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「ヨコハマ買い出し紀行」最終巻第134話「ラジオ」より。
・・・ダメだ、最終巻は泣ける話が多くて、ネタのためにパラパラと読んだだけで涙が(ry

アルファー室長、大人の魅力だなぁ。「カブのイサキ」のシロさんに通じる雰囲気があって、でもシロさんほどくだけてなくて、よろしいですなぁ。w

気を取り直して。w
結局のところ、「ヨコハマ買い出し紀行」の謎は「人類が衰退あるいは滅亡に瀕している原因は何か」に始まり、それに終わるような気がしますね。それに伴って出てくるのが「ロボットの人はなぜ作られたのか」ですか。「ターポンは何のために飛んでいるのか」なんてのもこのレベルの謎でしょうか。
そして、この「人類が衰退あるいは滅亡に瀕している原因は何か」については作中では一切触れられることはないので、完全に読者の推測によることになります。

アルファさんは「時代の黄昏」とは言ってますけど人類が滅亡するとは実は語られてはいないんですけどね。解釈によっては別に人が全滅するとかではなくて、現代のような社会構造が立ち行かなくなったということと捉えることもできますね。アルファさんのスクーターにナンバーがないこととかノーヘルなこととか、社会の構造が破綻してしまっているということをなんとなく象徴的に描写されているような気もしますね。
まあここは定説に従って、人類は滅亡に瀕しているとしておきます。

ではその原因は何かということになるわけですけど、前述の通り全く語られていないので、これ幸いと妄想をぶちまけようというのが、本日のネタでございます。w

これも定説ですけど、気候の急激な変化があったと言われてますね。これはおそらく現代でも問題になっている温暖化のことで、それが原因で海面が上昇したと。気温が上昇すると世界的な農業生産に大きな影響があることは前に書きました。その影響は人間用の穀物だけでなく、家畜用の飼料にも大きく、結局のところは食料危機の引き金になる。
温暖化は極端な気象現象も伴いますので、干ばつとか洪水など、環境はどんどん悪化していきます。
これらに加えて、資源獲得のための競争も激しくなります。温暖化が資源の浪費の結果と考えるのなら、それはあり得ることでしょう。
こういった事象が積み重なった結果、何が起きたか。そりゃ、もちろん戦争ですよ。人類は古今東西、ずっと戦争し続けてきたんですから、これだけ条件が揃ったらおっぱじめないわけがありません。w
もう一つの推論としては、戦争が先にあって、それによって使われた気象兵器のようなものや核兵器の影響で気候の急な変化がもたらされたというのもありそうです。

いずれにせよ、理屈や理想から行けば、人類はその叡智を結集して温暖化の抑制に努力し克服する、というようなことなんでしょうけど、そんな都合よくいくわけがないのは、最近の国際情勢を見れば一目瞭然。
その結果、ココ・ヘクマティアルが「ヨルムンガンド」を発動していない世界では人類は自らが招いた温暖化、そして戦争で大きなダメージを受けて滅亡する。ただ、一般的に描かれるように急激に滅亡していくのではなく、ある程度の時間をかけてゆっくりと滅亡していくのが「ヨコハマ買い出し紀行」の世界なのでしょう。もっともこれは描き方の問題で、どんな場合でも瞬時に人間が死んだり消失するわけはありませんから、それをゆっくり描くか、経過を飛ばして結果を重視して描くかの違いかもしれませんね。

とりあえず「お祭りのようだった」世の中は落ち着き、人々に平和が戻ってきたわけですけど、とにかく人類は衰退していくことになる。その状況で「ロボットの人」は開発されたようです。そんなものにリソースを割かずに、温暖化の抑制なり人類の再生に使えよと思うのですけれど、それをしない・出来ないということは何らの理由や原因があって、もはや手遅れという状況になっているのでしょう。
逆に言えば、そんな状況なのに開発しようとした「ロボットの人」って何者?ということになるわけでして。
これまた定説なのですけど、「ロボットの人」に人類の未来を託し、人類が存在した痕跡として残していきたいという思いがあったとされます。
これなー、考えようによってはすごく身勝手な話なんですよね。自分たちでしくじったのに、その結果をロボットの人を作って、彼女彼らに押し付けようとしているわけですから。ましてや、そのロボットの人ってのが人間と変わらないどころか、妙に感覚的だったりして、しかもスペックの限界を超えて成長しちゃうほどのポテンシャルを持っている。
人間がいた痕跡としての存在なら、そういう機能や性能は必要ないでしょう。省燃費で丈夫ならことは足りるはず。にもかかわらず、前述の通り、人間以上に人間らしい存在なのは作中で描かれた通りです。

これが何を意味しているのか。人類は切羽詰まった状態だったはずなのに、無駄に高性能な「ロボットの人」を作ったのはなぜか。
実は「ロボットの人」の量産機のA7M3は大したことない性能を想定していたんじゃないかというのがわたくしの説であります。人間の社会に溶け込み、プログラムされた範囲で柔軟に物事に対応して、長いことそれを続ける。そういう存在として量産されたのではないか。精神的な成長とかはしない。我々の親しんでいる機械と同じですね。目の前にあるPioneerのポタアンと同じです。XPA-700は次第に劣化していきますけど、ファームウェアが経験を積んで勝手に機能が増えたりはしません。そういうことされるとむしろ困ります。w
本来のA7M3はそういう存在だったのではないかと思います。

ではA7M1やA7M2はなぜあんなに人間らしいのか。まあプロトタイプと量産試作機だからでしょう。身も蓋もありませんけど。w
もしかしてロボットの人は最初は人類の後継として作られたのではないのかもしれません。もともとはわたくしたちが現代でもよく見ることのある(まだ実用化されてませんけど)アンドロイドやガイノイドのように、人間と並立して存在する存在というコンセプトだったのかもしれません。基礎研究からコンセプトの策定あたりまで進んでいた状態で、前述の人類滅亡の危機がやってきちゃった。
それでA7M1とA7M2を経由しながらも大慌てで量産化を進めたのがA7M3だったのではないかと思います。まさに普及型。
ただし、多少なりとも開発が進んだ結果、肉体的というのか機構的にはA7M1やA7M2よりは進化したものになったと。その代わりA7M1やA7M2のようにきめ細やかな精神とか心のようなものは持たなかった。そういう部分はPCで言うところのBIOSとかOSみたいなもので、メカニカルとか肉体的な部分より開発に時間がかかったのではないでしょうか。あるいは普及型ということと、余計なことをしないことを期待されて、意図的にグレードの低いソフトウェアが使われたのかもしれません。

その部分の最終的な開発はA7M2で行われたと思います。A7M1のアルファー室長はすでにターポンの上の人になっていたから。そのA7M2での開発こそが、アルファさんが覚えている初期の初瀬野邸でのあの「赤い」とか言っている時だと思います。つまり、公式なA7M2の開発が終わってからの初瀬野先生のアンダーグランドっぽい研究開発だと。

ちょっと話を変えてA7M3のポテンシャルはどうだったのか。A7M2の簡略型だったのかどうかですね。私は、おそらくA7M2と同等以上の潜在能力を持っていると思います。普及型ではあるけれども簡略型ではない。理由としては量産したにしては数が少ないから。あと簡略化するよりも急いで量産化したかったのではないかと推測するから。あまり根拠はありませんけど。w
それに加えて開発する側の都合もあったのかもしれません。もともとは人間のパートナーとしてのコンセプトだったのを、その人間を看取り、後々まで痕跡を残すためだけに存在するという方向に変えるというのは、上に書いたように身勝手にも見える話で、開発に携わった人々には納得のいかないことだった可能性があります。なので簡略型としてのA7M3の開発に抵抗したかもしれません。簡略型は次のA7M4で、とか言ってA7M3のダウングレードを巧妙に避けたとかね。w
いずれにせよ、切羽詰まった状況ということで、結局のところはハードウェアとしてはA7M2と同等の仕様でリリースされたのではないかと思います。>A7M3

で、A7M2のアルファさんで開発されていたOSみたいなもの+初瀬野先生がどこかで(他のA7M2のところかも)さらに開発を進めたVerのOSが合体したものが、「おてもと便」を介してA7M3のココネから伝播していったというのがわたくしの唱える「初瀬野先生の陰謀」であります。w
A7M3はA7M2と同等のスペックを持っているので、最新VerのOSをインストールすることができたのでした。

というわけで、眠くなってきたので続きは次の機会に。w
by namatee_namatee | 2015-11-13 22:57 | book | Comments(7)
Commented by フラフープ at 2015-11-14 14:34 x
最終話の「『まだ』あったかい」という表現に(滅亡への)そこはかとない予感が漂っているやうな。いないやうな。
やっぱり室長が一番。もしかしたら「ラジオ」の時点では艦長かもですけど(笑えない)。
青い灯は出ないこともあるんですね。それに、ラジオの音がターポンに聞こえているというのは、何かの比喩と考えるべきなのかどうか、併せて気になりますけど、考えがまとまりません。w
Commented by namatee_namatee at 2015-11-14 17:33
>フラフープさま
最初に読んだ時は「まだあったかい〜」で泣きましたよ。号泣。w
人類の目線で見ると悲しくて虚しい話ですけど、ロボットの人の立ち位置で考えれば、まあ我慢できるかなと思えます。>ヨコハマ買い出し紀行のシチュエーションとストーリー

青い灯が出ない時とは?
ちょっと意味がわかりません。

ラジオの件は地上とターポンの中の断絶を印象付けるために描かれたのではないでしょうか。
Commented by フラフープ at 2015-11-14 18:08 x
「町や道をなぞるように青い灯が現れる『ことがある』」とあるので、現れないこともある・・というより、現れることの方が少なそうな表現です。にも関わらず、地上は真っ青なのだなあ、という意味です。
あと「どんな目にあっているのだろうか」と言っている割には「人の気配が伝わってくる」とか「能天気なラジオの音が流れてくる」とか、妙に具体的というか生々しい表現がありますよね。青い灯や気象を観測するだけでなく、音やにおいなどの情報を得るすべがあるのではないか、と疑ってしまいます。
Commented by uwabaminoago at 2015-11-14 20:26 x
>なまさん
シロさんと室長、どちらが魅力的か?これは答えられませんw こういう各年齢の人物の性格描写が上手ですね。>芦奈野先生

例えば、エジプトのピラミッドなんかはいまだにあの時代の人間の痕跡として残っています。
夕凪の時代の前の時代における人類がその痕跡としての理由だけであそこまでのロボットをつくったというのには私も疑問に感じます。そもそもアンドロイドであるという必然性が微妙です。極端な話、文明の証を残すなら、例えばその時代の技術を石版(紙だと風化しそう)に掘る、とかでもよさそうですしね。であるからして、やはり私もたそれだけの理由だとはどうしても思えません。>ロボットの人の開発
Commented by namatee_namatee at 2015-11-14 22:17
>uwabaminoagoさま
のちの世代に何かを残すとしたら、文字とか絵とか、今だったら動画とか・・・「夕凪の時代」にはあんな高性能なカメラがあるんですから、それこそ雰囲気や匂いまで何らかの形で記録して残すことは可能だったはずでしょう。
それをせずに、ロボットの人という形をとったのはなぜか。またしも謎が増えてしまいました。w
匂いとか雰囲気とか音とか、そういうものを記録しようとすると人間そのもの、ひいてはロボットの人になるというのも「ヨコハマ買い出し紀行」のテーマの一つですけど、それは人類の痕跡を残すというのとはまた違った方面の話のような気がします。
Commented by namatee_namatee at 2015-11-15 18:36
>フラフープさま
おっと、見落としてました。(汗
まるほど、そういうことですか。どういう仕組みなのかますますわからなくなってきますね。

気温とか水温、気圧、そんな単純なものだけを観測しているはずはないですよね。>ターポン
ターポンの地上の支援施設が全滅しているのは確実。となると、自力で空から地上を走査してわかる範囲のことがらは何か、となると・・・衛星から地上の様子は相当の解像度(30cmぐらい?)で見れるらしいので、ターポンからだともっと詳しい情報(あの時代のカメラの発達具合を考えると人の顔の判別ぐらいできそう)が手に入るはず。
にもかかわらず、気配しか察知できないというのは解せませんね。
Commented by シロ(uwbaminoago) at 2015-11-16 08:15 x
>なまさん
そうなんですよ。>人類の痕跡
だから、痕跡を残すためだけではないと思うんですよね。>ロボットの人
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