進歩とは?

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例によって崩壊した本棚から出てきた本。「ブラウン神父の醜聞:G.K.チェスタトン」創元推理文庫でございます。奥付を見ると1979年4月20日16版とあります。初版は1961年とな。

わたくしが中学生か高校生になったころに買ったものと思われます。>遠い目
なんだってまた中高生がこんな渋い推理小説を買ったのか。それにはちゃんと理由がありまして。

きっかけは和田慎二先生の漫画です。親戚が床屋さんで、遊びに行った時に待合室で読んだ「別冊マーガレット」にたまたま掲載されていた和田慎二先生の「超少女明日香」という漫画。それの冒頭にブラウン神父の言葉が引用されておりました。「ブラウン神父の復活」だったと思うんですけど「わたしは奇跡を信じています。それが必要な時にどこへ探しに行ったら良いか知っています」(うろ覚え)というような言葉が冒頭のシーンに書かれておりました。今思えば、特に「超少女明日香」のストーリーには関係なく、和田先生のお気に入りの言葉だったんでしょう。あるいはハッタリ。w

これがすごく印象に残りましてね。いや「超少女明日香」の方がより強く印象に残ったのはもちろんですけれども。w
当時、小学生高学年〜中学生ぐらいだったと思いますけど、そのころの男子は女性が主人公の漫画に触れる機会は少なかった。「超少女明日香」を読んだ時の衝撃、胸のトキメキは今でも思い出します。
だって普段はちんちくりんの冴えない女の子が、何かあった時にはクールビューティーなヒロインに変身して超能力で戦うんですぜ。わたくしは男性が主役の特撮のウルトラマンとか仮面ライダーとかには全く興味はありませんでしたけど、このシチュエーションには萌えました。今思うと文字通りの意味での「萌」ですなぁ。
親戚の家から帰れば当然その「別冊マーガレット」は読めなくなるわけです。萌え上がったトキメキが止まらず、もう居ても立っても居られない。w
今だったらその「別冊マーガレット」を頂戴とかいってもらってきちゃうところですけど、当時はウブな少年でしたからねぇ。悶々としながら帰宅したのを覚えております。今だったら即、Amazonで検索して単行本をポチっちゃうところですけど、当時はそのような便利な仕組みがあるはずもなく。近所の本屋さんでコミックスの単行本の棚を眺めて偶然見つかるのを期待することしかできませんでした。
そんなわけで「超少女明日香」の単行本を手に入れたのは実に数年後。下手するとタイトルもうろ覚えになるぐらい後の事でしたよ。
そういったわけで少女漫画好きはここら辺から始まるのでした。前にネタにしましたけど柴田昌弘先生の「紅い牙」シリーズもその流れ。
まあ、今と違ってわたくしにも恥や外聞がありましたので、少女漫画のヒロインにハマっているなどとは公言できませんでしたね。w
考えてみればいまよりずっと「オタク気質」っていうか「オタク」だったんですよ。>中高生の頃のわたくし

それはそれ。ブラウン神父のお話。このシリーズは5冊ぐらいありまして、「超少女明日香」の例のセリフがどれに入っているのかがよくわからず、仕方なしに全部買って全部読みました。今も昔もやっていることはあまり変わらないですなぁ。w
で、「ブラウン神父の復活」にそれらしいセリフが出てきた(実はうろ覚え。手元にないので確認できず)のですけど、今となってはそのセリフそのものやストーリーよりも、この「ブラウン神父の醜聞」の最初の一遍、その名も「ブラウン神父の醜聞」の方が興味深い。
詳細は端折りますけど、「ブラウン神父の醜聞」ではブラウン神父が解決にからんだ事件の結果を米国人の新聞記者が誤解して、いわば誤報を自社に電報で送っちゃう。で、その誤報が新聞になって世界中に広まってしまうんですね。ブラウン神父の説明で事の真相を理解した新聞記者はすぐに訂正の記事を送り、それも新聞記事になるんですけど、世界中に広まってしまった誤報は人々がそれを真実だと信じてしまい、訂正記事は読まれず、簡単には訂正されることはない。誤報と訂正記事はずっと時間差を保ったまま、世界を駆け巡る、みたいなお話です。そのバカバカしさに限りなく皮肉な目を向けておりますね。>ブラウン神父(=チェスタトン氏)

これは今でもあまりかわらんな、と。わたくしの身近なところでは椎名さんネタで(例の「アーティスト宣言」とか音痴ネタとかレビューネタとか)、意図的なのかその気がないのか、古い情報のままで一向にそれを更新することorつもりのない人っていますけど、あれもこの手と同類の話だな、と。
ちなみに「ブラウン神父の醜聞」は1935年の作品であります。w
by namatee_namatee | 2016-02-26 21:36 | book | Comments(2)
Commented by at 2016-02-27 23:34 x
まるで現在はオタクではないというような。
Commented by namatee_namatee at 2016-02-28 17:11
>暴さま
「〜オタク」というのはマイブームの一種みたいなもんで、その人そのものを表すことではない、というのが持論でございます。
が、気質みたいなのは確かにありますね。勿論わたくしはオタク気質の持ち主であります。w
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