガールにやられたワイト&ナースが帰還したときに、レズビオナがクエスに出撃を許可する描写があります。そのころ、オリエンタルガールはミニスの状態で調整を受けています。そしてレイ博士は調整が終わったミニスに次の相手はクエスだと告げる。レイ博士がその情報をどこからどうやって手に入れたのかはわからないんですけど、レイ博士の部屋のコンソールみたいなものを操作しながら言っているので、各アクトレスの状態を把握するボードのようなものがあるのか、盗聴しているのか・・・いずれにせよ、リアルタイムに近い情報のようです。
となると、ミニスの調整が終わるのとほぼ同時にクエスの出撃がわかったわけです。そしてクエスのデーターに目を通したりしているうちに当のクエスは出撃していき、ミニスはオリエンタルガールに変身してその後を追うという展開です。
要するにオリエンタルガールはワイト&ナースの戦いのダメージを修復していて出遅れたと考えるのが自然でしょう。

またしても話がそれますけど、レイ博士はオリエンタルガールの調整に関しては慎重を期すようです。必要な処置は戦闘での優位が失われかねなくても施す。ミニスのことをどう思っているのかはわかりませんけど、「オリエンタルガール」についてはその能力維持にはかなり気を使う人のようです。

ここで「黄色魔術オリエンタルガール」の戦いの流れを整理しておくと。

1日目:(夜)フローリアン戦
2日目:(朝8時過ぎ)ワイト&ナース戦
2日目:(夜)クエス戦
3日目:(夜)クイン戦
1週間後:強化フローリアン戦

考えてみれば、オリエンタルガールはフローリアン戦の翌日(朝)にワイト&ナースと対戦、その夜にはクエスとの対戦と連戦なんですよね。そしてその次の日の夜にはクインとの対決・・・単独で多数のアクトレスを相手にしなければならない辛さがありますね。調整に時間を取られて出撃が次第に遅れていくのも無理はない。
さらに話がそれますけど「黄色魔術オリエンタルガール」はメインは10日かそこらのお話なんですよ。家に戻った優の机の上にカードが届けられた日までいれても1か月ぐらいの間のお話。やっぱり儚いなぁ。>オリエンタルガール

そしていよいよ通常型アクトレス?最強のクインとの対決。
タイミング的には上に書きましたように、クエスとの戦いの翌日の夜です。オリエンタルガールに敗北したクエスが担ぎ込まれて、妹に対するオリエンタルガールの仕打ちにクインは激昂します。レイ博士はスキニーとザミアにクインが勝手に飛び出さないように監視を命じる。
この時、おそらくオリエンタルガールは調整に入っている。連戦なので調整というよりは疲労回復の処置かもしれません。レイ博士がクインの足止めを謀るのはその時間稼ぎの意味もあるのでしょう。

ついにクインはスキニーとザミアの監視を振り切って飛び出します。妹の復讐の念に燃えてエキサイト・・・と思いきや、意外に冷静です。優の部屋にまったく気づかれることなく侵入して優を拉致。拉致と言ってもフローリアンやワイト&ナースのように乱暴を働くこともなく、同行を求めるという紳士的?な対応です。優ももう慣れたのか抵抗もせずにおとなしくクインに従います。
クインはいかにも武人という感じで、物事をわきまえた人物のようです。妹の仇をとるという執念に燃えてはいますけど、行動そのものはあくまで理性的。レズビオナの指令はオリエンタルガールと優を傷つけずに自分の前に連れてくることですから、それを忠実に守っているというのもあります。それはそれで任務に忠実という点で優れた兵士ということです。
やはりアクトレスは格式が上がるにつれて人格も高尚になっていく、もしくはそのような人格者でないと真に一流のアクトレスにはなれないのかもしれません。アクトレスは悪役なのに、そうは思えなくなってまいります。w

さらに話がそれますけど、「黄色魔術オリエンタルガール」を最初に読んだ時、敵を倒してもとどめをさそうとしないのがどうにも違和感があり、不自然な展開だなぁと思っておりました。でも、よく読んでみると、それはレズビオナン側ではレズビオナの意向があり、オリエンタルガール側では行動不能にすればあとはレイ博士が「調整」してしまうので、そこまでする必要がないのですね。レイ博士も手塩にかけたアクトレスの命を奪うのは本意ではないし、もとより陰謀の目的がアクトレスの絶滅ではない。ここら辺、よく読まないと分かりづらいんですけど筋は通っているんですよ。

さて、クインは優を連れてレズビオナンの本拠地の真上に移動する。オリエンタルガールに敗れた妹のクエスはオリエンタルガールの手によってそこへ運ばれたとのこと。ここにいればオリエンタルガールは必ず見つけてやってくるという。
もうおわかりの通り、オリエンタルガールは緒戦のころの有利な立場が全くありません。有利どころかクインにおびき出された形になっちゃってます。
前述の通り、クインは武人気質で高潔なアクトレスなのでオリエンタルガールをおびき出して罠にかけるような卑怯な手は使いませんけど、優はクインの手の中にあるわけですし、オリエンタルガールは心理的に不利な追いつめられた感は否めません。
以前書きました「敗因」に加えて、先手を取られ精神的に余裕のない状態では、いくら能力で上回っていても勝てない。基本的な能力を「気」や「念」の充実度合いで本来のスペックを上回ることがあるのでしょう。「黄色魔術オリエンタルガール」ではこの「気」とか「念」が重要な概念として描かれており、これは陳腐と言っても良い概念ではありますけれども、この物語の中ではこのオリエンタルガールの敗因のように有効に表現され蓋然性を持っております。何度も言いますけど意外に奥が深いんですよ。>黄色魔術オリエンタルガール

対決の詳細については別な折に。
全体的にオリエンタルガールの劣勢で推移し、最終的にショックナックルで大ダメージを受けたオリエンタルガールは優の目の前で地上に落ちて動けなくなってしまいます。
この時点のオリエンタルガールが優に対してどのような気持ちを持っていたのか、これが次の強化フローリアンとの最終決戦に影響をもたらします。
この件については参考までにこちらAこちらBをどうぞ。
Aはクイン戦の途中、クインに殴られて地面に落ちた時、心配する優に対するセリフ。
Bは最終決戦、強化フローリアンとの対決で必殺技の「M16」を放った後、パワーダウンを心配した優に対する態度。
後者の方が明らかに優に親愛の情や信頼感を持っているのがわかります。前者はかなりそっけなく、あるレベルから先に踏み込ませない他人行儀とでもいうのか、信頼していない感があるように見えます。むしろ例の能力で妨害されないか警戒している様子すらある。
この変化はどこからもたらせられたのか。クエス戦のあたりからオリエンタルガールの態度に変化が現れているのですけれども、このクイン戦の最終局面、優がオリエンタルガール2号に変身したあたりで、明確な変化のきっかけがみられます。実は優のオリエンタルガール2号がクインを圧倒するあたりでオリエンタルガールはダメージから少し立ち直って意識が戻っており、優がクインを圧倒するのを目撃しております。そして力を過密させすぎる優の心配をしている。ここら辺で同類というか、それまでの守る対象、もしくは極端にいうとアクトレスをおびき出す餌にすぎなかった優に対して、一緒に戦える仲間として認識して信頼し、本当に守りたい対象とし始めたのではないかと思われます。

オリエンタルガールが優を本当に守りたい対象とし始めた、その証拠があります。この戦いの後に優と一緒に拉致され、レズビオナの性技でひどい目にあうオリエンタルガールですけど、心は折れずに最後まで抵抗し続けます。それは1週間に及ぶのですけれども、いくら責め立てても正体を明かさないし、自分のものにならないオリエンタルガールを諦めたのか、レズビオナはついに優に迫ろうとする。
その時にオリエンタルガールは息も絶え絶えながら「そ その手・・・を離しな・・・さい まだ・・・私が・・・貴方のものになってない・・・わよ 私の正体・・・を知りたいん・・・じゃなかったのか?」と優に迫るレズビオナを止めようとします。
オリエンタルガールにとって優がどうでも良い存在ならば、レズビオナの責めの対象が自分から優に移るのはむしろ喜ぶべきこと。優がやられている間に体力・気力を回復するチャンスです。にもかかわらず、レズビオナが優に向かうのを止めようとしました。これはそれまでアクトレスをおびき出す餌に過ぎなかった優を、オリエンタルガールは自分の身を挺して守る対象と認識したことに他なりません。
ここにおいて、オリエンタルガールはついに本当に自分が守るべき対象を見つけ、戦うことに意義を見出すことができたのでしょう。パーフェクト・オリエンタルガールの条件は揃いました。

そしてレスでいただいた情報によると、強化フローリアンとの最終決戦の前半、優のために自発的に戦い始めたオリエンタルガールはフローリアンに押され気味になりますけど、後半戦で優はその能力をもって加勢し、最終必殺技の「M16」を発動可能にします。優は単に守られるだけの存在ではなく、場合によってはオリジナルのオリエンタルガール以上の能力とパワーを持つので、この二人の組み合わせは手強いですよ。w

その二人がかりでやっと倒すことができたという強化フローリアンはどれだけ強いのかと。最終兵器の「M16」ですら打ち消してしまいます。
この「M16」が打ち消されてしまうシーン、最初に見た時は「M16」は直接的な効果はなく、「崩壊」はフローリアンの自滅だったのかと思ったんですけど、何度か読み返しているうちに、やはり効果はあったと考え直しました。フローリアンの放つ「念」とか「気」のようなものが、あまり効果がないように見えるからです。「M16」を打ち消した後、優とオリエンタルガールにその「念」だか「気」を放ち、オリエンタルガールは優をかばって右半身に直撃を受けますけど、行動不能にはなっていない。すぐに動けないのは体力を消耗していたからで、打撃のせいではない。二撃目は間に割って入ったレズビオナが受けていますけど、これも浅い。その直後に3発目をオリエンタルガールをかばう優に放とうとしたところで崩壊が始まります。どうも「M16」のダメージが時間差で効いていたようです。
オリエンタルガールは怪我はしたものの、無理なく優を送っていくだけの力はありましたので、やはりフローリアンのパワーダウンがあり、崩壊が始まらなくても敗北は時間の問題だったと思います。

そして最後の場面、オリエンタルガールはなにか言いかける優の口をキスで塞ぎ眠らせてしまいます。そこでオリエンタルガールは「ごめんなさい」というのですけど、これが何を意味するのか。いまさらダシにしたことを謝る意味はないでしょうから、これは優の気持ち(レズビオナンに残ることになっても一緒にいたい)を理解した上で、受け止めることはできないという決断によるものでしょう。最後まで筋の通った良いお話なんですよ。>黄色魔術オリエンタルガール
繰り返しになりますけど、さっと読んだだけではなんだかはっきりしない展開の中途半端な作品に感じるんですけど、よく読み込んでみると細部まで描き込まれており、世界観の中で矛盾は少ない。それに気付いたのは最強で負けるはずのないオリエンタルガールがクインに負ける、その敗因を検討したところからでした。美しく凛々しいオリエンタルガールに欠けていたもの、それは何か。これを軸に見直してみると、とても味わい深く細部までよく考えられたストーリーとプロットだと感じます。正直、最初はもっとテキトーな話だと思っていたんですよ。予想外の印象の変化に自分で驚いております。

完顔阿骨打先生は「黄色魔術オリエンタルガール」は最初に想定した通りに最後まで描いたとおっしゃってました。第一印象と異なる、この味わい深い作品を生み出すというのは、大変な才能と技術だと思います。

図はクイン戦でオリエンタルガールが敗北した時のレイ博士。「黄色魔術オリエンタルガール」単行本 第8話より。
レイ博士は飛行するカメラ(今で言う所のドローン)でオリエンタルガールの戦いを観測しているんですけど、そのモニターで倒れたオリエンタルガールに向かって叫ぶ様子。
このオリエンタルガールを自分の手駒としか見ていない冷酷な感じが最高です。萌える。w

クインにやられたオリエンタルガールは実は三味線を弾いていたんじゃないかとか、戦力をダラダラと投入し続けたレズビオナの戦略の是非とか、まだネタはありますが、いくらなんでも長すぎますので、また別な機会に。w
by namatee_namatee | 2016-07-15 22:28 | book | Comments(4)
Commented by フラフープ at 2016-07-15 23:51 x
序盤のテキーラのくだりも、分かる人には分かる元ネタがあるんでしょうね。w
みろくさんのおかげで、いろいろなピースがはまろうとしていますね。さぞやりがいを感じていることでしょう。頑張ってください。
Commented by namatee_namatee at 2016-07-16 08:45
>フラフープさま
バーボンハウス知らないとか、世代のギャップを感じます。w

例えば「椎名へきる アイドル声優時代のニャンニャン写真流出!」なんていうタイトルのリンクがあったとします。まあ我々なら踏みますよね。
で、開かれたページやスレの先頭に「やあ (´・ω・`)」で始まるこの文章がある、と。w
正確には「やあ (´・ω・`)」のあとに「ようこそ、バーボンハウスへ。」ってはいるんですけど。変な下心でリンク踏んだらこれが出てくる。悔しいでしょう。w

「また騙されたわけだが」でダム板に飛ばされるのと同じ系統の釣りネタですね。まあわたしなんて数限りなく見てきましたので、もう悔しくもなんともありませんけど。
Commented by フラフープ at 2016-07-17 00:18 x
ガルパンのミカに言わせてみたい、なかなか味のある文面ですね。釣られた人はムカつくでしょうけど。それにしても、こういうものを作り出すセンスと情熱を、何故もっと生産的な活動に(ry

そんなリンクがあったら、確実にクリックですね(どういう心情かはともかく)。そして、バーボンハウスの文面を見て、大学選抜戦後の両家元のような深い深いため息をつくんでしょうね(どういう心情かはともかく)。>へきるさんの流出写真
Commented by namatee_namatee at 2016-07-18 08:00
>フラフープさま
ある時期の某巨大掲示板は必要だからとか無駄とか、そういう理屈に左右されない、才能の無駄遣いを尊いものとする文化がありました。だからわたくしは某巨大掲示板を愛しているのです。w

ミカのセリフってもしかしたらすでに釣りスレやツイートで使われているかもしれません。w
名前
URL
画像認証
削除用パスワード


<< 重箱の隅 夢見 >>