女神たちのインパクト

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興味のない人にはまったくなんだかわからない半導体の図。
これはBurr-Brown(現Texas Instruments)のオペアンプ、OPA627BPでございます。オペアンプが何者なのかは検索していただきたいところですけど、わたくしの場合はヘッドホンアンプやポータブルアンプのオペアンプを交換して音の性格を変えようとしております。これが結構変わるんですよ。後述しますが、オペアンプの価格はさほど高価でもないので、いろんなのを買い込んで片っ端から取っ替え引っ替えして気に入った音になるかどうか試行錯誤しております。

で、そのOPA627。これは定番のオペアンプで、非常に評価が高い。伝説的な名声とでもいいますか、そういう付加価値のあるオペアンプらしいですね。
さらにOPA627でもAPとかBPとかありまして、このOPA627BPは選別品というもので高級品らしいですよ。
金額でいうと、普通のオペアンプがせいぜい400円とかなのに対して、OPA627BPは4,000円近くします。4,000円とか絶対的には大した金額でもありませんが、10倍ですからね。しかも、OPA627は1回路とかいうやつで、ヘッドホンアンプなどに使うには2ついる。そのままでは取り付けできないので(取り付けても音が出ないw)ので、図のように2つをまとめる基盤に載せてあげる必要があります。で、OPA627BP2個とその基盤の金額を加えると、並みのオペアンプの20倍以上の価格になってしまうという。
では、JRCのMUSES8820(大体400円ぐらいで売ってます)の20倍のOPA627BPがその分の価値があるかというと・・・20倍はないな。w

MUSES8820は持ってますが使ったことないので、よりライバルに近いJRCのMUSES02(これはこれで高級なオペアンプで2回路入りですけど3,400円とかする)に比べると、OPA627BPは全体にすごくバランスのとれたくっきりした音と感じます。MUSES02はちょっと柔らかいというか甘い感じがする。低域がより多く感じるせいかなぁ。
OPA627BPは上から下までまんべんなく文句のつけようのない緻密な音で、特にどこかが強調されたわけでもない。強いて言うならやや低い方が強いですかね。なんていうんでしょう、ピラミッド型とでもいうのか、そういうイメージの音。その代わりぱっと聴いたときにぐはっとくるインパクトみたいなのはないです。とはいえこれで文句はないですね。さすが神話とも言われるオペアンプ。

JRCのオーディオ用オペアンプのMUSESシリーズにはMUSES01というのもありまして。実はそれがフラッグシップ。2回路入りで価格は3,500円ぐらい。ハイエンドオーディオ用という実に頼もしいコンセプトです。>MUSES
そのMUSES01ですが、これがかなり評価が高く、高音の伸びの良さや解像度の高さで定評があります。イヤホン/ヘッドホン関連の師匠のべるがも氏もオススメのオペアンプなんですよ。>MUSES01

ところがこのMUSES01、動作電源電圧が+-9V〜+-16Vと高くてポターブル環境だと使いづらい。MUSES02だと+-3.5V〜+-16Vなんで電源の貧弱なポタアンでも対応範囲が広いんですけどね。
ウチのメインのポタアン、HA-11は9V電池×2でMUSES01に丁度良いかなと思ったんですが、調べてみると使えないという。それでもMUSES01の音が聴いてみたいということで、一か八かで購入してみました。
結果は・・・やっぱりHA-11では使えませんでした。w

持って行き場のないこの気持ちをどうしてくれようか、ということで、iMacにつないでいるFOSTEX HP-A4のOPA627BPをMUSES01に換えてみることに。なので、このような写真になるというわけでございます。ここまで前フリ。w

くどくどとオペアンプについて述べてきましたが、こんなの一般的にはどうでも良い情報です。どのような音なのかという結論が肝心。特にわたくしは椎名さん専門ですので、その点についての情報を提供することが重要なのです。w
というわけで交換したMUSES01の印象はどうか。ウチの現在のリファレンスヘッドホン、AKG K545との組み合わせ。
噂通り、極めて高解像度で高域がとてもよく伸びて、でも刺さらないギリギリの線に収まってますね。MUSES02に比べると低音が少ないと言われますが、より固くしまった感じの低音なのでこれは好みの問題じゃないかなぁ。全体にすごくきらびやかで硬い音に感じました。つまり大好き。w
椎名さんの声のあたりが力強く前に出てきます。いわゆる女性ボーカルにフォーカスのあたった音に感じます。
他のアーティストではどうかというと、「Within Temptation」でも同様。きらびやかなのにとても楽に聴けますなぁ。
全体的に大音量でやかましい「Andrew W. K.」でも破綻はない。いくつもの大音量の音が重なってもそれぞれがはっきりと聞き分けられます。
お世辞にも表情豊かとは思えない「椎名ぴかりん」、その「とろあまちゅ」、これは同じ椎名さんでもへきるさんとは正反対の最先端?の曲ですけど、これはこれでなかなか。十分いけます。

椎名さんの楽曲に話をもどすと「抱きしめて」「風が吹く丘」「Graduater」、これら試聴の定番はまったく文句なし。解像度といい、低い方から高い方までのバランス、鋭く角の立った再現とか、もう鳥肌が立つほど。なんといっても前述の通り、ボーカルのあたりが前に出てくるので椎名さん好きにはたまらない。「RESET」とかもうね(ry
椎名さんのすべての楽曲をもう一度聴き直したくなるぐらいといえば、わたくしがどのぐらい気に入ったか伝わりますかね。

結論。「椎名へきる」の音楽を楽しむのならFOSTEX HP-A4のオペアンプをMUSES01に換えるのは有りです。それどころか、これはひとつの頂点というか結論になりうる組み合わせかも。この場合は普通とは逆でイヤホン/ヘッドホンよりもアンプの音の方が楽曲の印象に対して支配的だと思います。そのぐらいインパクトのある音でした。>MUSES01
by namatee_namatee | 2015-02-05 22:03 | audio | Comments(2)
Commented by amu at 2015-02-08 23:37 x
はじめましてっ こちらを拝見してボクもついついHPA4のOPAMP MUSES01にしてみました・・・ もともと台風にしばらくMUSES01いれてて HPA4にMUSES02いれてたのを入れ替えてみました。 とりまほっちゃんやへきへきまーちゃんとK550とIE800で聴いてますが声優系には結構いけますねw ボーカル近いっ!
Commented by namatee_namatee at 2015-02-09 08:26
>amuさま
いらっしゃいませ。
ボーカルがぐわっと前に出てきますよね。>MUSES01
この違いはイヤホンやヘッドホンよりもオペアンプの差の方が大きいとさえ思えました。
当分の間はこれで楽しめそうです。
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