越えられない壁

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いやしかし、椎名さんもまさか20年後にシングルBAドライバ4連装のカスタムイヤホンで自分のデビューアルバムを聴く奴が現れるとは思うまい。w

先日やってきたカナルワークスのCW-L05QD、最初は聴き疲れしたんですが、次第に慣れてまいりまして今ではその高い解像度と狙ったとおりの音のバランスで大変幸せです。解像度だけでなく、音の定位がはっきりと揺らぎないので、細かくて小さい音の聴き分けがやりやすい。

で、椎名さんのアルバムを一通り聴いてみて感じたのは、特に初期のアルバムの丁寧な音作りというか、いろいろと手馴れない中でベストを尽くそうとした心意気みたいなもの。
こういうのは別にイヤホンが違うからどうのということはないはずですが、やっぱりユニバーサルイヤホンとは一味違う高音質を奏でるカスタムIEMですと、そのレベルの高さがよく聴き取れます。特に落ち着いた楽曲、例をあげると「私の未来」とかはその作り込みの精緻なことが感じられて、今更ながら新鮮です。
前にも書きました通り、落ち着いた楽曲と初々しい椎名さんの歌声のバランスは「with a will」の頃が究極で至高です。
CW-L05QDで聴くと音のディテールが極めてはっきりと掴めるので、わずかな声の変化や今まで聴き逃していた楽器の音も感じられて、その質の良し悪しがよくわかります。モニターイヤホンとはよく言ったもんだ。

一貫するのは椎名さん自身の歌声とギターの音に対する思い入れ、ですね。楽曲の面からはこの二つの要素を生かすように作られているような気がします。そしてうまくいったりいかなかったり迷走したりするんですが、いずれにしても手馴れた感じってのはないんですよね。どの時代でもいつでも必死。それなりに手馴れたかなとも思えない事もない最近の楽曲でも結局は必死。w
この必死な感じこそ椎名さんの音楽の特徴で、これは初期からずっと変わってませんなぁ。なにをもってそれを測るのかという問題があるんですが、アルバムを制作する時にその時に持つ能力・伎倆の目一杯かちょっとオーバーしたぐらいで歌っているように感じます。本人はおくびにも出しませんが、かなり身を削らないとCDを聴いてても伝わって来る必死さってのは出ないと思います。

その必死で余裕のない印象からか、「歌唱力が(ry」と言われ続けましたが、むしろこれだけはっきりと必死さを伝えて来るってのは「絶大な歌唱力」と言い換えることができるのかもしれませんよ。w

CW-L05QDは女性ボーカルやギターの音に特化したイヤホンではありませんが、わたくしの耳では椎名さんとの相性はとても良いです。シングルBAドライバの癖のなさと低音の少なさを補う構成は激しい曲も落ち着いた曲も良い感じで聴かせてくれますが、強いて特徴的と言うならたくさんの音が重なるような複雑な曲ではなく、シンプルでひとつひとつの音が力強いような楽曲でより感動が大きいような気がします。
上記の「私の未来」とか最近のだと「セ・ツ・ナ」とか。いや他にもありますけどね。たまたま今しがた聴いていて印象が強かったのがこの2曲だったわけでして。

音質について言うならば、ユニバーサルイヤホンとカスタムイヤホンの間にはやはり越えられない壁があると思います。このCW-L05QDと同等の解像度や低域〜中域の再現度をユニバーサルイヤホンでなんとかしようとなると、たぶん11万円では無理、というか、構造・機構的に無理でしょう。耳にぴったりフィットすることで、もしかしたら骨伝導みたいな効果もあるのかもしれません。カスタムイヤホンは明らかにイヤーチップを持つイヤホンとは違う音の質です。通常、低音が十分でないとされるシングルBAイヤホンですが、CW-L05QDでは低音の沈み込みみたいなものもちゃんと感じます。これは、例えばXBA-10ではほとんどありませんし、かなり低域寄りのX10でも音としては聴き取れますけど、なんていうか体に伝わって来る感じは少ないというか。
そしてマルチドライバのSE535LTDに比べると全体にクリアです。音の傾向が似ているといえば、Zero AudioのCARBO DOPPIO ZH-BX700-CDは、BAドライバ連装ということからのわたくしの思い込みかもしれませんが、なんとなく近いような気はしますね。

いやしかし、良い買い物しました。この世にこんなに良い音のするイヤホンがあるなんて信じられません。もしかして、他のマルチドライバのカスタムIEM、例えば「Roxanne」とかってもっと良い音するんですかね。>死ぬ気か
by namatee_namatee | 2014-11-05 21:33 | audio | Comments(2)
Commented by フラフープ at 2014-11-06 08:21 x
やっぱりそんなに違いますか。良い買い物ができて何よりですね。新曲に間に合ったことも幸いでした。
CDと配信では、音は違うんですかね。
Commented by namatee_namatee at 2014-11-06 15:57
>フラフープさま
はっきり違いが判るという意味では、むしろ変に思い込みの無い、一般の人wの方が「11万円の音か!」と納得しやすいかもしれません。>カスタムIEM
もちろん、そういう方がカスタムIEMを使うことはまずないので、なんて言いますか、これはお互い交わることのない道のようなものですね。w

配信といってもiTunesStoreのようにAACのところと、最近はやりのハイレゾ配信ではまた違いますが、前者ならCDの方が音質は優位、後者だと一般的にハイレゾ配信の方が有利となりますね。
ただハイレゾはいろいろと面倒なお話がありまして・・・以下長くなるし知ってても仕方ない事なので省略。w

44.1kHz/16bitのCDの音とiTunesStoreのAACで違いが分かるかというと・・・よーく聴きくらべてみればわかるかも、という程度です。少なくともわたくしの場合は。w
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