それぞれの思惑

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椎名さんがランティスに移籍し、最初のアルバム「Rock Rose」をリリースしたのは2009年8月12日。つまりデビュー作の「Shiena」からほぼ15年後。
「Rock Rose」とその前作「Rockin' for Love」との考察のようなものははるか前にやったような気がしますが、この2作はなんとなく似ているような気がします。2年半も間が空いているのに。

どうもよくわからんのですが、アーティストが他のレコード会社に移籍するときって、アーティスト、レコード会社の双方でなにを期待しているんでしょうね。アーティストの方から見ればアルバムやシングルを作成する資金調達の手段、ライブやコンサートのバックアップ、まあこれも資金調達の一種ですか。あとは権利関連の明確化とでもいうか、楽曲は誰のものかをはっきりさせる手段かな。レコード会社からみればCDを売るネタの一つということなんでしょうか。資金その他を提供して上がりをいただくと。

漫然とアルバムやシングル作って発売しても売れるわけがないのは当たり前。レコード会社はプロモーションに予算をつぎ込んだり、なにかのアニメとかゲームその他のタイアップとか。その前にこのアーティストの売りはなんだ?というのがつかめてないとレコード会社は動きようがないでしょうなぁ。

ランティスは椎名さんにどんな期待をかけていたんでしょう。SME(SMR)とランティスのレコード会社としての格式みたいなものについては、わたくしは正確な知識がないんですが、それでもなんとなくSME(SMR)の方が格式高そうに感じます。w
そういうランティスに移る椎名さんはどういう戦略を持っていたんでしょう。

20年の歴史を今の目でざっくりと振り返ってみると、声優さんとして声優さんらしい歌でデビュー(これがまた当時としては「Shiena」は声優さんらしくない歌だという見解もあるので、あくまで2014年の今の目、しかもわたくしの目で見てということで。)し、爆発的な支持を得る。なんだかよく分からないうちにアニメやゲームなどの声優さんの領域から離れた歌になっていき、同時に本人の意向を反映してロック色が強くなっていく。次第に初期の声優さんとしてのファンは離れていき(これまた離れていった原因が椎名さん側にあったのか、ファンの側の嗜好が変わっていったのか、それぞれの見解があって断定はできません。)2001年以降、はっきりとHR/HMの影響が現れてきて2007年の「Rockin' for Love」でその方向には上り詰めます。あれがひとつのピークですなぁ。
で、ランティスへ移って最初の「Rock Rose」こそ、前作を引き継いだようなアルバムだったものの、その次の「for you」からは明らかに色合いが変わります。ロックっぽくなくなって、ある意味他の女性ボーカリストに埋没するような色合いになったと思います。ただ、センスとかエッセンスみたいなものは全く変わらずあるので、それが読み取れるかどうかが選ばれたものとそうでないものの境目(ry

戯言はとにかく、こういった椎名さんの楽曲の変遷とレコード会社の関係はあるのかないのか。初期のころにはレコード会社と音楽的な方向性で対立があったと聞いております。反面、音楽性の椎名さん主導が強まったと感じる2001年以降、セールスやランキングが下がって行くにもかかわらずSME(SMR)は「Rockin' for Love」の直前まではそれなりのサポートをしていたように見えます。つまりあまり口を出さなかった?
ランティスとてボランティアではありませんから、なんらかの戦略があって椎名さんの移籍を受け入れたのでしょう。受け入れた(=金を出す)ということは口も出すということだと思うんですが、それがどの辺まで及んでいたのか。

忘れてはならないのは椎名さんは「アーティスト」ですから、楽曲は自身の表現手段のはずです。歌手というのとはまたちょっと違う。自分の意図や意思を楽曲そのものに反映させている。完全に一から作るわけではないにしても、曲を出すというときには在庫などといわれる楽曲の中からふさわしいものを選び(あるいは書き下ろしてもらい)、アレンジをお願いする人に意図を伝え(そもそもアレンジする人を選ぶところから曲作りが始まっているとも)、歌詞を書いてもらい(もしくは自分で書く)そうやってあの楽曲はできているわけでして、ある種の楽曲のように歌の部分だけを請け負っているのとは違います。こういう今や高尚とも言えるスタイルのせいで、広く受け入れられたくさん売れるような方向に行きづらいとも思っているんですが、それはそれ。
そういったスタイルにレコード会社の意向はどういう影響があったのか。また、ファンの意向も無視できません。そしてもちろん、椎名さん(とそのスタッフ)の意向も。この3つの関係。これが知りたい。

ここでファンの意向について補足しておくと、2007年以降、楽曲の良し悪し、色合い作風その他もろもろはもはや関係なくなってきているような気がします。今いるファンはそういうものでは動きませんでしょう。w
椎名さんの提示してくるものをそのものとして受け止め、ある意味、信者のように付き従う。椎名さんサイドから見るとむしろ張り合いがないかもしれません。w
幸いなのはその椎名さんの提示する楽曲は間違いなく一流のセンスと技術に裏付けされたものであるということで、改めて聴き込んでも、あるいは盲目的に礼賛してもハズレにはならないことでしょう。これは一種のブランドですね。

でも、その世界の中で済んでいれば良いんですが、何事も先へ進まなければならないのが世の常。新しいファンを呼び込まないとどんどん狭くなっていってしまう世界を打破するために、新しいセンスを磨き新しい楽曲を出すわけですが、前述の通り、現状は他の女性ボーカリストに埋没すような方向になっており、かといってかつての「へきロック」路線に、といっても、今やその手の歌い手さんも数多い。クオリティは別として。w
今後、どういう方向に行くのか、非常に興味深いです。最新シングル「Hello Goodbye」で示された、超高品質、超絶技巧の方向になるのか・・・あれ、あまりにすごすぎて普通に聞くとそのまま聞き流してしまいそうなんですよね。
それにしてもあの手のクオリティの楽曲でアルバム1枚とか、もう胸熱(ry

この手の話はいくら考えても絶対に本当のところはわからないことでしょうなぁ。企業秘密というか、公にするような事柄じゃないし、椎名さんといっても本人のみではなくプロデューサーをはじめとしたスタッフそれぞれの思惑や考えていること感じていることがあり、とてもじゃないけどわたくしごときがこうだ!と結論付けられるような事柄ではありません。
・・・だったらくだらないことをダラダラと書くなと。w

図は特に意味はありません。いわずとしれたアルバム「PRECIOUS GARDEN」。このジャケットの写真は不思議。なんとなくLOMOで撮ったような独特のぼんやりした写り。ピントが5cmぐらい後ピンだったりする。
by namatee_namatee | 2014-12-23 21:04 | music | Comments(10)
Commented by フラフープ at 2014-12-23 23:37 x
ロックとロッキンが似ているという話、namateeさんはよく言われていますね。
移籍する段階で、すでにロッキンが出来上がりかけていて、ランティスも(楽だから)そのまま使ってみた、というのは素人考えすぎですかね?他には、大人の事情で使わざるをえなかったとか、色々と模索するために同じ路線で様子を見たとか。いや、発想は同じか。
Commented by namatee_namatee at 2014-12-24 08:40
>フラフープさま
ロックとロッキンって約するのは新鮮。w
いやぁ、その似ているという見解も本当のところは自信がないです。(汗
細かく見ると同じではないんです・・・ただ2年半、新しいレコード会社から出すアルバムとしては全体的に色合いが似通って聴こえるという。

フラフープさんのおっしゃる、移籍する段階で~については、わたくしも同じように考えたことがあり、以前のエントリーに書いたこともありましたが、その仮説は猿実さんに粉砕されました。w
おそらく楽曲プロデュースしたランティス側が典型的な「椎名へきる」の音楽を欲し、椎名さん側は特に新しいコンセプトを用意しなかったもしくはできなかったのかなぁ、などと思っております。
Commented by フラフープ at 2014-12-24 12:23 x
なまさん撃沈の様子を、是非リンクで!
Commented by namatee_namatee at 2014-12-24 12:42
>フラフープさま
こちらをどうぞ。
http://namatee.exblog.jp/21744145/
しかしレスの応酬が長いですね。(汗
Commented by フラフープ at 2014-12-28 07:14 x
すごいです。僕とは若干方向性が違いますが、皆さん本気が伝わってきます。
僕はロックとロッキンはさほど似ていないと思うので、そもそも議論になりませんが、ロックの中の曲は、いずれもカラーがかなり近いように感じます。
Commented by namatee_namatee at 2014-12-28 10:39
>フラフープさま
似ていると言っても何から何まで同じとかそういう意味合いではないです。なんていうか、レコード会社が変わったにもかかわらず、そして前作の「Rockin' for Love」のセールスが奮わなかったにもかかわらず、コンセプトみたいなものの飛躍的な変化が感じられないなぁ、というところから始まった話ですね。

別に変化しなくてはならないというわけではないですけど、変化があっても良かった頃合いかな、とも思えるし、次の「for you」ではかなり路線が変わって見えるので、「Rockin' for Love」→「Rock Rose」の穏やかな進化がなぜそういう穏やかさだったのか疑問があるなぁ、ということですね。
Commented by フラフープ at 2014-12-28 20:55 x
T氏に直撃するしかない!
Commented by namatee_namatee at 2014-12-28 21:10
>フラフープさま
こんな面倒臭い話、絶対取り合ってくれないと思います。>T氏
Commented by フラフープ at 2014-12-29 15:50 x
苗場みたいな雰囲気のFCイベントがあれば、話の持っていきようはありそうですよ。その日を夢見て、言葉を練っておくのもよろしいかと。
Commented by namatee_namatee at 2014-12-30 01:08
>フラフープさま
いざとなると言葉が出てこないヘタレなので、キッチリ予習しておかないと。
かといってあまりにくどいと怒られそう。w
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