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「ヨコハマ買い出し紀行」なぜかKindle版の第6巻第54話「武蔵野通信」より。

「本とかでわかることでも 現場で感じるのと 全然ちがう 目の前のモノ ちゃんと見て・・・・・・」
若かりし頃の子海石先生が同じく若かったおじさんに言ったことばなんですが、これが「ヨコハマ買い出し紀行」のテーマのひとつみたいで、そちこちに似たような言葉やシチュエーションが出てまいります。
アルファさんも台風メイホワの災難の旅から帰って来たときに(第81話「一年空間」)、おじさんに同じようなことを言います。
「本でわかることと現地で感じることは・・・・・・別モノなんだなあって」
これは子海石先生から教わったことではなく、アルファさん自身が旅に出て感じたことですね。

では、「本でわかること」は何か?
あれこれやると話が長くなるので簡単に行くと、第0話「ヨコハマ買い出し紀行」でアルファさんはコーヒー豆を買いにヨコハマまでスクーターで出かけます。出がけにおじさんのガソリンスタンドに寄ってガソリンを満タンにする。その時の様子だとアルファさんとおじさんは少なくとも話をするのは初めてのようです。カフェアルファの近所に他のガソリンスタンドがあるとは思えず、つまり、アルファさんが遠出するのは初めてのようです。おじさんの話だと、そこら辺にいるのを近所の住民に目撃されているので、近場に出歩くことはあったようですけど。
なのでヨコハマへコーヒー豆を買いに行くのは、知識として知っているけれども実践するのは初めてということですな。
たぶん、オーナーにそうしなさいと教わったんでしょう。コーヒー豆が無くなって、近所で手に入らなくなったらヨコハマまで買い出しに行きなさい、ってね。
話がそれますが、後のストーリーでアルファさんがヨコハマへ買い出しに行くのは3年に一回ぐらいのペースだそうなので、オーナーが居なくなったのは0話の3年ぐらい前なのかもしれませんね。「何年か前 私のオーナーは 私に店をあずけて いきなり どこかへ行ってしまった」とありますし。

そういったわけで、アルファさんはコーヒー豆の買い出しについて知識としてどうやってどこへ行ったら良いかは知っていて、実行する能力もある。

「本でわかること」ってのは要するにこういう知識のことなんでしょう。アルファさんの部屋にも本はありましたし、近所には図書館や本屋もあるみたいなので、店が暇なときは本を読んでいるのではないかと想像します。で、いろんなことを学習している。
その証拠というか、さりげなく知識はあるけど実践したことが無いことがあるってのを現しているのが画像です。ココネに貰ったお酒のお礼の手紙を投函するシーンなんですが、よくみるとアルファさんはたばこ屋のばあちゃんに手紙を投函する場所を教わってます。郵便というシステムをしっているし、ポストというものがあるところに行けば良いということは知っているけど、具体的にポストのどこへ手紙を入れたら良いかは知らなかったんですね。つまり手紙を出すのは初めてということです。

考えてみればあの夕凪の時代の三浦半島の西の外れに一人で住んでりゃ、誰かに手紙を出すなんて必要はありませんわな。ココネとの出会いで、そういうコミュニーケーションということも出来るようになったというわけで、さりげないんですがアルファさんの成長に大きな影響があった出来事なんですよ。

アルファさんは知識としていろんなことを知ってる。しかもロボットの人は有能ですから、なにか実践しなければならないときにはそつなくこなす能力もある。ただ、そうやって経験したことはアルファさんの人格というか精神的というか、人としての成長に大きな影響を与えたのは間違いない。そうやって成長していくアルファさんを眺めるのが「ヨコハマ買い出し紀行」というマンガなのです。
by namatee_namatee | 2014-05-28 21:31 | book | Comments(0)
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